ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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アメリカ国債と日本国債、どちらが安全か

2014年09月25日 | 2014年の資産運用

 プチ炎上の議論では日本の将来とともに、アメリカの将来についても議論の的になっていました。ここでアメリカの将来をどう見ているか、日本と比較しながら私の考えをお示ししたいと思います。といっても、これまでとは特段の変化はないことをあらかじめ申し上げておきます。

 アメリカの格付けと成長力に関して、9月19日にロイターが以下の記事を書いています。

タイトル;アメリカの成長力

格付け会社フィッチ・レーティングスは19日、米国の長期外貨・自国通貨建て発行体デフォルト格付け(IDR)を「AAA」に据え置いた。見通しは「安定的」。フィッチは声明で、米経済の回復ペースは他の多くの先進国を上回っていると指摘。米成長率は、2014年は2%、2015年は3.1%、2016年は3%になるとの予想を示した。また、米連邦準備理事会(FRB)によるぜロ金利政策解除時期は2015年半ばになるとの見方を示した。


 一国の信用格付けは債券の安全性を見る上で重要です。ソブリン格付けでは調査力からみて信用をおけるのは、フィッチ・レーティングス、ムーディーズ、S&Pの3社です。そのうちS&Pだけが3年前にアメリカの格付けをAAAからAA+に引き下げています。私はこれを「ミス」だと申し上げてきました。何故はっきりミスといえるのか。

 私の著書が出版される直前の11年7月にアメリカ議会が大混乱した「財政の崖」問題を巡って、S&Pはそれが政争ではなく深刻な財政危機だと見誤ったのです。その後崖が来るたびに私が何度も何度も「たとえ本当に利払いや償還が延期されても、そんなものは単なるスリップダウンで、ノックアウトではない」と言い続けたあのバカ騒ぎです。先日コメント欄で書かれていたダイヤモンド・オンラインでの私の連載でもそのことを書いています。

 その時にS&Pはアメリカの財政赤字の将来見通しの数値を100兆円も計算間違いをしてそれを財務省などから指摘され、発表からわずか2週間後に会長の首が飛びました。それでも挙げたコブシを下ろさずに、いまだに「ダウングレードは間違っていなかった」と言い張ってAA+にしたままです。今後またどこかで「財政の崖が・・」とか言い出したら、みんなで笑い飛ばしてあげましょう(笑)。

 先ほどの引用にありましたが、フィッチ・レーティングスは将来のアメリカ経済の成長力見通しを3%程度と見通しています。証券会社のイケイケ見通しよりも常に物事を慎重に見るクセのある格付け会社の見通しのほうが、信頼がおけそうです。ではその妥当性を私なりに見てみます。

 それぞれの国の経済にはその国が潜在的に持っている潜在成長率というものがあります。それはまず2つの指標で計られます。
1. 労働人口増加率
2. 資本増加率(設備など)


 そして同じ一人の労働者が生産性を上げれば経済にはプラスアルファを生みだせます。設備も同じで、設備の生産性が高くなればプラスアルファを生み出せます。そこで上の2つに加えて

3. 2つの要素の生産性向上率


 これら3つの足し算が一国の潜在成長率と言われる指標です。IMFが見ている今後5年ほどのアメリカの潜在成長率の見通しは2.5%程度で、日本は0.7%程度です。アメリカと日本は仮に資本の増加率や生産性の要素に違いがないとしても、労働人口の増加率がかたやプラス、かたやマイナスという、いかんともしがたい差があります。安倍政権が女性の労働参加を前面に取り上げているのは大いに評価されてしかるべきです。

 加えて、シェール革命の影響については、今後アメリカにかなりのプラスの影響をもたらすものと思われますが、大和総研がそれによる将来の潜在成長率への寄与はプラス0.3%と推定数値を出しています。数字は小さく見えてもとても大きなインパクトを持っています。それを単純に加味すると日米の潜在成長力差は2%を超えてくることになります。IMFがそれをどの程度加味しているは不明です。
 
 今後の成長率はここで示した潜在成長力に現在は想定できていないイノベーションによる生産性向上や競争力を足し引きし、さらに景気循環や世界経済の動向などを織り交ぜた数値になります。私はベンチャービジネスの大きさと幅の広さが、今後のアメリカに大きなプラスアルファをもたらすと見ています。とすると先ほどのフィッチ・レーティングスの経済見通しである3%程度の成長は、十分に実現可能な数値に思えます。

アメリカ
IMF見通し2.5%+シェール革命0.3%+イノベーション?=3%程度

一方日本はどうか。

IMF見通し0.7%+アベノミクス?+イノベーション??=0.7%±?


