2.外国人材受け入れ拡大には危険性が
本年秋は、皇位継承に伴う儀式が世界の関心を集める。来年は東京オリンピック・パラリンピック、令和7年(2025年)は大阪万博が行われ、日本はますます世界から注目されることになる。その一方、わが国は多くの問題を抱えており、さらに新たな問題が生じてもいる。その新たな問題の中に、外国人材受け入れの拡大とアイヌ問題がある。
近年、日本で働く外国人が目立って増えている。平成30年(2018年)10月時点の外国人労働者は、146万463人で過去最高を更新した。10年間で3倍に増えた。その多くは、中国人である。
政府は、さらに外国人労働者を多く受け入れるために出入国管理・難民認定法、いわゆる入管法の改正を進めた。本年4月、改正入管法が施行された。
これまで日本は、外国人労働者の受け入れを高度な専門的な能力を持つ人材に限っていた。だが、改正入管法によって、外国人政策を大きく転換し、比較的単純な仕事のできる外国人の受け入れを積極的に拡大することになった。
受け入れを拡大するのは、農業や介護、建設、造船、宿泊などの14業種である。理由は、人手不足が深刻な産業分野だからという。政府は、本年度からの5年間で最大34万5,150人を上限として受け入れるとの方針を示している。
日本で外国人が生活や労働の出来る資格を、在留資格という。改正入管法は、新たな在留資格を設けた。「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ者には、「特定技能1号」の資格を与える。在留期間は通算5年で、家族の帯同は認めない。さらに高度な技能を持つ者には「特定技能2号」の資格を与える。2号は、長期在留や家族の帯同が認められる。現行法では、日本に10年在留すれば、永住権を獲得できるようになる。
入管法改正への動きは、唐突で拙速で杜撰だった。国会に法案が提出されると、多くの問題点が指摘された。最終的な見込み人数は何人か。日本人と仕事の奪い合いになる恐れはないか。外国人労働者の医療、健康保険などのコストをどうするのか。地方の人手不足は解消されないのではないか。不法滞在・不法就労、犯罪、トラブルが増加するのではないか等々である。だが、それらの問題点の多くが解消されないまま、短時日で入管法の改正が決議された。
多くの問題点が上がったように、改正入管法は国民生活に大きな影響をもたらすことは、明らかである。とりわけ大きな問題点は、ある程度の技能を持つ外国人には、永住への道が開かれることである。
日本は「和」を尊ぶ国柄で、古代から外国人が渡来すると、これを受け入れ、日本の社会に同化させてきた。だが、これまでは外国から入ってくる人数が少数だった。受け入れる人数が多すぎ、かつあまりにも急速に増えた場合は、同化しきれなくなる。受け入れ人数制限を厳しくし、際限なき増加を防ぐための具体的な措置を講じなければならない。
外国人材の受け入れ拡大がなし崩し的に進められれば、実質的な移民拡大になり、日本は移民国家に変貌していく恐れがある。特に注意すべきは、入ってくる外国人労働者の多くは、中国人となることが確実であることである。
ヨーロッパ諸国は第2次世界大戦後、安い労働力として、アジア、中東、北アフリカ等から外国人移民を多数受け入れた。それは、大失敗だった。移民の多くはイスラーム教徒で、キリスト教文化を受け入れず、文化摩擦が強まり、犯罪やテロが蔓延するようになった。ましてわが国は、世界最大の人口を持つ共産主義国家、中国から多数の外国人が入ってくる。そうなると、ヨーロッパ諸国以上の混迷に突入するおそれがある。
中国では平成22年(2010年)に国防動員法が施行された。緊急時には海外在住の中国国民も動員に応ずることが義務づけられた。仮に日中が紛争状態に陥った時、在日中国人は、中国共産党の命令に従って動く。自衛隊や米軍の活動を妨害するために、集団的に行動するだろう。これは、日本の安全と国益にとって重大な問題である。
次回に続く。
************* 著書のご案内 ****************
細川一彦著『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1
