今年は、わが国の再建に向けて、大きな前進のあった年だった。一昨年12月の衆院総選挙の結果成立した安倍晋三内閣は、アベノミクスによるデフレ脱却への始動、参議院選勝利による国会のねじれ解消、2020年東京オリンピックの招致成功、NSCの創設と特定秘密保護法の成立等を実現した。そのうえ、年末には、安倍首相の靖国神社参拝と沖縄県の仲井真知事の辺野古埋め立て承認を成し遂げた。「危機突破内閣」による、実に目覚ましい1年だった。
その一方、中国による度重なる領海侵入・防空識別圏の設置、米国における韓国系市民による慰安婦像の建立等により、わが国に対する圧力が高まり、首相の靖国参拝をきっかけに一段と中韓の反発が強まっている。周辺諸国の妨害をはねのけて日本再建の勢いを維持・拡大していくには、国民の団結が必要である。
米国は年明け早々、再びデフォルトの危機に直面する。欧州経済は出口の見えない混迷の中にある。中国では、不動産バブルが破裂寸前となり、外国資本が撤退し、中国人富裕層が資金を海外に移している。韓国は、大企業が次々に破綻し、また赤字国債の比率が全体の50%を超え、デフォルトに陥りかねない状況になっている。北朝鮮では、張成沢の処刑と親中派の粛清が行われ、東アジアには動乱の兆しがある。こうした中でわが国が平和と繁栄を持続するには、日本人が個々人の私益の追求に偏らず、国民全体の国益の追求に意志を結集しなければならない。
日本人が日本精神を取り戻し、一致協力することが、国民一人一人の幸福と発展につながる。また、日本を再建することが、世界の平和と発展への貢献となる。日本を愛する人々は、心をつなぎ合って、日本を明るく元気にしていこう。
皆様、よいお年をお迎えください。
以下は、時事通信社による今年の10大ニュース国内編及び海外編。
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●時事通信社
http://www.jiji.com/jc/v?p=10bignews-2013domestic01
20131230
<2013年10大ニュース国内編>
第1位 アベノミクス始動、異次元緩和で円安・株高
安倍政権の経済政策「アベノミクス」が始動。①金融緩和②財政出動③成長戦略―の「三本の矢」を好感した市場では年初から円安・株高が進み、景気回復ムードが高まった。特に黒田東彦総裁を迎えた日銀は4月4日、消費者物価上昇率を2年で2%に引き上げる目標を掲げ、大量の国債買い入れで資金供給量を倍増させる「異次元の金融緩和」を決定。政権交代前に比べ、円相場は1ドル=103円台と20円超も下落し、日経平均株価は一時、約2倍の1万6000円近くまで上昇した。ただ、第3の矢である成長戦略の実行は遅れ気味。デフレ脱却は道半ばで、カギを握る賃金増にも不透明感が残っている。
第2位 特定秘密保護法が成立
日本列島は台風や大雨の影響で、各地で土砂崩れや増水などの被害が相次いだ。東京・伊豆大島(大島町)で10月16日に起きた台風26号に伴う大規模な土石流災害では、35人が死亡し、4人が行方不明になった。大島町はこの際、住民に避難勧告を出しておらず、対応に批判が集中した。9月16日に上陸した大型の台風18号は西日本から東北にかけて広い範囲で被害をもたらし、6人が死亡、1人が行方不明に。上陸を控え、気象庁は8月30日から運用を開始した特別警報を京都、滋賀、福井の3府県に初めて出した。この他、夏以降の豪雨による土砂災害などで山口、島根、秋田、岩手各県で死者が出た。
第3位 2020年夏季五輪・パラリンピック、東京開催決定
9月7日にブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京がマドリード、イスタンブールを破り、2020年夏季五輪・パラリンピックの招致に成功した。東京は16年大会に続く2度目の挑戦で、1964年以来56年ぶりの夏季五輪開催にこぎつけた。投票前には、東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題が取り沙汰され、苦戦が予想された。安倍晋三首相は「状況はコントロールされ、東京にダメージはない」と訴え、不安一掃を図った。その真偽には国内から異論も出たが、東京都とスポーツ界だけでなく、政財界を含めたオールジャパン体制で開催を勝ち取った。