アベノミクスは不成功の確率もみておく必要があるため±と書きました。

 ということでひとまず潜在成長力の観点からみた日米の将来の成長力較差は、かなり大きいと言えます。

 国債の安全性を考える際に最も直接的に重要な債務残高や返済能力については次回に述べることにします。


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27 コメント

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Unknown (鋼鉄の男)
2014-09-29 20:27:03
山ちゃん、こんばんは。


相場実践者にとって、売買(トレード)をする際に、
最も重要なことは「感情のコントロール」だと思っています。

儲けたいという欲望と
損したくないという恐怖を
コントロールするのです。

欲望も恐怖もない状態が、
ストレスフリーなのでしょう。


>三年前の米国債金利は、いまから思えば、とても高かったように思えます。
>しかし、あそこがら、金利がジリ下がりしている段階では、
>いずれ金利が上がるような気がして、買いにくかった記憶があります。
>今にしてみれば、金利の下落途中でも、買い場であったことがわかります。


この部分は、米国債金利が高いときの印象が頭から離れず、
今更、この程度の金利では買えない、という心情が読み取れます。

頭で分かっているけれども、
行動に移せない状態にあったように思えますが、
間違っているでしょうか。

結局のところ、価格は需給か、あるいは別のもので決まろうが、
今の価格が何をどの程度織り込んでいようが、
儲けにつながらなければ、何の役にも立たないのです。


債券投資に限らず、投資を一切しなければ、
ストレスフリーになれるかも知れませんね。

返信する
ハンドルネーム (山ちゃん)
2014-09-29 09:35:14
山ちゃんです。

皆さん、「山ちゃんさん」という、こなれの悪い言い方を避けていただけると、嬉しいのですが。「山ちゃん」で、いいじゃないですか。
返信する
相場 (山ちゃん)
2014-09-29 09:07:45
 鋼鉄の男さん、こんにちわ。

 議論を債券まで広げると、少々ややっこしいのですが、基本的には、相場という点では、債券も株も同じでしょう。違うのは、株は、将来の予想利益が、推測値であり、債券の予想利益、いや予想ではありません、利益が、確定値だということでしょうか。
 今の米国株が、リーマンショック後の売られすぎの揺り戻しというご意見ですが、それなら、通常今後、下落することが予想されます。しかし、そんなことはわからない。米国の景気の先行きについて、つい先だってまでは相当に悲観的な意見が国内の新聞の大勢でした。林さんは、「米国の景気は強い。」とおっしゃってましたが。それが当たった、いや当たったというよりも、よく状況を見極め、正確に事態を把握していたというべきでしょう。そもそも、新聞を見ていると、株や債券の直近の過去の相場の解説、解釈、へ理屈がごまんと付いていますが、何か変で、眉に唾して見ています。そもそも、林さんを含めて、今後のアメリカの金利が上昇していく、という読みを皆さん、されておられますね。まあ、今後の米国景気の堅調が続けば、金融を引き締めるということですから、それが普通の読み方であることは否定しません。しかし、何が起きるかは、全くわかりません。ジャパンショックがその前に起これば、世界のお金は米国債に集中し、米国債券価格は高騰することが予想されます。金利は下落しますね。予期せぬ災害や気候の変調で、景気が大きく腰折れするかもしれない。現段階の株や債券の価格が、そういうものを織り込んでいるようには、思えませんが。
 三年前の米国債金利は、いまから思えば、とても高かったように思えます。しかし、あそこがら、金利がジリ下がりしている段階では、いずれ金利が上がるような気がして、買いにくかった記憶があります。今にしてみれば、金利の下落途中でも、買い場であったことがわかります。
 相場の不確定性を思えば、人間の思惑や小賢しい知恵なんて、全くあてになりません。それが私の考え方です。いずれ訪れる未来から見れば、鋼鉄の男さんの見方が正しかったということになるかもしれません。しかし、そんなことは、たまたまでしょう。林さんに敬意を表したいのは、そんな不確定な未来に向けて、それでも信頼に足る道筋をつけていただいたことなのです。
返信する
Unknown (鋼鉄の男)
2014-09-28 18:25:02
山ちゃんさん、こんばんは。

