60~90年代名作漫画(昭和漫画主体・ごくタマに新しい漫画)の紹介と感想。懐古・郷愁。自史。映画・小説・ポピュラー音楽。
Kenの漫画読み日記。
●TVドラマ・・ 「探偵物語」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/d3/c056c4d3db403f8012384f4951cedb0c.jpg)
深夜のTVで昔の「探偵物語」をやっているが、以前、NHKのインタビュートーク番組でリリー・フランキーが、この「探偵物語」を絶賛していたので見ている。リリーさんは少年時代、このドラマの松田優作に憧れ影響されていたらしい。
昭和色満載の変形刑事ドラマ。昭和の時代にはこのドラマみたいに、あえて警察刑事ではなくフリーランスの探偵屋を主役に持って来た事件刑事ドラマがけっこう多かった。平成に入ってからか最近は、こういう趣向のドラマは見ない。刑事ドラマは全て、主人公はガチガチの警察人だ。みんな官権警察機構の組織に所属する刑事だ。フリーの一匹狼的探偵屋なりを主人公に持って来たドラマが一編もない。つまり主人公がアウトサイダー的なモノが全くなく、主役はみんな体制に属してるんだよね。推理ドラマの2時間サスペンスだって主役はほとんどが弁護士とか検事とか体制的においプンプンのガッチリしっかりきちんとしたスクェアな職業だし。昔のドラマの“探偵”なんていかにもアウトサイダーだよね。悪いことしてなくても、フリーター的な、社会の底辺の胡散臭い雰囲気たっぷりの職業。まァしかしだからこそハードボイルドのカッコ良さがあったんだけど。
オープニングのタイトルバックに“原案・小鷹信光”とあった。この人確か英語圏ハードボイルドの翻訳やってた人じゃなかったか・・(?)と思って調べたら、やっぱりそうだった。日本のハードボイルド探偵小説界では有名な人らしい。僕も若い頃一時、“ハードボイルド”に憧れてハヤカワミステリのそーいう趣向の、何冊も読んでた。どっちかというと翻訳モノは苦手でジキやめちゃったけど。
連続TVドラマ「探偵物語」はとても面白いドラマです。コミカルに仕上げた刑事アクションドラマ。松田優作扮する主人公の探偵は、ちっとも強くなくて間抜けな面もあるユーモラスで楽観的な都会の底辺に生きるそれなりにスマートな都会人で、実は精神的タフガイなアウトサイダーだ。そしてそーいうのがだからこそカッコ良い。逆説的にカッコ悪さがカッコ良いんだよね。
このドラマのオリジナル放送は1979年から80年だそうだが僕はオンタイムでは見てない。この時代僕はテレビを持ってなかったからだ。
このドラマ見てると、ハードボイルド劇画の名作、「事件屋稼業」と物語全般的雰囲気が非常によく似ている。