第4位 参院選で自民圧勝、「ねじれ」解消
第23回参院選は7月21日に投開票され、自民党が現行制度下で最多の65議席を得て圧勝した。自民、公明両党は非改選議席を含めて「安定多数」を上回り、衆参両院の多数派が異なる「ねじれ」は解消した。安倍晋三首相は政権基盤を強化し、経済政策「アベノミクス」とともに、特定秘密保護法の制定など保守色が強い政策を推し進めた。自民党は改選数1の「1人区」で岩手と沖縄を除く29選挙区で勝利。民主党は1人区で全敗し比例代表も7議席しか確保できず、結党以来最低の17議席にとどまった。2012年衆院選で躍進した日本維新の会も伸び悩んだ。一方、共産党は選挙区で12年ぶりに議席を得るなど躍進した。
第5位 「徳洲会5000万円」で猪瀬都知事辞職
東京都の猪瀬直樹知事が、2012年の知事選前に医療法人「徳洲会」グループから現金5000万円を受け取っていたことが11月に発覚した。二転三転する答弁に反発を強めた都議会各会派はより強い権限を持つ百条委員会の設置方針を決定。追い込まれる形となった猪瀬氏は12月19日、「都政を停滞させるわけにはいかない」として、辞職を表明した。作家出身の猪瀬氏は、道路公団民営化推進委員会委員などを務め、知名度を上げた。石原慎太郎都知事(当時)の要請で07年副知事に就任。12年12月の知事選で過去最多得票で初当選し、20年東京五輪招致を実現したが、現金受領問題により、わずか1年での退場を余儀なくされた。
第6位 消費増税、14年4月実施を決定
政府は10月1日の閣議で、現行5%の消費税率を2014年4月から予定通り8%に引き上げることを決めた。社会保障制度を持続可能なものにするとともに財政健全化を図るためで、税率引き上げは1997年4月以来17年ぶりとなる。消費税増税は民主党政権下で制定された関連法に明記されていたが、実施判断は「景気条項」で条件が付けられていたため、延期を求める声も噴出。最終的には、直前に発表された国内総生産(GDP)や日銀短観などの経済指標を見極めた上で、安倍晋三首相が実施を決断した。12月には、増税による景気落ち込みの緩和を狙う5.5兆円の経済対策がまとまった。
第7位 福島第1原発、汚染水深刻に
東京電力福島第1原発では放射能汚染水の貯蔵タンクで水漏れが相次ぎ、海への流出も判明した。汚染水問題が深刻化する中、東京五輪招致で安倍晋三首相は「状況はコントロールされている」と明言。政府が対策の前面に立つことになった。原子炉で溶けた核燃料を冷やした水は、汚染水となって増え続けている。貯蔵用の地下貯水槽では4月、遮水シートから汚染水が漏出。継ぎ目をボルトで締めた簡易型タンクからも漏れ、原子炉建屋に近い海側の井戸では地下水から高濃度の放射性物質が検出された。一方、4号機使用済み燃料プールでは11月、核燃料の取り出しが始まった。廃炉に向け前進したが、溶融燃料の取り出し方法など課題は山積みだ。【時
第8位 伊豆大島の土石流など自然災害で被害相次ぐ
日本列島は台風や大雨の影響で、各地で土砂崩れや増水などの被害が相次いだ。東京・伊豆大島(大島町)で10月16日に起きた台風26号に伴う大規模な土石流災害では、35人が死亡し、4人が行方不明になった。大島町はこの際、住民に避難勧告を出しておらず、対応に批判が集中した。9月16日に上陸した大型の台風18号は西日本から東北にかけて広い範囲で被害をもたらし、6人が死亡、1人が行方不明に。上陸を控え、気象庁は8月30日から運用を開始した特別警報を京都、滋賀、福井の3府県に初めて出した。この他、夏以降の豪雨による土砂災害などで山口、島根、秋田、岩手各県で死者が出た。
第9位 日本、TPP交渉に参加
高水準の貿易・投資自由化に向け、3年以上前から21分野で進められてきた環太平洋連携協定(TPP)交渉に7月、日本が12番目の国として合流した。参加が大幅に遅れたのは、関税撤廃の例外を事前に認めない原則や米国主導のルール作りを警戒する農業、医療関係者らが反対論を展開してきたためだ。安倍政権はTPPを成長戦略の一つに位置付けているが、国会決議でコメや砂糖など重要農産物5項目の関税維持を求められたこともあって、各国との交渉は難航。知的財産など他の重要分野では米国と新興国の対立が根深く、シンガポールで12月に開かれた閣僚会合は目標の年内妥結を断念した。