株はおろか、債券も相場なので、常に行き過ぎがあり、その後は修正する動きがあります。
売られ過ぎの場合もあれば、買われ過ぎの場合もあります。

例えば、米国株がリーマンショックで売られ過ぎた後、
現在では史上最高値圏にあることは、その一例でしょう。
返信する
相場 (山ちゃん)
2014-09-28 17:06:11
 鋼鉄の男さん、こんにちわ。

 私は、株はおろか、債券も価格決定の要因は、需給のバランスで決まる、つまりは、相場で決まると思っています。
 株価は、将来価値を現在価値で、割り引いたものだという理屈は、わかっているつもりです。林さんも、このブログで、その説明をし、簡便法として、株価収益率を使っていることを詳しく具体例を示して、教えてくれています。そして、それらが、そこそこ機能していることも、説明してくれています。一般論としては、それでいいのでしょう。しかし、やはり、株価を決めているのが、相場であることは、誰にも否定できない事実です。そんな将来の収益についての大まかな計算が、日々変動するわけでもないでしょうが、株価は日々刻々、変動しています。そして、非常事態が起きた時にも、将来価値を現在価値で割り引いたものだというような理屈が貫徹するのでしょうか。銀行が、保有株式を一斉に売らなければならないような時、また、ある程度の買い戻しが出てくるとしても、銀行が引き上げた資金を埋め合わせができるような額の資金が、市場に再び、流入してくるのでしょうか?
返信する
Unknown (鋼鉄の男)
2014-09-28 16:08:39
山ちゃんさん、こんにちは。

株価には、フェアバリュー(FV、適正価格)があります。
FVは将来価値を現在価値に割り引いた値で、
キャッシュフロー、資本コスト、成長率から計算します。

これについては、私は次の本の影響を受けました。
「道具としてのファイナンス」(石野雄一、日本実業出版社)

FVがあるからこそ、例えば、日経平均株価は16000円付近で推移しています。

少なくとも、近い将来においては、
日経平均株価が1億円になることもなければ、
1円になることもありません。


それでは、山ちゃんさんは、債権価格は何で決まるとお考えでしょうか。
これも需給のバランスで決まるのでしょうか。

私は、現在の米国債は、自分が購入するには、
利回りが小さい(価格が高い)と思っており、
将来的には利回りが高まる(価格が下がる)と思っています。

よって、利回りが高まるのを待つ、という戦略を立てています。
これは、山ちゃんさんのお考えでは、
需給バランス動向は読めるものではないので、無駄な戦略でしょうか。
返信する
Unknown (Owls)
2014-09-28 15:12:15
山ちゃんさん、こんにちは。

私の個人的な意見としては、安部首相はがどう考えているかわかりませんが、黒田総裁や日銀幹部、内閣の経済ブレーン達は、まともな政策で財政危機を回避はできないと考えていると思っています。林先生がしばしば話題に出すように、インフレによる政府債務の圧縮という方針だと思っています。インフレの悪影響が出るまでのしばしの間、最後のバラマキと夢を見ようというのがアベノミクスという政策のイメージだと思っています。ただ、誤算だったのは、想定してた以上に日本経済の劣化が激しく、予想外の速度で悪影響が出そうになってきたというのが私の認識です。林先生が以前に指摘されたように、日銀はハイパーインフレ手前のインフレで何とかしのぐ考えではないかと思います。

私の個人的意見ですが、もう「正しい」政策での解決は時間切れ・手遅れだと思います。それはもっと前から取り組むべきことで、今頃やっても遅いと思います。集中治療室に入院が必要なのに、自宅で食事療法で治療しようとかいうのと同じ位手遅れなのでは?

