弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

小泉首相の靖国参拝訴訟で初の最高裁判決-結果は市民側の請求棄却!

2006年06月23日 | 法律情報
大阪地裁などで、傍論ながら、靖国参拝の違憲性が指摘され注目を集めていた、いわゆる靖国参拝訴訟ですが、本日、最高裁判所で判決がありました。

結果は予想通り(予定通り!?)、原告に請求を棄却、つまり国側勝訴です。
判決理由は、報道を見る限り、参拝によって、損害賠償の対象となる法的利益が侵害されたとは言えない旨述べたようです。
なお、注目されていた、靖国参拝に関する憲法判断については、一切触れられておらず、地裁レベルのような、踏み込んだ(あるいはやりすぎ!?)判断はなされていないようです。

この問題については、各地で色々と裁判を求める動きがありますが、個人的には、この問題を司法の問題で争っても、正直、国側勝訴の判決以外あり得ないのではないかと思っています。

というのも、靖国参拝は、直接的に特定個人を対象とした行為ではなく、また靖国参拝に対する受け止め方も、各個人によって異なる以上、究極的には一般の社会通念を下に判断する裁判所としても、判断のしようがないと思われるからです。

訴訟の結果ではなく、訴訟を行うことで政治的にプレッシャーを与えるという意味ので抑止力を狙っているのかも知れませんが、そうなると、政治で解決する問題になってしまうでしょう。

何となく、この訴訟については、堂々巡りのような気がするのでは私だけでしょうか。


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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060623-00000104-yom-soci

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