第10位 緊張続く日中、日韓関係、首脳会談できず
日中、日韓関係は2013年も改善せず、緊張が続いた。日本は国際会議を利用して両国との首脳会談を探ったものの、それぞれ立ち話程度で終わり、改善の兆しはなお見えない。日中関係では沖縄県・尖閣諸島の問題が深い影を落とした。1月には中国海軍のフリゲート艦が東シナ海で海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用レーダーを照射。中国公船の領海侵犯も常態化した。11月になり中国は東シナ海に防空識別圏を設定、対立の度を強めた。日韓関係では、3月に安倍晋三首相と朴槿恵大統領との電話会談が行われた。しかし、その後は島根県・竹島問題や旧日本軍の従軍慰安婦問題が尾を引き、停滞した。
<2013年10大ニュース海外編>
第1位 スノーデン容疑者、米情報収集活動を暴露
米情報機関、国家安全保障局(NSA)が秘密裏に個人の通信情報を収集していたことを、元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者が暴露した。情報提供を受けた英紙ガーディアンなどが6月に報道。米政府はテロ阻止のためだと正当化したが、批判が噴出した。米当局に国防関連情報漏えいなどの罪で訴追された同容疑者は、香港からモスクワへ渡り、中南米への亡命を目指したが、8月にロシアに一時亡命した。ドイツ政府は10月23日、NSAがメルケル首相の電話を盗聴していた疑いがあると発表。盗聴された世界の指導者は35人に上るとも報じられた。ケリー米国務長官は「不適切な行き過ぎがあった」と非を認めた。
第2位 中国が尖閣上空に「防空識別圏」
中国政府が11月23日、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海に「防空識別圏」を設定し、圏内で国防省の指令に従わない航空機には「武力で防御的な緊急措置」を取ると警告した。日本政府は「わが国固有の領土を含み、全く受け入れられない」と抗議。ケリー米国務長官も「東シナ海の現状を変えようとする一方的な行動だ」と非難した。中国の狙いは、強硬措置で緊張をあおり、尖閣問題で日本に交渉を迫ることにあるとみられ、既に中国空軍が圏内に入った日米の戦闘機に主力戦闘機が緊急発進(スクランブル)をかけたとされる。一方、韓国も12月15日から防空識別圏を拡大した。その範囲は日中両国と一部重なることになった。
第3位 北朝鮮で張成沢氏粛清、金正恩氏の独裁強化
北朝鮮は12月12日、金正恩第1書記の「後見人」と呼ばれた実力者の張成沢前国防委員会副委員長がクーデターを企てたとして「国家転覆陰謀行為」により特別軍事裁判で死刑判決を下し、即日執行した。張氏は金第1書記の義理の叔父。北朝鮮で指導者の親類が処刑されるのは異例だ。金第1書記は今後も張氏一派の粛清を続け、独裁体制の強化を図るとみられる。金正恩政権は2月12日に3回目の地下核実験を強行するなど、強硬姿勢で国際社会を挑発してきた。経済重視の「改革派」とされた張氏の粛清によって軍の影響力が強まり、核・ミサイル開発が加速する一方、北朝鮮と友好国・中国の経済関係が停滞するとの見方も出ている。
第4位 アルジェリアで人質事件、邦人10人犠牲に
アルジェリア南東部イナメナスの天然ガス関連施設を1月16日、イスラム武装勢力が襲撃、日本人を含む多数が人質にされた。アルジェリア軍が17日、施設内に突入、武装ヘリコプターも投入して犯行グループの32人を殺害したが、人質も巻き添えになり、外国人39人が死亡した。日本人の犠牲者はプラント建設大手「日揮」の10人で、国籍別では最も多かった。事件は北アフリカの国際テロ組織、イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)から離脱したベルモフタール司令官率いる過激派「覆面旅団」が実行した。背景にはアルジェリア政府と過激派の長年の対立に加え、この地域で誘拐がテロ組織のビジネスになっている問題もある。
第5位 フィリピン台風、死者・不明7千人