野球で言えば、既に勝ち目はなく敗戦処理の段階。ただ、5~6点差で負けか、二桁得点差で負けるかの違いじゃないかと思います。あんまり良い事が想像できないのが悲しいことです。

返信する
アベノミクス (山ちゃん)
2014-09-28 14:32:12
 Owlsさん、こんにちわ。
 
 おっしゃることは、よくわかりますし、いちいち反論するつもりはございません。ただ、一つお伺いしたいのです。仮に、安倍首相が、「正しい」経済政策を打ち、税制も、「正しく、整合性のある」政策を打ったとして、日本が、今の財政危機から、脱出できる、ないし、時間を掛け、粘り強く、「正しい」政策を打ち続ければ、いずれ、脱出できると思われますか?
 それとも、もはや、限界を超えていて、何をやっても、破綻はさけられないと思いますか。その上で、「正しい」政策をやれば、何かいいことがあるとおっしゃっておられるのでしょうか?
返信する
Unknown (Owls)
2014-09-28 11:15:10
こんにちは。

戦略の失敗は戦術では挽回できない。
太平洋戦争で米国との戦争では勝てないのに、戦争に踏み切った。それを個々の作戦で何とかしようとしたのが日本。結果は国土を焼け野原にした敗戦でした。
どんな戦争でも戦略の失敗は戦術ではカバーできないと言われています。

アベノミクスは元々博打的経済政策だった上に、更に成功させる為の経済構造を誤認したままスタートしました。個々の企業の成功例がでようと、全体として失敗は免れないと考えています。おまけに時代錯誤とも思える土建での成長戦略です。

これは国民にも責任があります。あまりに短期的な政策に期待し、痛みが伴う長期的政策を拒否し続けたという経緯があるからです。財政問題や労働人口減少問題は一内閣の短期的政策では何とかなる話ではありません。でも、国民側も短期的な都合の良い解決策を望み、長期的な政策はほとんど拒否してきました。危機感ゼロの国民意識とアベノミクスは合わせ鏡みたいなものです。そして危機感ゼロだった国民も、とうとうツケを払うことになりそうだということです。

個人的な意見ですが、私はいずれは日銀が異次元緩和みたいな国債の大量買取に動くとは思っていました。それくらい政府債務の膨張は異常でしたから。通常の政策では、いずれ国債は消化しきれなくなると考えていたからです。思ったよりかなり早く動いてきましたが。

円安についても、2011年以来の貿易赤字は、とても一時的要因では説明がつかない額でしたので、経済構造が大きく変わったのだと考えていました。だから、アベノミクスが無くとも、そう遠くない時期に円高は維持できなくなると考えていました。日本が経済的衰退を続けていくのに、円だけが高値を維持していけるとは思えなかったからです。ただ、ここまで早く経常収支まで悪化したのは驚きでした。

結局、長期的な改革を一切先送りして何もせず、短期的な都合良い政策で何とかしようとしたのがアベノミクスであり、そんな旨い話はないので、ボロが出て国民がツケを払う。とうとうツケの先送りが難しくなってきたということです。後は、個人レベルで出来るだけ被害を受けないように対策をするしかありません。
返信する
 (山ちゃん)
2014-09-28 10:43:27
鋼鉄の男さん、こんにちわ。

 失礼ですが、何か、株価の形成にあたって、誤解されているような気がするので、一言、申し上げます。
 伺っていると、株価というのは、方程式のようなもので決まり、様々な変数をぶち込むと決定されるように思っておられるような気がしてなりません。誤解なら、そう言ってください。但し、現実は、あくまで、需給のバランスで決まります。売り手が多ければ下がり、買い手が多ければ上がります。その買い手の心理に、何がどう影響するか、株式市場にどのように資金が流出入するか、そういうものの読みこそが、重要かと思います。ただ、あんなもの、読めると思わない方がいいだろうと私は思います。
返信する
経済の好循環が必要 (ただの個人投資家)
2014-09-28 04:50:16
皆様こんばんは
モトカーさんがアベノミクスのメリットをあげてらっしゃいますが、果たして個別の項目が日本経済を好転させられるかが疑問です!
ドノネタも新聞マスコミ、経済本で騒がれてますが、全業種で好循環となり、給与が上がり消費が増えGDPが上がってこそ税収確保ができるものです。果たしてそのようにいくでしょうか?原発売ってどれだけ潤いますか?東京五輪など一時の消費、限られた企業の恩恵受けますが、インフラ整備が整っている先進国はそうとう考えたインフラ整備をしないとあとに繋がるものにはならず、その後の借金返済が重くのしかかります。イギリスなどの五輪の経済効果はほとんど有りませんでした東京もそうだと思います。五輪で発展するのは発展途上国だけでしょう(^_^;)
最後にリニアですが、これだけ土建業の人材不足で単価上昇してほんとに計画え通りことが運ぶとは思えません
できあがる頃には財政は破綻しています!日本はバブル崩壊から年々金利が下がってきているおかげで、国債増発、借換等でうまくまわしてこれましたがこれからはさらに円安で経常収支も赤字化し回せないのは明らかです!あと数年で国富を食い尽くします!
成長する基軸通貨国に資金移動が正しい選択ではないでしょうか?
ちなみに人口が減っても成長しているおうしゅうのくにも有りますが、ユーロのシステムは格差のある国の為替調整、財政出動が機能しないので長いトンネルからぬけ出すのも時間がかかると思います!やっぱアメリカでしょ!!
返信する
アベノミクスで期待されること (モトカー)
2014-09-28 00:50:03
1.東京金融特区構想:竹中元大臣らの諮問会議活動中
2.メタンハイドレートの2018年実用化計画:日本政策投資銀行に1兆円の融資枠を設けさせた
3.トルコの原発:三菱重工+仏企業連合が受注
4.ポーランドの火力発電所:確か、三菱重工と日立
5.UAEでの先端医療センターの共同開発:医療機器の3分の1は日本製にするなど
3,4,5は、安倍首相の外遊での成果
6.東京オリンピックへ向けての新規建設需要:すでに大手ゼネコンや設計事務所が実際に計画に入っている

