弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

法テラスが本日より業務開始!-でも早くも問題点が…

2006年10月02日 | 法律情報
現場の弁護士等はあまりよく理解できていない中、とうとう始まってしまった(!?)「法テラス」ですが、何だか早くも暗雲が立ちこめているようです。

今回の法テラスの業務開始に伴って、被告人のみならず被疑者(要はまだ起訴されていない段階の者)についても国選弁護ができるようになりました。
弁護士費用は、従来の被告人国選と同様、税金で支払われますので、基本的に取りっぱぐれはありません。

というわけで、弁護士業界も業務拡大!ということで、さぞ喜んでいるだろうと思いきや、少なくとも私の知っている限りでは、あまり盛り上がっていません。
むしろ、国選事件に登録しない弁護士が増えて、登録するよう執行部が働きかけに躍起になっていると聞いています。
(登録しなければ懲戒対象にするぞ!など、半分脅迫じみた言い方をして、トラブルになっているようです)

また、日弁連の試算によると、被疑者国選制度について、2009年には年間2万件以上もの案件に対応できないと試算されています(但し、新規登録者を含めていないので、どこまで正確なのか分かりませんが)。

弁護士の本音として、何故好きこのんで、犯罪者の弁護人として嫌われ役にならなければならないのか?という意識があるのでしょうか?。

ちなみに、どうしても個人的に腑に落ちないのが、国選事件で刑事弁護をやる場合、検察官の監督官庁である法務省に弁護人も監督されるという法制度になっている点です(法テラスを通じて国選弁護は受任します。そして、法テラスは法務省管轄の機関です。このため、理屈上は、弁護人も法務省の管轄になるというようです)
法務省も、さすがに明らさまには権限行使をしないと思いますが、本当にこれで良いのか?というのは疑問です。

なお、法テラスによる国選弁護は違法であるとして、一部弁護士が訴訟を提起したと噂を聞いたことがあります。

今後、法テラスはうまく機能していくのでしょうか??


関連するニュースへのリンク
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20061002/mng_____sya_____002.shtml
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