11月8日、フィリピン中部を超大型の台風30号が直撃し、レイテ、サマール両島を中心に甚大な被害をもたらした。死者と行方不明者は合わせて7500人を超え、被災者総数は1220万人を上回った。両島には日本人133人が居住しているが、外務省は全員の無事を確認した。日本はフィリピンの被災地に自衛隊員約1180人を投入し、物資輸送や医療・防疫など国際緊急援助としては過去最大規模の活動を展開した。米軍も空母「ジョージ・ワシントン」を派遣するなど、多くの国や団体が支援に当たった。しかし、被害の傷痕は深く、フィリピン国家災害対策本部によれば、被災地の完全な復興には3~5年かかる可能性がある。
第6位 エジプト政変、モルシ政権が崩壊
民主化運動「アラブの春」を受けて誕生したエジプトのモルシ政権が7月3日、軍による事実上のクーデターで崩壊した。政権を支えるイスラム組織ムスリム同胞団への利益誘導や、経済政策の失敗に対する国民の反発を機に、軍は1年前に選挙で選ばれていたモルシ大統領を強制的に排除。エジプト民主化の動きは振り出しに戻った。軍は同胞団への弾圧を強め、治安部隊と同胞団支持者の衝突が各地で続いた。クーデター後の死者は1300人以上に上った。米政府は10月、エジプト軍事支援の一部凍結を発表。軍を後ろ盾とする暫定政権は、2014年半ばまでに議会選と大統領選を実施し、政権移行を実現する方針だ。
第7位 イラン核合意、米との対立に転機も
イランの核兵器開発疑惑をめぐり国連安保理常任理事国の米英仏中ロにドイツを加えた6カ国とイランは11月24日、ジュネーブでの協議で問題の外交解決に向け「第1段階」の措置で合意した。6カ月間でイランが核開発を縮小し、欧米は経済制裁を一部緩和する。順調にいけば、1979年のイラン革命以降の米・イランの対立にも転機が訪れる可能性がある。核兵器開発疑惑は2002年に発覚、緊張が続いていた。合意によりイランは5%超のウラン濃縮活動を停止、濃縮度20%程度のウランを5%以下にし、国際原子力機関(IAEA)の厳格な査察を認める。イランと敵対するイスラエルは、イランの核兵器保有につながると批判した。
第8位 シリアで化学兵器使用、米は介入断念
内戦が続くシリアの首都ダマスカス郊外で8月21日、化学兵器を使ったとみられる攻撃があり、毒ガスによる症状で1000人以上が死亡した。国連は9月16日、化学兵器使用を断定する調査団の報告書を公表。国連の委員会は11月、猛毒サリンを積んだ地対地ロケット弾が「政府の支配地域から反体制派地域に撃ち込まれた明確な証拠がある」と指摘した。オバマ米大統領は8月31日、シリアのアサド政権に責任を取らせるため軍事介入を決断したと発表、議会に承認を求めたが、反対論が強く断念。9月14日、ロシアとシリア化学兵器の国際管理・廃棄の枠組みで合意した。2014年6月末を目標に、化学兵器の廃棄作業が続いている。
第9位 中国・天安門前に車突入、不穏な事件続発
中国で共産党一党独裁への不満が背景とみられる不穏な事件が相次いだ。10月28日、北京の天安門前に車両が突入・炎上し、少数民族ウイグル族とみられる車内の3人を含む5人が死亡。11月6日には山西省太原市の省共産党委員会の建物前で連続爆発が起き、1人が死亡した。当局は天安門前の事件をウイグル独立派のテロと断定したが、弾圧への個人的恨みによる犯行との見方もある。中国では経済成長に伴う格差拡大、役人の腐敗汚職や、民族差別への不満が拡大。11月9~12日の共産党第18期中央委員会第3回総会(3中総会)は治安強化に向けて「国家安全委員会」の新設を決めたが、政治改革が遅れれば習近平体制の安定を脅かしかねない。
第10位 中国で「PM2.5」の汚染深刻化
中国の大気汚染が深刻化し、白いスモッグの中をマスク姿の市民が歩く光景が各地で頻繁に見られるようになった。原因は車の排ガスや石炭燃焼から発生する微小粒子状物質「PM2.5」。暖房に石炭を多用する冬場は特に汚染が広がり、中国の大気汚染指数(6段階)で最悪の「深刻な汚染」が連日のように記録された。呼吸器系疾患の患者が急増、航空便の欠航や小中学校の休校など市民生活にも影響を与えた。PM2.5は日韓両国などにも一部が飛来。中国を訪れる日本人観光客が減少する一因にもなっている。中国政府は自動車の規制や石炭の使用制限といった対策を打ち出しているが、抜本的な解決の見通しは立っていない。