その他、アベノミクス以外のポジティブ要素として、
7.シェールガスの日本への輸出→エネルギーコスト削減
(競争原理により、中東からの石油の値段も下がる)
8.シェールガス運搬時のLNG化の必要性に伴い、海運大手3社(商船三井、日本郵船、川崎汽船)のLNG運搬船増加→造船業界活況化予想
9.リニア建設開始→各種需要喚起
10.日本の重工業の大口需要増
例1.アメリカ大陸横断鉄道の80キロレール化→新日鉄住金とJFEスチール
例2.アメリカの地下鉄車両:川崎重工

などなど
返信する
Unknown (鋼鉄の男)
2014-09-28 00:37:01
林さん、みなさん こんばんは。

ご回答頂いた みなさん、ありがとうございました。
とても勉強になりました。
投稿して良かったです。

今後の投資に役立てたいと思います。
返信する
コメントをいただいたみなさんへのコメントです (林 敬一)
2014-09-27 21:22:33
なんだかんださんへ

証券会社の方でも心ある人はいるのでしょうね、私もそうでしたから(笑)。

私の仕事は個人投資家相手ではなく、債券を発行する公社公団・企業などを相手にする仕事でしたが、自分の考え見通しを曲げたり偽ったりすることなく正直にぶつけていました。ですので、上司からはよく思われていなかったでしょう(笑)。

鋼鉄の男さんから、以下のコメントが提示されました。

>私の考えの本質は、アベノミクスの成功、失敗に関わらず、ある時点までは(成否が明らかになるまでは)、現在の水準よりも資産価格が上昇する、ということです。
もちろん、未来のことは分かりません。

この考え方が正しいと仮定しても、それに合わせた投資の仕方には大きな問題が残ります。それは最後の文章「もちろん、未来のことはわかりません」という部分です。

なんだか禅問答のようですが、「ある時点」は今かもしれない。つまり未来のことはわからないので、ピークがいつかは鋼鉄の男さんも含め誰にもわかりません。そうしたことに私は賭けることはしません。それが私の回答です。

その点、債券への投資は、金利が高かろうが低かろうが結果は確実に見えています。
返信する
やはりアメリカ でしょうね (たか)
2014-09-27 11:35:15
 本ブログに出合って、遅ればせながら、102円台で、
円→ドルMMFに変えていたので、今の円安方向で、じたばたすることもせず、助かりました。

 あとは、いつ米国債券を買うかです。楽しみにじっくりまっております。
※その間は、わずかですが、米国株ETFやバークシャー株等を購入しています。

 労働人口が増えない日本では、もう成長は見込めないでしょう。 いまだ目立った少子化対策はノープランですし、それどころか若者の実質所得は、減り続けています。
 どんなに消費税を上げようが、人口減が顕著になる’15年以降は必ず税収が下がっていくはずですし、財政支出は縮小しないと思います。


 一方アメリカでは、2020年まで消費旺盛な20代が増えるようです。
 さらに、シェールガス革命によって、安い燃料が供給できるアメリカに、設備投資する動きも出ており、すでに経常収支赤字が縮小し始めています。

