胎児は「人」か?
この問題は、法律学を勉強した人であれば、必ず聞いたことがある問題だと思います。
一般の人からすれば、重箱の隅をつっついたような問題だなぁ…と思われるかも知れませんが、実は、法律上は大問題なんです(この問題が特にクローズアップされたのは、実は水俣病に関する刑事裁判です)。
というのも、民法上は胎児は「人」、刑事上は胎児は「人ではない」と一般的には解釈されているからです。
また、本件で言えば、母親は死亡していない以上、単なる業務上過失致傷罪で処罰されれば、被告人にとっては罪が軽くなるという関係があるので、非常に重要です。
この様な問題が生じるのは、胎児の独立の生命体と見るのか、あるいは胎児は母胎の一部と見るのか、という考え方の違いがあるからなのですが、上記で紹介した静岡地裁は、胎児に対する業務上過失致死傷罪の成立を認めました。
この判決がどの様な意味を持つかというと、例えば、胎児を母胎の一部と見るのであれば、母親の体を傷つけたとして、母親に対する業務上過失致傷罪を成立させれば足ります。
ところが、胎児に対する業務上過失致死罪を認めたということは、胎児を独立の人として認めた上で、胎児を殺した以上、罪を負いなさいと言うことを意味します。
つまり、今回の静岡地裁は、刑事上の一般的解釈を覆し、新たな解釈を示したことになるのです!(なお、裁判所は昔から、色々な解釈で何とか胎児を「人」として認めようと努力を試みたのですが、どれも無理があると批評されています)。
裁判所において、静岡地裁が示したような傾向が今後続くのか、注目する必要がありそうです。
関連するニュースへのリンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060608-00000107-jij-soci
この問題は、法律学を勉強した人であれば、必ず聞いたことがある問題だと思います。
一般の人からすれば、重箱の隅をつっついたような問題だなぁ…と思われるかも知れませんが、実は、法律上は大問題なんです(この問題が特にクローズアップされたのは、実は水俣病に関する刑事裁判です)。
というのも、民法上は胎児は「人」、刑事上は胎児は「人ではない」と一般的には解釈されているからです。
また、本件で言えば、母親は死亡していない以上、単なる業務上過失致傷罪で処罰されれば、被告人にとっては罪が軽くなるという関係があるので、非常に重要です。
この様な問題が生じるのは、胎児の独立の生命体と見るのか、あるいは胎児は母胎の一部と見るのか、という考え方の違いがあるからなのですが、上記で紹介した静岡地裁は、胎児に対する業務上過失致死傷罪の成立を認めました。
この判決がどの様な意味を持つかというと、例えば、胎児を母胎の一部と見るのであれば、母親の体を傷つけたとして、母親に対する業務上過失致傷罪を成立させれば足ります。
ところが、胎児に対する業務上過失致死罪を認めたということは、胎児を独立の人として認めた上で、胎児を殺した以上、罪を負いなさいと言うことを意味します。
つまり、今回の静岡地裁は、刑事上の一般的解釈を覆し、新たな解釈を示したことになるのです!(なお、裁判所は昔から、色々な解釈で何とか胎児を「人」として認めようと努力を試みたのですが、どれも無理があると批評されています)。
裁判所において、静岡地裁が示したような傾向が今後続くのか、注目する必要がありそうです。
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