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その一方、中国による度重なる領海侵入・防空識別圏の設置、米国における韓国系市民による慰安婦像の建立等により、わが国に対する圧力が高まり、首相の靖国参拝をきっかけに一段と中韓の反発が強まっている。周辺諸国の妨害をはねのけて日本再建の勢いを維持・拡大していくには、国民の団結が必要である。
米国は年明け早々、再びデフォルトの危機に直面する。欧州経済は出口の見えない混迷の中にある。中国では、不動産バブルが破裂寸前となり、外国資本が撤退し、中国人富裕層が資金を海外に移している。韓国は、大企業が次々に破綻し、また赤字国債の比率が全体の50%を超え、デフォルトに陥りかねない状況になっている。北朝鮮では、張成沢の処刑と親中派の粛清が行われ、東アジアには動乱の兆しがある。こうした中でわが国が平和と繁栄を持続するには、日本人が個々人の私益の追求に偏らず、国民全体の国益の追求に意志を結集しなければならない。
日本人が日本精神を取り戻し、一致協力することが、国民一人一人の幸福と発展につながる。また、日本を再建することが、世界の平和と発展への貢献となる。日本を愛する人々は、心をつなぎ合って、日本を明るく元気にしていこう。
皆様、よいお年をお迎えください。
以下は、時事通信社による今年の10大ニュース国内編及び海外編。
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●時事通信社
http://www.jiji.com/jc/v?p=10bignews-2013domestic01
20131230
<2013年10大ニュース国内編>
第1位 アベノミクス始動、異次元緩和で円安・株高
安倍政権の経済政策「アベノミクス」が始動。①金融緩和②財政出動③成長戦略―の「三本の矢」を好感した市場では年初から円安・株高が進み、景気回復ムードが高まった。特に黒田東彦総裁を迎えた日銀は4月4日、消費者物価上昇率を2年で2%に引き上げる目標を掲げ、大量の国債買い入れで資金供給量を倍増させる「異次元の金融緩和」を決定。政権交代前に比べ、円相場は1ドル=103円台と20円超も下落し、日経平均株価は一時、約2倍の1万6000円近くまで上昇した。ただ、第3の矢である成長戦略の実行は遅れ気味。デフレ脱却は道半ばで、カギを握る賃金増にも不透明感が残っている。
第2位 特定秘密保護法が成立
日本列島は台風や大雨の影響で、各地で土砂崩れや増水などの被害が相次いだ。東京・伊豆大島(大島町)で10月16日に起きた台風26号に伴う大規模な土石流災害では、35人が死亡し、4人が行方不明になった。大島町はこの際、住民に避難勧告を出しておらず、対応に批判が集中した。9月16日に上陸した大型の台風18号は西日本から東北にかけて広い範囲で被害をもたらし、6人が死亡、1人が行方不明に。上陸を控え、気象庁は8月30日から運用を開始した特別警報を京都、滋賀、福井の3府県に初めて出した。この他、夏以降の豪雨による土砂災害などで山口、島根、秋田、岩手各県で死者が出た。
第3位 2020年夏季五輪・パラリンピック、東京開催決定
9月7日にブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京がマドリード、イスタンブールを破り、2020年夏季五輪・パラリンピックの招致に成功した。東京は16年大会に続く2度目の挑戦で、1964年以来56年ぶりの夏季五輪開催にこぎつけた。投票前には、東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題が取り沙汰され、苦戦が予想された。安倍晋三首相は「状況はコントロールされ、東京にダメージはない」と訴え、不安一掃を図った。その真偽には国内から異論も出たが、東京都とスポーツ界だけでなく、政財界を含めたオールジャパン体制で開催を勝ち取った。
第4位 参院選で自民圧勝、「ねじれ」解消