 どちらに投資するか、私の中では答えが出たような気がします。
返信する
 (山ちゃん)
2014-09-27 09:09:33
鋼鉄の男さん、こんにちわ。

 基本構造が変わり、金融機関が現金の準備をするために株や、遊んでいる資産を手放さざるをえなくなるというケースが起きてくるということを申し上げました。鋼鉄の男さんがおっしゃておられることは、インフレの高進につれて株価を始め、他の資産価格も上がるということなのだろうと思います。ほかでも申し上げましたが、相場の一寸先は闇で、そんなことは、わからないとしか申し上げようがございません。多分、インフレと株価の関係についての研究は結構、されておられるだろうと思いますので、そちらを参考にしてください。ただ、もう一点言えることは、デマンドプルによりインフレとコストプッシュによるインフレとは、株価に与える影響も全く違うだろうと思えることです。デマンドプルによるものなら、一般的に景気も上昇するのがふつうでしょうから、株価も上昇するのでしょうね。しかし、今回は、コストプッシュによるものです。好景気ということに直結するとも思えません。鋼鉄の男さんがお考えになられているようには、いかないのではなかろうかと思います。
返信する
大局観 (雪風ファンド)
2014-09-27 08:57:49
私の考えも鋼鉄の男さんに近いです。

インフレの初期には株や不動産が有利になりますが、
まだ日本ではインフレは起きていませんから。

金利上昇が起きれば、銀行の債券ポジションが痛む
のは確かですが、利ざやの拡大、それと株や不動産
の上昇が補う面があるのも無視できないと思います。

(邦銀が担保への依存度が高いのはご存じの通り。
もちろん担保の中核は不動産ですね。)

インフレの中期(金利が大きく上昇)には株も不動産
も×かな。初期も中期も、外貨建て資産は強いだろう
と考えています。

インフレの末期(金利上昇し過ぎ、キャピタルフライド
が深刻化)には、ハードランディングシナリオの場合
海外投資封じの政策・課税がなされ、国内株式への
資金の逃避が起きるかも知れません。(戦後生まれ
には株への逃避というのが解りにくいと思いますが)

ソフトランディングシナリオでは、外貨建て資産への
シフトを進めていた人のインフレ初期~末期トータル
の一人勝ち、これが私なりの大局観です。

さて、日本株については既に結構上げて来ています
のでインフレは起きていないとはいえ既に7合目とか
8合目あたりかな~?と思っています。

ゆえに日本株ポジションは1銘柄のみ、資産構成比
は1%程度としています。
返信する
日本の限界は天井が非常低い (Owls)
2014-09-27 08:39:43
こんにちは。

現実的には長期金利が3%程度でも財政危機だそうです。黒田日銀が必死に国債を大量に買いまくり、1%未満の超低い長期金利にしているのは、日本の限界は天井が非常に低いからでしょう。私も日銀の異次元緩和の目的は、景気刺激策というより財政ファイナンス目的だと思っている理由がそれです。そして、林先生が以前に指摘されたように、異次元緩和により健康状態を図るのにかかせない長期金利という体温計を破壊してしまいました。危機が迫っているかどうかわからなくなってしまいました。

意図的なのか、知らないのかはわかりませんが、日本の長期金利は低い。だから大丈夫、財政危機なんてのは嘘だという主張は間違いです。限界の天井が欧米よりずっと低い。しかも、体温計が壊れている為に、危機の進行具合もわかりません。

私も国内資産で危機に備えるというのは非常に難しいと考えています。日本は少子高齢化の人口減少社会です。不動産も余程立地条件が良くないと、流動性が低いデメリットの方が大きいかもしれません。日本株も、財政問題で大騒ぎの中で活況というわけにはいかないでしょう。現時点で最もリスクが低い金融商品は米国債以外にはないと思います。
返信する
Unknown (鋼鉄の男)
2014-09-27 07:19:45
山ちゃんさん、ご回答ありがとうございます。

アベノミクス失敗の際には、
債権安、株安になるというお考えですね。

日本国債の暴落、ということですが、
暴落とは、どのくらいの水準を念頭に置かれているでしょうか。

例えば、10年債利回り7%ぐらいまで上昇するとお考えでしょうか。

また、株式は大暴落ということですが、
その起点となる水準は、現在の株価水準よりも上というお考えでしょうか。
(つまり、今後は株価上昇ということでしょうか。)


