南沙諸島への米海軍の派遣について、大変懸念を持っています。
すでに報道されているように、米海軍のミサイル駆逐艦「ラッセン」が、南シナ海で中国が造成した人工島から12カイリの境界内に入り、数時間とどまる見通しだそうです。ウォールストリート英語版ではその米艦船に対して中国海軍が警告を発したと報道されています。中国は人工島から12カイリの海域を領海と主張していますが、アメリカは国際法を盾に人工島を領土だとは認めていません。報道では、「これらの岩礁は、中国が2014年に大規模な埋め立てプロジェクトを始める前までは満潮時に海面下に沈んでいた」そうです。
実はすでに2週間ほど前からこの海軍の派遣が検討されていたため、私はブログで取り上げようと用意をしていたのですが、事が先に起こってしまいました。日経新聞はおととい日曜日の朝刊で、「オバマ氏、ついに怒る」という見出しで、習近平氏が訪米中にオバマ氏の長い時間をかけた説得に全く応じようとしなかったため、会談後ただちに艦艇の派遣を承認したと書いてありました。
もちろんこうした中国の領土拡張作戦はとんでもないことで、これを許していたら世界中の浅瀬を中国が埋め立てて領土にしかねません。それこそ「海の一帯一路」だと思っていたら、いつの間にか「陸の一帯一路」になっていたということが起こらないとも限らない。
金融市場はこれでまた荒れる可能性が出てきています。新安保法制下では、南沙諸島で衝突が起これば、自衛隊が早速米海軍とともに中国と一戦を交えるなんてことも大いにあり得ます。アベチャンには早速大活躍の機会が訪れ、願ったりかなったりでしょう(笑いごとじゃない)。
地政学上の懸念事項は他にも生じています。その他の項目をざっと挙げると、
・ロシアのシリア爆撃・・・ロシアは爆撃をしながらシリアの和平と将来の統治に関して提案をしているようです。話し合いはして欲しいとは思いますが、うまく話し合いができるかは疑問です。
・石油価格低迷の長期化による逆オイルショック・・・OPECの盟主サウジが財政危機に陥る危険性が出てきています。他の産油国はサウジより産出コストが高いため、ひと足早く政治的に不安定化する恐れがあります。
^ あまり不安を煽るのは私は好みませんのでこの辺にしておきますが、株式市場・為替市場には「警戒警報」を発令しておきます。