ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

北朝鮮のミサイルが日本上空を飛行

2017-08-30 09:32:14 | 時事
 8月29日5時58分、北朝鮮がミサイルを発射し、6時6分、北海道上空を通過。6時12分に襟裳岬より東1180kmの太平洋上に落下しました。この間、わが国は6時3分にJアラートで速報を流し、地域自治体は即応体制を取りました。6時24分に安倍首相が官邸でぶら下がり会見をし、6時40分には菅官房長官が緊急会見しました。政府の対応は敏速です。
 ただし、発射から探知まで約3分かかり、Jアラートで伝達するのに1分~1分30秒かかります。アラートが鳴ってから回避行動を取れる時間は、2分~3分です。普段から万が一のための心構えと訓練が必要です。

 もし日本の領土を狙った発射であれば、イージス艦及びPAC3の迎撃システムで迎撃しています。今回のミサイルを迎撃しなかったのは、米軍及び自衛隊がその必要がないと判断したからでしょう。迎撃の必要がある体制はしっかりできていると見られます。

 北朝鮮は、現在実施中の米韓合同演習に対抗するため、今回のミサイル発射を行ったと考えられます。米国を直接刺激するグアム方面ではなく、北日本方面に向けたものでしょう。何か新たな能力を試す実験だったのかどうかは、不明です。飛行距離は2700キロでグアム周辺までは600キロ足らず、グアム攻撃の実力を示すには至りませんでした。それが失敗だったのか、計画的に距離を抑制したものだったのかも、不明です。

 北朝鮮のミサイルが日本上空を飛行したのは、今回が初めてではなく、19年前の1998年に「テポドン1号」が日本列島を越え、三陸沖に落下したのが最初です。また、北朝鮮は1990年代に日本のほぼ全域を射程に入れる中距離弾道ミサイル「ノドン」を開発し、実戦配備していると見られます。

 米国と違い、日本は北朝鮮から本土を攻撃される脅威に、既に20年以上前からさらされています。北朝鮮は、日本向けの弾道ミサイルの弾頭に、核兵器ないしサリン等の毒ガスを搭載する技術も確立していると見られます。北朝鮮だと話題になりますが、中国の核ミサイルには、さらに前から、また遥かに多数かつ強力な破壊力による脅威に、日本はさらされてきています。これに対し、わが国の防衛体制は、あまりにも遅れています。核シェルターは普及せず、国民にガスマスクも支給されていません。真剣に防衛体制の強化を実施しなければなりません。それを妨げる政治家を、国政選挙で国会から駆逐しましょう。