私の考えの本質は、ただの個人投資家さんへの回答のとおり、
アベノミクスの成功、失敗に関わらず、
ある時点までは(成否が明らかになるまでは)、
現在の水準よりも資産価格が上昇する、ということです。

これは、私なりの大局観です。
日々の動きを見ながら、考えを微調整して、
楽しく投資を続けようと思っています。
返信する
Unknown (鋼鉄の男)
2014-09-27 07:07:29
ただの個人投資家さん、ご回答ありがとうございます。

アベノミクス失敗の際には、インフレとなり、
資産価格上昇、債券安、円安になる、というお考えですか。


私の書き方に問題があったかも知れません。
「アベノミクス失敗によって株高となる。」
という文脈に回答して頂いた形になっているようですね。

私の考えの本質は、アベノミクスの成功、失敗に関わらず、
ある時点までは(成否が明らかになるまでは)、
現在の水準よりも資産価格が上昇する、ということです。

もちろん、未来のことは分かりません。
生涯現役で、ストレスフリーな投資を続けようと思っています。
返信する
資産価格 (山ちゃん)
2014-09-27 01:07:10
 鋼鉄の男さん、こんにちわ。
 アベノミクス失敗の暁には、資産価格の上昇を見込んでおられるとのこと。まあ、インフレになって、株も不動産も上がるという読みなのでしょうか。しかし、銀行が保有している日本国債は、間違いなく暴落することは、ご理解いただけるかと思います。そうなると、銀行の資金ポジションが、悪化することは、避けられませんね。規制にも引っかかってくるレベルでしょう。その改善の為に、一番、簡単にできることは、保有株式の売却です。株式の需給関係は、当面、大きく悪化することは避けられないはずですが。簡単に言えば、大暴落を起こすはずですが。
返信する
アベノミクス失敗のあかつきは (ただの個人投資家)
2014-09-26 22:54:18
林様こんばんは
鉄鋼の男さんはアベノミクス失敗で株価が上がるといっておられますが、私は次のように予想します!(^-^)
アベノミクス失敗と言うことは給与が延びず消費が凹みます!当然給料も上がらず内需中心の企業は倒産が相次ぐと思います!倒産は負債を産みますので金融システムがバランスを崩すと思います!また日本国債は外人の空売りに合うと思いますが規制を世界中で書けるのではと思います!これだけGDPが大きな国をそのままにしておくとは思いません。ただし倒産円は売られインフレには間違いなくなると思いますが、日本円に対しての不動産価値というか物の値段は上がりますが、基軸通貨ドルに対してはさほど上がらないのではと思います
日本が復活する頃に外人が安い日本の企業や土地を買うんじゃないかと、
つまりは初めからどうなるか分からない資産を持っているより、外貨に変えておいた方が確実に非難できると思います!海外比率の多い会社は生き残る物もあると思いますが、損失補填の売りが出ないとは言い切れないのではないでしょうか?(^-^)
ジンバブエは確かに国内通貨に対しては値上がりしてますが、果たして対ドルで上がってますかね?
林先生のご意見お願いします~(^-^)
返信する
Unknown (鋼鉄の男)
2014-09-26 21:43:56
林さん、みなさん こんばんは。

こちらに書き込みしている皆さんは、
アベノミクスが失敗すると見ている人が多いようですね。

もし、アベノミクスが失敗すると、
日本の経済はどうなるとお考えでしょうか。

株安、債券安、通貨安のトリプル安でしょうか。


私は、アベノミクスが失敗した場合は、
スーパーインフレで、資産価格(株、不動産)が
上昇すると思っています。
(為替はキツい円安)

また、アベノミクスが成功した場合には、
マイルドなインフレで、資産価格が
上昇すると思っています。
(為替は緩やかな円安)

つまり、どこまで上昇するかは分かりませんが、
どっちにしても資産価格は上昇すると見ています。

よって、私は現在、資産の大部分を日本株で持っています。
そして、米国長期金利が魅力的な水準まで上昇すれば、
米国債を購入しようかと思い描いています。

さて、うまく行くでしょうか。
恐れ過ぎず、欲張り過ぎず、
楽しみながら、のんびりと生涯現役で投資を続けようと思います。

みなさんの見通しをご教示頂ければ幸いです。
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Unknown (Owls)
2014-09-26 15:52:16
こんにちは。