第23回参院選は7月21日に投開票され、自民党が現行制度下で最多の65議席を得て圧勝した。自民、公明両党は非改選議席を含めて「安定多数」を上回り、衆参両院の多数派が異なる「ねじれ」は解消した。安倍晋三首相は政権基盤を強化し、経済政策「アベノミクス」とともに、特定秘密保護法の制定など保守色が強い政策を推し進めた。自民党は改選数1の「1人区」で岩手と沖縄を除く29選挙区で勝利。民主党は1人区で全敗し比例代表も7議席しか確保できず、結党以来最低の17議席にとどまった。2012年衆院選で躍進した日本維新の会も伸び悩んだ。一方、共産党は選挙区で12年ぶりに議席を得るなど躍進した。
第5位 「徳洲会5000万円」で猪瀬都知事辞職
東京都の猪瀬直樹知事が、2012年の知事選前に医療法人「徳洲会」グループから現金5000万円を受け取っていたことが11月に発覚した。二転三転する答弁に反発を強めた都議会各会派はより強い権限を持つ百条委員会の設置方針を決定。追い込まれる形となった猪瀬氏は12月19日、「都政を停滞させるわけにはいかない」として、辞職を表明した。作家出身の猪瀬氏は、道路公団民営化推進委員会委員などを務め、知名度を上げた。石原慎太郎都知事(当時)の要請で07年副知事に就任。12年12月の知事選で過去最多得票で初当選し、20年東京五輪招致を実現したが、現金受領問題により、わずか1年での退場を余儀なくされた。
第6位 消費増税、14年4月実施を決定
政府は10月1日の閣議で、現行5%の消費税率を2014年4月から予定通り8%に引き上げることを決めた。社会保障制度を持続可能なものにするとともに財政健全化を図るためで、税率引き上げは1997年4月以来17年ぶりとなる。消費税増税は民主党政権下で制定された関連法に明記されていたが、実施判断は「景気条項」で条件が付けられていたため、延期を求める声も噴出。最終的には、直前に発表された国内総生産(GDP)や日銀短観などの経済指標を見極めた上で、安倍晋三首相が実施を決断した。12月には、増税による景気落ち込みの緩和を狙う5.5兆円の経済対策がまとまった。
第7位 福島第1原発、汚染水深刻に
東京電力福島第1原発では放射能汚染水の貯蔵タンクで水漏れが相次ぎ、海への流出も判明した。汚染水問題が深刻化する中、東京五輪招致で安倍晋三首相は「状況はコントロールされている」と明言。政府が対策の前面に立つことになった。原子炉で溶けた核燃料を冷やした水は、汚染水となって増え続けている。貯蔵用の地下貯水槽では4月、遮水シートから汚染水が漏出。継ぎ目をボルトで締めた簡易型タンクからも漏れ、原子炉建屋に近い海側の井戸では地下水から高濃度の放射性物質が検出された。一方、4号機使用済み燃料プールでは11月、核燃料の取り出しが始まった。廃炉に向け前進したが、溶融燃料の取り出し方法など課題は山積みだ。【時
第8位 伊豆大島の土石流など自然災害で被害相次ぐ
日本列島は台風や大雨の影響で、各地で土砂崩れや増水などの被害が相次いだ。東京・伊豆大島(大島町)で10月16日に起きた台風26号に伴う大規模な土石流災害では、35人が死亡し、4人が行方不明になった。大島町はこの際、住民に避難勧告を出しておらず、対応に批判が集中した。9月16日に上陸した大型の台風18号は西日本から東北にかけて広い範囲で被害をもたらし、6人が死亡、1人が行方不明に。上陸を控え、気象庁は8月30日から運用を開始した特別警報を京都、滋賀、福井の3府県に初めて出した。この他、夏以降の豪雨による土砂災害などで山口、島根、秋田、岩手各県で死者が出た。
第9位 日本、TPP交渉に参加
高水準の貿易・投資自由化に向け、3年以上前から21分野で進められてきた環太平洋連携協定(TPP)交渉に7月、日本が12番目の国として合流した。参加が大幅に遅れたのは、関税撤廃の例外を事前に認めない原則や米国主導のルール作りを警戒する農業、医療関係者らが反対論を展開してきたためだ。安倍政権はTPPを成長戦略の一つに位置付けているが、国会決議でコメや砂糖など重要農産物5項目の関税維持を求められたこともあって、各国との交渉は難航。知的財産など他の重要分野では米国と新興国の対立が根深く、シンガポールで12月に開かれた閣僚会合は目標の年内妥結を断念した。
第10位 緊張続く日中、日韓関係、首脳会談できず
