●米中対決が本格化している
現在の世界情勢を一言で表すと、米中対決である。1980年代に、米ソ対決があった。アメリカのレーガン大統領がソ連に軍拡を挑み、経済力と技術力で圧倒してソ連を崩壊に導いた。その後、中国が発展し、強大化した。現在の中国はかつてのソ連の比ではない。軍事力、経済力、人口、国際社会への影響力ではるかに上回っている。今や中国を抑えないと、米国や世界が危うくなっている。
そういう時期に米国でトランプが大統領になった。トランプ大統領は、就任以来、共産中国に対して、強硬な姿勢を打ち出している。2018年から米中経済戦争が繰り広げられてきたが、その対立が新型コロナウイルスの感染拡大で一層激化した。米国は世界最多の死亡者が出て、大恐慌以来の経済的な打撃を受け、中国を厳しく非難している。そういう状況で中国共産党が行ったのが、香港市民への弾圧の強化である。それに対し、トランプ政権は中国に対する圧力を一層強めている。
中国共産党は、6月30日の全人代常務委員会で香港国家安全維持法を可決した。高度な自治と自由を50年間保障するという国際的な約束をかなぐり捨てて、「一国二制度」を実質的に否定し、香港の自治と自由を守ろうとする人々への本格的な弾圧を開始した。言論・表現・集会・結社等の自由を奪う強硬策の実行である。武漢ウイルスの感染拡大で、香港への国際社会の関心が薄れていた隙を狙ったものだろう。
中国共産党は、チベット族、ウイグル族、法輪功等への暴虐を告発されても、決して自らの非を認めない。香港における約束違反を咎められても、同じである。逆に、米国の人種問題を論って非難し返している。
もし中国共産党が世界を支配することになったら、今の香港のように、自由、民主、人権、法の支配といった価値は踏みにじられる。唯物論によって宗教は弾圧される。中国の共産主義・全体主義から自由や民主主義を守るためには、国際的な連携の強化・拡大が求められる。
中国共産党が香港で国家安全維持法を施行した暴挙に対し、日本、フランス、英国など27カ国は6月30日に国連人権理事会で、中国に対して懸念を示す共同声明を発表した。ところが、キューバなど53カ国は同理事会で、同法を称賛する共同声明を出した。国際社会への中国の影響力は、想像以上に大きくなっている。このことは、全体主義をよしとする国家が世界には多数存在することを意味する。特に独裁政権・軍事政権の発展途上国である。そうした国家の特権的な指導層にとっては、共産中国と連携することで政治的・経済的・軍事的な利益を得られるのである。
こうしたなか7月23日、米国のポンペオ国務長官は、対中政策に関して演説し、それまでのトランプ政権の政策より格段と踏み込んだ方針を示した。
ポンペオは、米中和解以降のアメリカの対中政策は失敗だったと断じた。アメリカは、中国が経済的に豊かになれば民主化するだろうと期待していた。だが、中国は経済が発展すると、増大した経済力を以って軍拡を進め、覇権の拡大を行なうようになった。ポンペオは「現在の中国は、国内では一層権威主義化し、国外では自由を攻撃し敵視している」と指摘し、「自由世界は新たな専制国家に打ち勝たなくてはならない」と呼びかけた。習近平国家主席については「破綻した全体主義思想を心から信じており、中国的共産主義に基づく世界的覇権を何十年間も切望してきた」と非難した。
ポンペオは、中国の脅威の対処という課題には「一国で立ち向かうことはできない」とし、「「民主主義国家による新たな同盟を構築するときだろう。自由世界が中国を変えなければ、共産中国が私たちを変えてしまう」と強調した。ここで重要なことは、ポンペオが「米国は中国の人々と関係を築き、彼らに社会的な力をつけさせなくてはならない。彼らは中国共産党とは完全に異なり、活力に満ちた自由を愛する人々だ」と述べ、中国共産党と一般の中国民衆とを分け、中国の自由を求める人々との連帯を目指す方針を打ち出したことである。これは、中国の体制変更を目指していくことを意味する。
米国は、「中国共産党から自由を守る」ために、自由民主主義の国々の新たな同盟を呼びかけている。イギリス、オーストラリア、インド、そしてわが国が連携の主要な対象となる。EU諸国や東南アジア諸国、台湾等も対象となるだろう。