証券会社の上席の人もそんなこと言ってますか・・・

ただ、証券会社のエコノミスト達も相当に生産の海外シフトと労働人口減少の影響は過小評価してましたよね。多少はポジショントークがあったにしろ、貿易・経常収支の予想の外しっぷりを見ると、安部政権の経済ブレーンと同じ誤認をしてたように思います。最近になってやっと、日本の経済構造の変化を認め始めたくらい。何でも、海外の投資家からJカーブ効果はどうなってるのだと問い合わせが相次いだとの話を耳にしました。海外の投資家にもアベノミクスの能書きと同じことを説明していたようです。

どうもチャート解析とかは熱心ですが、日本経済の実態がどうなってるのかという意識を持ってる方は少なかったのではないでしょうか。
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業界意識にも変化? (なんだかんだ)
2014-09-26 10:21:01
林さん、
こんにちは。先日、私が利用している証券会社の上席クラスの人と話をした折りに、「私もアベノミクスは失敗に終わると思っています。」との意見が初めて聞かれました。私の投資行動は「日本の危機に備える」ことを根拠にしていることは伝えていて、ドル転→米国債券購入予定に対しても賛同されました。業界内部だからこそ、「かなりヤバそう…」な空気を直に感じているのかもしれません!
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Unknown (目白のおっちょこちょい)
2014-09-25 22:33:59
いつの間にかコメントが一杯付いていた騒ぎになっていたんですね。一つ前の投稿コメントしか見ていなかったので分かりませんでした(笑)

ドル転のおかげで120万円ほど現時点で差益が出ました。今は資産の60%程がUSDですが、今月来月で80%程度まで比率が上がる予定です。
95%まで行きたいところですが、日本円で持たなくてはいけないものもあり、そこまでは行けません。
まだ年末か年始に頃合いをみて2014年の総括をしたいと思います。

話は変わりますが、最近アベノミクスはなんだか破綻までの時間稼ぎに見えて仕方がありません。
国債が破綻するのはもう分かっていて、破綻する前にすべて日銀がかぶる作戦なんじゃないかって勘ぐってしまいます。
破綻後を見据えて出来るだけ国の資産を保全する作戦。
「貯蓄から投資へ」というかけ声やNISAも、GPIF改革も、なんだかんだと国債から離れていって保全する・・・そこまでやってくれてるとうれしいですが(笑)

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Unknown (Owls)
2014-09-25 16:49:24
こんにちは。

何十年も先の事はわかりませんが、しばらくはアメリカ経済が有利なのは間違いないでしょう。林先生がご指摘された通りだと思います。

個人的な意見ですが、アベノミクスの失敗は確実だと思っています。アベノミクスのコンセプトを思い出してみますと、まずは輸出促進とバラマキによる景気回復、それによる貿易・経常収支の改善と日銀の国債大量買取による財政問題の先送りといったとこだと思います。

経済の前提条件として、景気を引っ張るほどの輸出産業の生産力があることが前提の経済政策ということになります。しかし、生産の海外シフトと労働人口減少を相当に過小評価していたので、肝心な輸出が増えていきません。おまけに、消費税増税して消費が落ち込んでるはずなのに、ほとんど貿易収支は改善せず、経常収支は更に悪化。もともと博打的政策なのに、既に前提條件からして間違っていました。これでは成功するはずがありません。

景気回復優先で消費増税を先送りすべきという意見もありますが、それはアベノミクス失敗の修正にはなりません。消費増税を見送ったところで、景気を引っ張るはずの輸出が増えるわけではないからです。むしろ、消費増税10%になることを前提に考えられていた財政の長期計画が完全崩壊です。経常赤字転落寸前で、はたして先送りできるか疑問です。先送りして、様々な財政上の問題がゾロゾロ出てくると予想します。黒田総裁が懸念してる通りだと思います。

アベノミクスが失敗確実な状況で、日本国債は安全と言い張るのは無理があると思います。まあ、実質、そうとうな価値の低下は避けられないのではないでしょうか?

経済政策を成功させるための前提條件を間違った認識をしていたアベノミクス。まず成功の可能性はないと思います。失敗することを前提とした予測と行動が必要だと思います。
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