日中、日韓関係は2013年も改善せず、緊張が続いた。日本は国際会議を利用して両国との首脳会談を探ったものの、それぞれ立ち話程度で終わり、改善の兆しはなお見えない。日中関係では沖縄県・尖閣諸島の問題が深い影を落とした。1月には中国海軍のフリゲート艦が東シナ海で海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用レーダーを照射。中国公船の領海侵犯も常態化した。11月になり中国は東シナ海に防空識別圏を設定、対立の度を強めた。日韓関係では、3月に安倍晋三首相と朴槿恵大統領との電話会談が行われた。しかし、その後は島根県・竹島問題や旧日本軍の従軍慰安婦問題が尾を引き、停滞した。
<2013年10大ニュース海外編>
第1位 スノーデン容疑者、米情報収集活動を暴露
米情報機関、国家安全保障局(NSA)が秘密裏に個人の通信情報を収集していたことを、元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者が暴露した。情報提供を受けた英紙ガーディアンなどが6月に報道。米政府はテロ阻止のためだと正当化したが、批判が噴出した。米当局に国防関連情報漏えいなどの罪で訴追された同容疑者は、香港からモスクワへ渡り、中南米への亡命を目指したが、8月にロシアに一時亡命した。ドイツ政府は10月23日、NSAがメルケル首相の電話を盗聴していた疑いがあると発表。盗聴された世界の指導者は35人に上るとも報じられた。ケリー米国務長官は「不適切な行き過ぎがあった」と非を認めた。
第2位 中国が尖閣上空に「防空識別圏」
中国政府が11月23日、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海に「防空識別圏」を設定し、圏内で国防省の指令に従わない航空機には「武力で防御的な緊急措置」を取ると警告した。日本政府は「わが国固有の領土を含み、全く受け入れられない」と抗議。ケリー米国務長官も「東シナ海の現状を変えようとする一方的な行動だ」と非難した。中国の狙いは、強硬措置で緊張をあおり、尖閣問題で日本に交渉を迫ることにあるとみられ、既に中国空軍が圏内に入った日米の戦闘機に主力戦闘機が緊急発進(スクランブル)をかけたとされる。一方、韓国も12月15日から防空識別圏を拡大した。その範囲は日中両国と一部重なることになった。
第3位 北朝鮮で張成沢氏粛清、金正恩氏の独裁強化
北朝鮮は12月12日、金正恩第1書記の「後見人」と呼ばれた実力者の張成沢前国防委員会副委員長がクーデターを企てたとして「国家転覆陰謀行為」により特別軍事裁判で死刑判決を下し、即日執行した。張氏は金第1書記の義理の叔父。北朝鮮で指導者の親類が処刑されるのは異例だ。金第1書記は今後も張氏一派の粛清を続け、独裁体制の強化を図るとみられる。金正恩政権は2月12日に3回目の地下核実験を強行するなど、強硬姿勢で国際社会を挑発してきた。経済重視の「改革派」とされた張氏の粛清によって軍の影響力が強まり、核・ミサイル開発が加速する一方、北朝鮮と友好国・中国の経済関係が停滞するとの見方も出ている。
第4位 アルジェリアで人質事件、邦人10人犠牲に
アルジェリア南東部イナメナスの天然ガス関連施設を1月16日、イスラム武装勢力が襲撃、日本人を含む多数が人質にされた。アルジェリア軍が17日、施設内に突入、武装ヘリコプターも投入して犯行グループの32人を殺害したが、人質も巻き添えになり、外国人39人が死亡した。日本人の犠牲者はプラント建設大手「日揮」の10人で、国籍別では最も多かった。事件は北アフリカの国際テロ組織、イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)から離脱したベルモフタール司令官率いる過激派「覆面旅団」が実行した。背景にはアルジェリア政府と過激派の長年の対立に加え、この地域で誘拐がテロ組織のビジネスになっている問題もある。
第5位 フィリピン台風、死者・不明7千人
