十二湖の駅前から白神山地の入口にあたる十二湖へ進む。「十二」とはいうものの実際の湖や池というのはもっとあるそうだ。GWということでクルマの列も多く続く。
そういえば、湖と池の違いというのはどういうものだろうか。広さ?深さ?
王地東湖、中の池、落口の池などいくつかの湖や池を見ながら、挑戦館に着く。ここから歩くこと5分ほどで、あの青池に出会う。十二湖一の有名スポットである。
JRのポスターの写真が作り物でないことは、言わずもがな。訪れる人たちも一様に関心するばかり。
それにしても、この池の青さはどこから出てくるのだろうか。よく、空の青さや周りの山の緑が川や池に映えるということはあるが、この透き通った青さというのはつくりものではないかとも思わせる。水の底からなにか特別なものが湧き出ているのだろうか。理屈ではわからないものである。
青池を後に、しばらくブナの原生林を歩く。世界遺産である白神山地はもっと奥深いものであるが、こうして気軽に自然の一端に触れることができるのは喜ばしい。沸壺の池などをしばらく歩き、十二湖の散策とする。
十二湖をはじめとした白神山地の風情を味わい、山道を再び海岸まで戻る。少し北に進んで、岩崎地区の森山海岸に着く。ここでも立ち寄り。この森山海岸には「ガンガラ岩」という奇勝があり、入江越しに白神山地をも見ることができるスポットであるが、私の目的はこの岩ではなく、海岸から少し丘をのぼったところにある「賽の河原」。
「賽の河原」といっても、海を見下ろす「賽の河原」。今日は天候もよく、穏やかな日本海を優しく見守っているのだが、冬場なら実に荒涼とした風景であろう。
五能線沿線を訪れるにあたって、ぜひ行きたいと探していたスポットがここである。
TBSのドラマで放映された「砂の器」。あのドラマはストーリーの展開もさることながら、日本各地の美しい原風景(例えその場所がドラマの舞台とは異なる場所であったとしても)にこだわってつくられたものであるが、岸壁に小さな祠のあるこの荒涼としたシーンというのが印象に残っていた。そのロケ地がどこだったのかが気になっていたのだが、あるサイトでこの森山海岸の「賽の河原」だったことを知り、ならば来てみようと思っていたのだ。
今はこうして穏やかな天候であるが、夕暮れ時とか、あるいは冬の寒風が吹く中では「身投げ」という言葉が連想される。「砂の器」でも、この海岸から「あさみ」が飛び込もうとするシーンがある・・・。
なおこの「賽の河原」からも、五能線を眺めることができる。
さて、しばらく歩いたり運転したりが続いたので、一息入れることにしよう。目指すは「不老ふ死温泉」・・・(続く)。