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本年秋は、皇位継承に伴う儀式が世界の関心を集める。来年は東京オリンピック・パラリンピック、令和7年(2025年)は大阪万博が行われ、日本はますます世界から注目されることになる。その一方、わが国は多くの問題を抱えており、さらに新たな問題が生じてもいる。その新たな問題の中に、外国人材受け入れの拡大とアイヌ問題がある。
近年、日本で働く外国人が目立って増えている。平成30年(2018年)10月時点の外国人労働者は、146万463人で過去最高を更新した。10年間で3倍に増えた。その多くは、中国人である。
政府は、さらに外国人労働者を多く受け入れるために出入国管理・難民認定法、いわゆる入管法の改正を進めた。本年4月、改正入管法が施行された。
これまで日本は、外国人労働者の受け入れを高度な専門的な能力を持つ人材に限っていた。だが、改正入管法によって、外国人政策を大きく転換し、比較的単純な仕事のできる外国人の受け入れを積極的に拡大することになった。
受け入れを拡大するのは、農業や介護、建設、造船、宿泊などの14業種である。理由は、人手不足が深刻な産業分野だからという。政府は、本年度からの5年間で最大34万5,150人を上限として受け入れるとの方針を示している。
日本で外国人が生活や労働の出来る資格を、在留資格という。改正入管法は、新たな在留資格を設けた。「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ者には、「特定技能1号」の資格を与える。在留期間は通算5年で、家族の帯同は認めない。さらに高度な技能を持つ者には「特定技能2号」の資格を与える。2号は、長期在留や家族の帯同が認められる。現行法では、日本に10年在留すれば、永住権を獲得できるようになる。
入管法改正への動きは、唐突で拙速で杜撰だった。国会に法案が提出されると、多くの問題点が指摘された。最終的な見込み人数は何人か。日本人と仕事の奪い合いになる恐れはないか。外国人労働者の医療、健康保険などのコストをどうするのか。地方の人手不足は解消されないのではないか。不法滞在・不法就労、犯罪、トラブルが増加するのではないか等々である。だが、それらの問題点の多くが解消されないまま、短時日で入管法の改正が決議された。
多くの問題点が上がったように、改正入管法は国民生活に大きな影響をもたらすことは、明らかである。とりわけ大きな問題点は、ある程度の技能を持つ外国人には、永住への道が開かれることである。
日本は「和」を尊ぶ国柄で、古代から外国人が渡来すると、これを受け入れ、日本の社会に同化させてきた。だが、これまでは外国から入ってくる人数が少数だった。受け入れる人数が多すぎ、かつあまりにも急速に増えた場合は、同化しきれなくなる。受け入れ人数制限を厳しくし、際限なき増加を防ぐための具体的な措置を講じなければならない。
外国人材の受け入れ拡大がなし崩し的に進められれば、実質的な移民拡大になり、日本は移民国家に変貌していく恐れがある。特に注意すべきは、入ってくる外国人労働者の多くは、中国人となることが確実であることである。
ヨーロッパ諸国は第2次世界大戦後、安い労働力として、アジア、中東、北アフリカ等から外国人移民を多数受け入れた。それは、大失敗だった。移民の多くはイスラーム教徒で、キリスト教文化を受け入れず、文化摩擦が強まり、犯罪やテロが蔓延するようになった。ましてわが国は、世界最大の人口を持つ共産主義国家、中国から多数の外国人が入ってくる。そうなると、ヨーロッパ諸国以上の混迷に突入するおそれがある。
中国では平成22年(2010年)に国防動員法が施行された。緊急時には海外在住の中国国民も動員に応ずることが義務づけられた。仮に日中が紛争状態に陥った時、在日中国人は、中国共産党の命令に従って動く。自衛隊や米軍の活動を妨害するために、集団的に行動するだろう。これは、日本の安全と国益にとって重大な問題である。
次回に続く。
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