11月8日、フィリピン中部を超大型の台風30号が直撃し、レイテ、サマール両島を中心に甚大な被害をもたらした。死者と行方不明者は合わせて7500人を超え、被災者総数は1220万人を上回った。両島には日本人133人が居住しているが、外務省は全員の無事を確認した。日本はフィリピンの被災地に自衛隊員約1180人を投入し、物資輸送や医療・防疫など国際緊急援助としては過去最大規模の活動を展開した。米軍も空母「ジョージ・ワシントン」を派遣するなど、多くの国や団体が支援に当たった。しかし、被害の傷痕は深く、フィリピン国家災害対策本部によれば、被災地の完全な復興には3~5年かかる可能性がある。
第6位 エジプト政変、モルシ政権が崩壊
民主化運動「アラブの春」を受けて誕生したエジプトのモルシ政権が7月3日、軍による事実上のクーデターで崩壊した。政権を支えるイスラム組織ムスリム同胞団への利益誘導や、経済政策の失敗に対する国民の反発を機に、軍は1年前に選挙で選ばれていたモルシ大統領を強制的に排除。エジプト民主化の動きは振り出しに戻った。軍は同胞団への弾圧を強め、治安部隊と同胞団支持者の衝突が各地で続いた。クーデター後の死者は1300人以上に上った。米政府は10月、エジプト軍事支援の一部凍結を発表。軍を後ろ盾とする暫定政権は、2014年半ばまでに議会選と大統領選を実施し、政権移行を実現する方針だ。
第7位 イラン核合意、米との対立に転機も
イランの核兵器開発疑惑をめぐり国連安保理常任理事国の米英仏中ロにドイツを加えた6カ国とイランは11月24日、ジュネーブでの協議で問題の外交解決に向け「第1段階」の措置で合意した。6カ月間でイランが核開発を縮小し、欧米は経済制裁を一部緩和する。順調にいけば、1979年のイラン革命以降の米・イランの対立にも転機が訪れる可能性がある。核兵器開発疑惑は2002年に発覚、緊張が続いていた。合意によりイランは5%超のウラン濃縮活動を停止、濃縮度20%程度のウランを5%以下にし、国際原子力機関(IAEA)の厳格な査察を認める。イランと敵対するイスラエルは、イランの核兵器保有につながると批判した。
第8位 シリアで化学兵器使用、米は介入断念
内戦が続くシリアの首都ダマスカス郊外で8月21日、化学兵器を使ったとみられる攻撃があり、毒ガスによる症状で1000人以上が死亡した。国連は9月16日、化学兵器使用を断定する調査団の報告書を公表。国連の委員会は11月、猛毒サリンを積んだ地対地ロケット弾が「政府の支配地域から反体制派地域に撃ち込まれた明確な証拠がある」と指摘した。オバマ米大統領は8月31日、シリアのアサド政権に責任を取らせるため軍事介入を決断したと発表、議会に承認を求めたが、反対論が強く断念。9月14日、ロシアとシリア化学兵器の国際管理・廃棄の枠組みで合意した。2014年6月末を目標に、化学兵器の廃棄作業が続いている。
第9位 中国・天安門前に車突入、不穏な事件続発
中国で共産党一党独裁への不満が背景とみられる不穏な事件が相次いだ。10月28日、北京の天安門前に車両が突入・炎上し、少数民族ウイグル族とみられる車内の3人を含む5人が死亡。11月6日には山西省太原市の省共産党委員会の建物前で連続爆発が起き、1人が死亡した。当局は天安門前の事件をウイグル独立派のテロと断定したが、弾圧への個人的恨みによる犯行との見方もある。中国では経済成長に伴う格差拡大、役人の腐敗汚職や、民族差別への不満が拡大。11月9~12日の共産党第18期中央委員会第3回総会(3中総会)は治安強化に向けて「国家安全委員会」の新設を決めたが、政治改革が遅れれば習近平体制の安定を脅かしかねない。
第10位 中国で「PM2.5」の汚染深刻化
中国の大気汚染が深刻化し、白いスモッグの中をマスク姿の市民が歩く光景が各地で頻繁に見られるようになった。原因は車の排ガスや石炭燃焼から発生する微小粒子状物質「PM2.5」。暖房に石炭を多用する冬場は特に汚染が広がり、中国の大気汚染指数(6段階)で最悪の「深刻な汚染」が連日のように記録された。呼吸器系疾患の患者が急増、航空便の欠航や小中学校の休校など市民生活にも影響を与えた。PM2.5は日韓両国などにも一部が飛来。中国を訪れる日本人観光客が減少する一因にもなっている。中国政府は自動車の規制や石炭の使用制限といった対策を打ち出しているが、抜本的な解決の見通しは立っていない。
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