NYの株式市場が史上最高値を更新しました。そして日本の株式市場もやっと落ち着きを取り戻したように思われます。例のアベチャン指数を見ておきましょう。
11月13日 4月3日 5月22日 6月14日 7月11日
日経平均 8,661円 12,362(43%) 15,627(80%) 12,445(44%) 14,506(67%)
円レート 79円 93 (18%) 103 (30%) 94 (19%) 99 (25%)
私の旅行前の水準から本日まで円ドルレートは5円の円安、それに連動して株価は16%ほど戻しました。カップリングは続いていますね。この間、誰が買って誰が売っているか。しっかりと見ておきましょう。とても面白ことが生じています。
昨年11月のアベちゃん宣言以来5月23日の暴落まで、ほとんど一貫して外人が買い個人が売っていました。暴落以降「あー、やっちゃいましたね」と私が書いたように買いに転じたのですが、それはほんの束の間でした。私の留守中及び先週末までの3週間の投資家別売買動向では、再び外人が8,938億円も買い、個人がほとんどその分の8,685億円を売り越しています。私に言わせれば、「これでホットひと安心」です。
ニュースでは相変わらず「ボーナスを手にした個人が取引口座を新規に開設し、アベノミクスに乗じて株を買っている」ことになっています。そりゃ買う人もいるでしょうが、差し引き合計は全く逆です。ここまで10兆円も買ったのに動きが鈍ってしまった株を、外人のみがあきらめきれずに買い続けているのです。
よかったですね。個人は証券会社にもマケズ、アベノミクスにもマケズ、昨年11月以来ただひたすら売っています(笑)。
〇けい新聞などは株とともに生きている新聞なので(笑)、こうした都合の悪い記事は少なくとも目立っては書きません。書かなければウソをついたことにならないので、黙殺するのでしょう。このブログの筆者は何のしがらみもない正義の味方なので(笑)、読者のみなさんが道をあやまらないよう、「不都合な真実」こそをしっかりと書いていきます。
さて、今日の話題は日銀のクロちゃんについてです。
昨日日銀は金融経済月報で景気の現状について「持ち直している」とし前月の「持ち直しつつある」から判断を引き上げています。久々に明るい笑顔のクロちゃんを見ました。よかった、よかった、のですが・・・はたしてこれはクロちゃん効果でしょうか?
クロちゃんは4月初めの就任以来、「異次元の金融緩和」によりデフレを克服すると謳いあげ、そのための強烈な資金供給を行っています。国債をめちゃくちゃ買い上げ、日銀のバランスシートを膨らませ、マネタリー・ベースを増やしました。それがどれくらい増えたかといいますと、3月末の138兆円が3カ月後の6月末には173兆円と35兆円も増やしました。それが果たして我々の手元に回ってきているのかが問題です。
市中に出回るオカネの量はマネー・ストックと言います。3月末に1,141兆円だったものが1,158兆円と17兆円増加しました。
えっ?日銀は資金を35兆円も増加させたのに、市中に回ったのは17兆円?誰が食べちゃったの?
答えは日銀です。以前も説明したように、金融機関は国債を売ったオカネを日銀にある自分の当座預金に、ひたすら「ブタ積み」しているだけなのです。
じゃ、本来ならいくら市中のオカネが増えるべきかといいますと、次のように計算できます。
日銀のマネタリー・ベースが138兆円のとき、
市中のオカネのマネー・ストックは1,141兆円だった。
ということは、その倍率は
1,141 ÷ 138 = 8.3倍
それを適用すれば、市中に増えるはずのオカネの量は日銀が35兆円増やしたので
35兆円 X 8.3 = 290兆円 増えるハズ
なのにたったの17兆円しか増えていないのです。
経済が「持ち直している」のはご同慶の至りなのですが、それが日銀のお蔭さまでないことは明らかです。
いつだったか、読者のどなたかとこのブログ上で岩田規久男の「デフレ克服論」について議論しました。どなたかだったか、記憶が鮮明でなく申し訳ないのですが、議論はこうでした。
〇〇さんコメント
岩田規久男の著書で、日本のデフレの原因が日銀の政策の間違いであることがよく理解できました。
はやし
岩田氏の議論は単に「気合いダ、気合いダ、気合いダ」と言っているだけです。
〇〇さん
いいえ、気合いでなく理路整然と説明されています。
はやし
彼の著書のどこを見ても資金がどう市中に回っていくかの説明はなく、「総裁と理事を入れ替えろ」としか書いてありません。それを私は「気合いダ」と言っているのです。
以上のような議論をしました。覚えていらっしゃる方もおられるでしょう。そしてなんと当のご本人がクロちゃんと一緒に理事にご就任されています。就任後も依然としてクロイワコンビから、資金循環の合理的説明はありません。
日銀の供給量以下しか市中のオカネが増えないという「不都合な真実」は、7月9日に日銀から6月までの統計が発表されたのですが、また報道からは忽然と消えてしまっているようで、少なくとも私の眼にはとまりません。
実はこのブタ積み、簡単に見逃すわけにはいきません。何故なら、今の世界のあらゆる市場はFRBの資金供給のさじ加減で動いているのですから。今後はアベクロコンビだけでなく、「クロブタちゃん」の動きもしっかりと見ておく必要があります。