米国と中国の対決は、自由主義・資本主義・民主主義と共産主義・全体主義・権威主義の対決である。もし米国を中心とする勢力が共産中国との対決に敗れたら、世界は共産主義によって支配されるようになるだろう。もの凄いハイテクによって監視される社会になる。中国の軍事的な動きを封じつつ、経済的に追い込んで、共産党政権を崩壊させて、中国を民主化することができないと、中国は武力を行使し、力づくで覇権を拡大しようとして、戦争を起こすおそれがある。最悪の場合は世界核戦争になる。それを避けるためには、自由民主主義の国々は、協力し団結しなければならない。この大きな山を乗り越えた後に、はじめて“昼の時代”すなわち新しい文明が実現する時代が来るだろう。この山を乗り越えられないと、人類は自滅の道を進むことになる。
米国では、今年11月3日に大統領選挙がある。共和党のトランプが勝てば、今述べたような対中政策が強力に実施されるだろう。民主党のバイデンが勝てば、中国に対する姿勢は、消極的で融和的なものとなるだろう。
この選挙の結果は、日本にも大きく影響する。どういう結果になっても、日本人は、今日の香港は明日の台湾、将来の日本であるという危機感を持ち、真剣に最善の努力をする必要がある。
●結びに
共産主義による世界支配を阻止し、自由、民主、人権、法の支配の共通価値を守るために、わが国の役割は重要である。これらの西洋文明的な価値をより良い形で実現することのできる、高次元の指導原理が、日本文明に伝わる共存共栄の精神である。日本人は、日本精神に基づいて日本を再建し、共存共栄の生き方を世界に広めていかなければならない。それ以外に、日本の滅亡、人類の自滅を避ける道はない。(了)
************* 著書のご案内 ****************
『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1
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現在の世界情勢を一言で表すと、米中対決である。1980年代に、米ソ対決があった。アメリカのレーガン大統領がソ連に軍拡を挑み、経済力と技術力で圧倒してソ連を崩壊に導いた。その後、中国が発展し、強大化した。現在の中国はかつてのソ連の比ではない。軍事力、経済力、人口、国際社会への影響力ではるかに上回っている。今や中国を抑えないと、米国や世界が危うくなっている。
そういう時期に米国でトランプが大統領になった。トランプ大統領は、就任以来、共産中国に対して、強硬な姿勢を打ち出している。2018年から米中経済戦争が繰り広げられてきたが、その対立が新型コロナウイルスの感染拡大で一層激化した。米国は世界最多の死亡者が出て、大恐慌以来の経済的な打撃を受け、中国を厳しく非難している。そういう状況で中国共産党が行ったのが、香港市民への弾圧の強化である。それに対し、トランプ政権は中国に対する圧力を一層強めている。
中国共産党は、6月30日の全人代常務委員会で香港国家安全維持法を可決した。高度な自治と自由を50年間保障するという国際的な約束をかなぐり捨てて、「一国二制度」を実質的に否定し、香港の自治と自由を守ろうとする人々への本格的な弾圧を開始した。言論・表現・集会・結社等の自由を奪う強硬策の実行である。武漢ウイルスの感染拡大で、香港への国際社会の関心が薄れていた隙を狙ったものだろう。
中国共産党は、チベット族、ウイグル族、法輪功等への暴虐を告発されても、決して自らの非を認めない。香港における約束違反を咎められても、同じである。逆に、米国の人種問題を論って非難し返している。
もし中国共産党が世界を支配することになったら、今の香港のように、自由、民主、人権、法の支配といった価値は踏みにじられる。唯物論によって宗教は弾圧される。中国の共産主義・全体主義から自由や民主主義を守るためには、国際的な連携の強化・拡大が求められる。
