ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

ユダヤ92~ホロコースト説の政治的機能

2017-08-24 08:53:49 | ユダヤ的価値観
●戦後世界でのホロコースト説の政治的機能

 戦後、ホロコースト説は、イスラエル建国の正当性を証し、イスラエルへの支持を集めるために、不可欠のものとして機能してきた。ユダヤ人が欧米社会で政治的な活動する際、ホロコーストを語ることは、彼らの活動への批判を封じる決まり手となっている。それと同時に、ホロコースト説は、第2次世界大戦の勝者として、長く世界を二分支配したアメリカとソ連にとっても役に立ったと思われる。アメリカがドイツを押さえ込むには、いかにナチスがユダヤ人に残忍なことをしたかを強調することが有効だった。また、ポーランド、チェコスロバキア等の東欧諸国を勢力圏に組み込んだソ連は、ナチスの支配から解放したことを、共産党支配の当性の根拠とした。そのため、ホロコースト説は、戦後の世界秩序において、疑念を許さないドグマの一つとなった。イスラエル及び各国のユダヤ人団体は、この米ソ主導の秩序を自らの生存と繁栄に利用したと考えられる。
 とりわけユダヤ教の過激派は、定説を検証しようとする者に対して、反ユダヤ主義者・ネオナチなどのレッテルを貼り、言論や表現に強い圧力をかけてきた。だが、定説を検証する者の中で、反ユダヤ主義者やネオナチは、ごく少数に過ぎない。異論を述べるものには、ユダヤ人もナチス批判者もいる。ちなみに私は、ヒットラーの野望を見抜き、日独伊三国同盟の締結に強く反対した大塚寛一先生を深く尊敬している。ユダヤ人を組織的に虐待していたドイツと提携した昭和戦前期のわが国の指導層は、日本精神から外れていた、と厳しく批判している。
 ホロコースト説は、1967年の第3次中東戦争でイスラエルが圧勝してから声高に唱えられるようになった。ユダヤ人のノーマン・フィンケルスタインは、著書『ホロコースト産業』で、この戦争までユダヤ人は被害者意識をそれほど出さなかったが、イスラエルが圧勝してその価値が上がると、アメリカのイスラエル・ロビーは、ドイツをはじめとする世界に対し、ホロコーストの犠牲者性を強く主張するようになったと分析している。さらに、同胞の苦しみを売り物にし、ビジネスにしたと批判している。
 ナチスのユダヤ人虐待は、決して忘れられてはならない。それととともに、現在のイスラエルのパレスチナ住民への抑圧も、見逃されてはならない。イスラエルの建国は、西欧において迫害を受けてきたユダヤ人に、住む土地を与えて、自らの国を作る権利を認めたものだった。ユダヤ人の多くは、イスラエルの建国を正当化するために、ナチスによるユダヤ人大虐殺を語る。しかし、だからと言って、イスラエルによるパレスチナ住民への抑圧が正当化されるものではない。

●ホロコースト説と南京大虐殺説の連携

 ホロコースト説は、様々な異論に対して合理的・実証的に反証を示せていないが、この点で、南京大虐殺説と好対照である。
 戦勝国がナチスの指導者を裁いたニュルンベルク裁判におけるユダヤ人大虐殺説と、同じく日本の指導者を裁いた東京裁判における南京大虐殺説は、相似した位置にある。後者は前者の筋立てから派生したものと考えられる。南京大虐殺説が捏造・虚構であることは、多くの研究によって明確になっている。私は、拙稿「南京での『大虐殺』はあり得ない」をマイサイトに掲示している。だが、南京での大虐殺を否定する者に対しては、「歴史修正主義者」という批判がされる。そのレッテルは、ホロコースト見直し論者につけられる言葉と同じである。誰がそういうレッテルを貼っているのか。ユダヤ人シオニストだけではない。おかしなことに左翼、特に共産主義者が多いのである。
 南京大虐殺説は、米国と中華民国が東京裁判で日本断罪のために作り上げたものである。それを、中国共産党が喧伝してきた。北京の指示のもとに、アメリカでは在米の中国人団体が活発に広報活動をしている。アメリカで成功を収めた中国人の指導者で構成する「百人委員会」というグループがあり、このグループを代表的存在として、中国人は組織的にロビー活動をし、また反日活動を行ってきた。その活動のかなめの一つが、南京大逆説説の宣伝・普及である。
 1997年(平成9年)にシナ系アメリカ人、アイリス・チャンの著書『ザ・レイプ・オブ・南京』が発刊された。本書の発行を、在米中国人の団体が様々な形で支援をした。支援団体の一つに「南京大虐殺の犠牲者を追悼する連帯」(本部・ニューヨーク)があった。この団体は、チャンを通じてジョン・ラーベの日記を知り、これを『南京の真実』として刊行し、2000年には「ラーベの日記」という映画にした。その後も、南京大虐殺説を浸透させるためのハリウッド映画が数本製作され、各地で上映されてきた。
 ハリウッドの映画界を支配するのは、ユダヤ系の富豪である。ユダヤ人にも親日的な人間と反日的な人間、反共的な人間と容共的な人間がいる。そのうちの反日的かつ容共的な部分が、中国の共産主義者と連携を強めている。ユダヤ人によるホロコースト説と、中国人による南京大虐殺説が、お互いを補強する関係になっているようである。
 中国共産党が支配する国際組織は、南京大虐殺という虚構を最大限に利用している。一部のユダヤ人は、これと結託している。だが、ユダヤ人が、ナチスによるユダヤ人迫害を糾弾するのであれば、中国共産党によるチベット人やウィグル人への迫害をも糾弾しなければならないはずである。
 私は、ユダヤ人の一部が中国の共産主義者と結びつくことは、中国共産党に利用されることになり、ユダヤ人全体にとって災いを招くことを警告したい。

 次回に続く。

関連掲示
・拙稿「南京での『大虐殺』はあり得ない」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion06b.htm