あー、どーやらやっと時差ぼけから抜け出すことができたようです(笑)
11月13日 4月3日 5月22日 6月14日 7月11日
日経平均 8,661円 12,362(43%) 15,627(80%) 12,445(44%) 14,506(67%)
円レート 79円 93 (18%) 103 (30%) 94 (19%) 99 (25%)
私の旅行前の水準から本日まで円ドルレートは5円の円安、それに連動して株価は16%ほど戻しました。カップリングは続いていますね。この間、誰が買って誰が売っているか。しっかりと見ておきましょう。とても面白ことが生じています。
昨年11月のアベちゃん宣言以来5月23日の暴落まで、ほとんど一貫して外人が買い個人が売っていました。暴落以降「あー、やっちゃいましたね」と私が書いたように買いに転じたのですが、それはほんの束の間でした。私の留守中及び先週末までの3週間の投資家別売買動向では、再び外人が8,938億円も買い、個人がほとんどその分の8,685億円を売り越しています。私に言わせれば、「これでホットひと安心」です。
ニュースでは相変わらず「ボーナスを手にした個人が取引口座を新規に開設し、アベノミクスに乗じて株を買っている」ことになっています。そりゃ買う人もいるでしょうが、差し引き合計は全く逆です。ここまで10兆円も買ったのに動きが鈍ってしまった株を、外人のみがあきらめきれずに買い続けているのです。
よかったですね。個人は証券会社にもマケズ、アベノミクスにもマケズ、昨年11月以来ただひたすら売っています(笑)。
〇けい新聞などは株とともに生きている新聞なので(笑)、こうした都合の悪い記事は少なくとも目立っては書きません。書かなければウソをついたことにならないので、黙殺するのでしょう。このブログの筆者は何のしがらみもない正義の味方なので(笑)、読者のみなさんが道をあやまらないよう、「不都合な真実」こそをしっかりと書いていきます。
さて、今日の話題は日銀のクロちゃんについてです。
昨日日銀は金融経済月報で景気の現状について「持ち直している」とし前月の「持ち直しつつある」から判断を引き上げています。久々に明るい笑顔のクロちゃんを見ました。よかった、よかった、のですが・・・はたしてこれはクロちゃん効果でしょうか?
クロちゃんは4月初めの就任以来、「異次元の金融緩和」によりデフレを克服すると謳いあげ、そのための強烈な資金供給を行っています。国債をめちゃくちゃ買い上げ、日銀のバランスシートを膨らませ、マネタリー・ベースを増やしました。それがどれくらい増えたかといいますと、3月末の138兆円が3カ月後の6月末には173兆円と35兆円も増やしました。それが果たして我々の手元に回ってきているのかが問題です。
市中に出回るオカネの量はマネー・ストックと言います。3月末に1,141兆円だったものが1,158兆円と17兆円増加しました。
えっ?日銀は資金を35兆円も増加させたのに、市中に回ったのは17兆円?誰が食べちゃったの?
答えは日銀です。以前も説明したように、金融機関は国債を売ったオカネを日銀にある自分の当座預金に、ひたすら「ブタ積み」しているだけなのです。
じゃ、本来ならいくら市中のオカネが増えるべきかといいますと、次のように計算できます。
日銀のマネタリー・ベースが138兆円のとき、
市中のオカネのマネー・ストックは1,141兆円だった。
ということは、その倍率は
1,141 ÷ 138 = 8.3倍
それを適用すれば、市中に増えるはずのオカネの量は日銀が35兆円増やしたので
35兆円 X 8.3 = 290兆円 増えるハズ
なのにたったの17兆円しか増えていないのです。
経済が「持ち直している」のはご同慶の至りなのですが、それが日銀のお蔭さまでないことは明らかです。
いつだったか、読者のどなたかとこのブログ上で岩田規久男の「デフレ克服論」について議論しました。どなたかだったか、記憶が鮮明でなく申し訳ないのですが、議論はこうでした。
〇〇さんコメント
岩田規久男の著書で、日本のデフレの原因が日銀の政策の間違いであることがよく理解できました。
はやし
岩田氏の議論は単に「気合いダ、気合いダ、気合いダ」と言っているだけです。
〇〇さん
いいえ、気合いでなく理路整然と説明されています。
はやし
彼の著書のどこを見ても資金がどう市中に回っていくかの説明はなく、「総裁と理事を入れ替えろ」としか書いてありません。それを私は「気合いダ」と言っているのです。
以上のような議論をしました。覚えていらっしゃる方もおられるでしょう。そしてなんと当のご本人がクロちゃんと一緒に理事にご就任されています。就任後も依然としてクロイワコンビから、資金循環の合理的説明はありません。
日銀の供給量以下しか市中のオカネが増えないという「不都合な真実」は、7月9日に日銀から6月までの統計が発表されたのですが、また報道からは忽然と消えてしまっているようで、少なくとも私の眼にはとまりません。
実はこのブタ積み、簡単に見逃すわけにはいきません。何故なら、今の世界のあらゆる市場はFRBの資金供給のさじ加減で動いているのですから。今後はアベクロコンビだけでなく、「クロブタちゃん」の動きもしっかりと見ておく必要があります。
あー、どーやらやっと時差ぼけから抜け出すことができたようです(笑)