九州八十八ヶ所百八霊場めぐり、第27番・蓮城寺の次は第28番・興山寺に向かう。いずれも九州西国霊場の札所でもあり、2021年に回った時は興山寺、蓮城寺の順に回り、その間に「臼杵湯の里」での宿泊・入浴、そしえ臼杵石仏の拝観を挟んだ。
興山寺に行く途中、やはり通り道沿いにある臼杵石仏は拝観するべきだろう。そのつもりでレンタカーを走らせていると、雨が落ちて来た。まあ、予報どおりである。
途中、仕事に関する電話がかかったりしてクルマを停めて話をしたこともあり、蓮城寺から臼杵石仏まで1時間かかる。この先も長く、どうやらこの日も昼食抜きになりそうだ。まあ、そこは夜の佐伯に期待するとして・・。
受付を済ませ、傘をさして石仏が祀られている一帯をめぐる。先の蓮城寺の記事で、真名野長者が臼杵石仏を造ったともされる・・と触れたが、実際の研究では平安後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたものとされる。もっとも、誰がどのような目的で彫刻したのかはいまだ謎に包まれているという。それも不思議なことである。これだけ立派なブツ・・もとい仏が揃っているのだから、何らかの史料が残っていてもおかしくない。戦乱によりそれらがすべて焼かれて何も残っていないとか・・?
まずは不動明王、阿弥陀三尊、九品阿弥陀が並ぶ「ホキ石仏第二群」。連休中ということで参詣の人もそれなりにいて、ローソクの炎、線香の煙も絶えない。
次は「ホキ石仏第一群」。地蔵菩薩、大日如来、阿弥陀如来、薬師如来などそうそうたるメンバーが並ぶ。現在は保護のための屋根がかけられているとはいえ、800年経過してもこうした状態で残されていることじたいすばらしいことである。
少し離れているのが「山王山石仏」。こちらは薬師如来を中心に三体で小ぢんまりとまとまっている。
そして最後に、臼杵石仏のメインエリアといっていい「古園石仏」。こちらも、かつては崩壊、損傷のため首が落ちた状態で公開されていた大日如来をはじめとしたオールスターキャストでのお出迎えである。ちょうど周囲を見渡す高台にあり、お堂もできた中で首も元に戻った大日如来が荘厳な雰囲気を発している。
こちらに、「国宝臼杵石仏 第一次美仏内閣 本格始動」と書かれた看板がある。前回臼杵石仏を訪ねた時は、美仏の「総選挙」が行われていた。立候補者?の「選挙ポスター」が掲げられていて、拝観の人たちは古園石仏のスペースにて投票する仕組みになっていた。その後、総選挙の結果により内閣が誕生したようである。
そして、内閣総理大臣となった大日如来をはじめ、9つのポストが決まったようである。防衛大臣・不動明王、文部科学大臣・阿弥陀如来といった顔ぶれである。「総選挙」で私は「ホキ石仏第一群」の阿弥陀如来に1票を入れたと思うが、そちらは官房長官になっていた。
意外にも、古園石仏の大日如来は内閣に入っていなかった。というか、そもそも総選挙にも立候補していなかったのでは。何か、それらを超えた存在とでもいうこ
こうした総選挙~組閣が臼杵の観光にどのくらい効果をもたらしているかはわからないが、数々の石仏が残り、それぞれ選挙ポスターや大臣プロフィールになるキャラ付けができるのも臼杵ならではであろう。
臼杵石仏を後にして、この後は臼杵、津久見と回って佐伯を目指す・・・。
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