ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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ななしさんへの回答

2013年07月04日 | 2013年からの資産運用
 ななしさん、いつも私のブログを楽しみにお読みいただきありがとうございます。

いただいた質問への回答です。

>①米ドル買い増しのペース配分がやはり難しいです。
記憶では林様の予想では確か2015年ごろまでにはかなりの日本国債の価格変動が・・→円安・・との事でそれまでにはと思ってますが・・この後の株価と為替のカップリングの有無の可能性を含め所見をお願いします。


 私の予想は、厳密に「15年ごろまでには」というものではなく、「2015年プラスマイナス2年程度」というほどのものです。いったん国債価格が暴落を始めると資本の逃避が起こり、大きく円安に振れ可能性が強いと思われます。

 「ペース配分」の示唆をすることが、円ドルレートの変動ペースを予想することだとすれば、それは私の力ではとても無理です。ただ大激震まではまだまだ時間的余裕があると思います。

 「株価と為替のカップリング」について私がこだわってみているのは、本来であれば以下のように推移するはずなのに・・・そうなっていないことがあります。

円安 → 輸出産業が業績を回復 → 株高 
 ここまではいいとして、いずれは

輸出産業の業績回復 → 経常収支改善 → 円高 となるはず、だからです。

 それに対して誰も疑問を呈さずに円安=株高のカップリングを当たり前としていることにが「ヘンだ。いつかは動きが変化する」と思っているのです。これについては、近々別の機会に書きます。

>あと外貨預金は日本のペイオフの対象外ですね。そこで外貨を預ける金融機関の選択国内か国外が私には難しいです。    ③円への換金のし易さの必要性を含め、金融機関の選択(国内国外含め)はどのようにしたら良いと思われますか。


 最近の大激震であったリーマンショックで、いわゆるシステミックリスク(金融システム全体の崩壊に至るような大激震)の対処方法に、各国の金融当局も慣れてきているので、個人がオカネを預ける大きな金融機関を簡単にはつぶさないと思います。
ですので、なるべく大きな金融機関の安全性が相対的には高いと思います。それと証券会社の分別管理の安全性はさらに高いと思います。大証券にこしたことはないでしょう。外資系金融機関については、安全性の高い銀行だとしても、言葉の問題、口座維持管理の大変さを考えると、安易にお薦めできません。よほど海外に慣れている方ならべつですが。

>④それと日本の銀行のペイオフは1000万までですが、決済性預金は全額保護されるとの理解です。それなら、円預金1000万超えの人は1000万ごと金融機関を変えず、面倒くさく無いように一行に全額まとめて決済性預金に切り替えってのは選択肢として有りですか?

 あると思います。本来決済性預金は企業の当座預金ですが、個人の無利子決済性預金も認められていますからね。

>⑤それと日本のペイオフ制度が今後期間限定版に変更という可能性も今後起こりうると予想されますか?ちなみにオーストラリアペイオフはもともと期間限定であり、ペイオフの対象金額がころころ変わります。

 ななしさんはよく調べていますね。私はオーストラリアのペイオフ制度のことは知りませんでした。日本はもともと金融制度を非常に保守的に維持する国なので、改悪の変更はないとみてよいのではないでしょうか。変更すればそれが引き金になりかねないからです。

>⑥もしこれから世界的な不景気に向かった場合の今後のお金の行方は?私たちのとるべき自衛策、最善の行動は?


 あまり世界的な不況を心配する必要はないと思います。アメリカが好調ですから。でも自衛策は好不況にかかわりなく不断の準備が必要です。

 最善の自衛策は繰り返しになりますが、最も信用力のある国の通貨と金融資産を選択すること、すなわち「米国債」の選択です。


コメント (1)
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