中国共産党が香港で国家安全維持法を施行した暴挙に対し、日本、フランス、英国など27カ国は6月30日に国連人権理事会で、中国に対して懸念を示す共同声明を発表した。ところが、キューバなど53カ国は同理事会で、同法を称賛する共同声明を出した。国際社会への中国の影響力は、想像以上に大きくなっている。このことは、全体主義をよしとする国家が世界には多数存在することを意味する。特に独裁政権・軍事政権の発展途上国である。そうした国家の特権的な指導層にとっては、共産中国と連携することで政治的・経済的・軍事的な利益を得られるのである。
こうしたなか7月23日、米国のポンペオ国務長官は、対中政策に関して演説し、それまでのトランプ政権の政策より格段と踏み込んだ方針を示した。
ポンペオは、米中和解以降のアメリカの対中政策は失敗だったと断じた。アメリカは、中国が経済的に豊かになれば民主化するだろうと期待していた。だが、中国は経済が発展すると、増大した経済力を以って軍拡を進め、覇権の拡大を行なうようになった。ポンペオは「現在の中国は、国内では一層権威主義化し、国外では自由を攻撃し敵視している」と指摘し、「自由世界は新たな専制国家に打ち勝たなくてはならない」と呼びかけた。習近平国家主席については「破綻した全体主義思想を心から信じており、中国的共産主義に基づく世界的覇権を何十年間も切望してきた」と非難した。
ポンペオは、中国の脅威の対処という課題には「一国で立ち向かうことはできない」とし、「「民主主義国家による新たな同盟を構築するときだろう。自由世界が中国を変えなければ、共産中国が私たちを変えてしまう」と強調した。ここで重要なことは、ポンペオが「米国は中国の人々と関係を築き、彼らに社会的な力をつけさせなくてはならない。彼らは中国共産党とは完全に異なり、活力に満ちた自由を愛する人々だ」と述べ、中国共産党と一般の中国民衆とを分け、中国の自由を求める人々との連帯を目指す方針を打ち出したことである。これは、中国の体制変更を目指していくことを意味する。
米国は、「中国共産党から自由を守る」ために、自由民主主義の国々の新たな同盟を呼びかけている。イギリス、オーストラリア、インド、そしてわが国が連携の主要な対象となる。EU諸国や東南アジア諸国、台湾等も対象となるだろう。
米国と中国の対決は、自由主義・資本主義・民主主義と共産主義・全体主義・権威主義の対決である。もし米国を中心とする勢力が共産中国との対決に敗れたら、世界は共産主義によって支配されるようになるだろう。もの凄いハイテクによって監視される社会になる。中国の軍事的な動きを封じつつ、経済的に追い込んで、共産党政権を崩壊させて、中国を民主化することができないと、中国は武力を行使し、力づくで覇権を拡大しようとして、戦争を起こすおそれがある。最悪の場合は世界核戦争になる。それを避けるためには、自由民主主義の国々は、協力し団結しなければならない。この大きな山を乗り越えた後に、はじめて“昼の時代”すなわち新しい文明が実現する時代が来るだろう。この山を乗り越えられないと、人類は自滅の道を進むことになる。
米国では、今年11月3日に大統領選挙がある。共和党のトランプが勝てば、今述べたような対中政策が強力に実施されるだろう。民主党のバイデンが勝てば、中国に対する姿勢は、消極的で融和的なものとなるだろう。
この選挙の結果は、日本にも大きく影響する。どういう結果になっても、日本人は、今日の香港は明日の台湾、将来の日本であるという危機感を持ち、真剣に最善の努力をする必要がある。
●結びに
共産主義による世界支配を阻止し、自由、民主、人権、法の支配の共通価値を守るために、わが国の役割は重要である。これらの西洋文明的な価値をより良い形で実現することのできる、高次元の指導原理が、日本文明に伝わる共存共栄の精神である。日本人は、日本精神に基づいて日本を再建し、共存共栄の生き方を世界に広めていかなければならない。それ以外に、日本の滅亡、人類の自滅を避ける道はない。(了)
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『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
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