アベノミクス3本の矢から始まり、安保法制といい、新3本の矢といい、私はつい安倍政権の政策に関して批判的に見てしまい、それについて書く場合の接尾語として「私は騙されない」と付けてしまいます(笑)。理由は多くのマスコミを始めエコノミストや一般の方が、騙されていると思われるからです(スミマセン)。
この政権はいかにも新しそうな政策を打ち出し、花火やバズーカ砲を放つのですが、胡散臭さがつきまといます。
新3本の矢と言う前に、本来であれば政権自ら旧3本の矢に関するしっかりとした総括をするべきですが、それはありません。アベチャンは国連総会の演説やその後のアメリカの投資家との懇談会などで「日本はアベノミクスによりデフレを脱却した。アベノミクスは新ステージに入った。今後は1にも2にも3にも、経済、経済、経済だ!」とまるでスポーツ応援団のエールの様な演説をしていました。
しかし、ちょっと待てよ。デフレを脱却したんだったら、これからは「経済」じゃないでしょう、アベチャン!
何故「これからは経済だ」なのかと言えば、今年の大半を安保法制という軍事で使ってしまい経済をそっちのけにしたから「これからは経済だ」とついつい言ってしまったんでしょう。私はこうした大きく矛盾した言動には頭が激しく反応するんです(笑)。だから「私は騙されない」と続くんです。
新3本の矢の一大目標は「20年に名目GDP600兆円の達成だ」と掲げました。エコノミストを中心に、「現状ではとても無理だ」という批判が多く聞こえて来ます。しかし騙されない私は「そんなの簡単だ。ハイパーインフレになれば一発さ」と言っておきます。強烈なインフレで「ほら、達成したでしょう」などと言われても、それは不幸の連鎖の結末でしかないからです。
ではまず、アベノミクス3本の矢の目指した的を内閣府のHPで見てみましょう。その冒頭に掲げられているのは次の言葉です。
『どれだけ真面目に働いても暮らしがよくならない』という日本経済の課題を克服するため、安倍政権は、『デフレからの脱却』と『富の拡大』を目指しています。これらを実現する経済政策が、アベノミクス『3本の矢』です。
『デフレからの脱却』の急先鋒はバズーカ・クロチャンによる「2年、資金供給2倍、物価上昇2%達成」でした。しかし2年後であった今年4月に物価上昇2%ははるかに未達で、月を経るごとに数字は縮小し、8月は遂にマイナス0.1%という禁断の領域に達してしまいました。
そしてその結果達成されるはずの『富の拡大』すなわちGDPの力強い成長は、4-6月期の実績値がこれまたマイナス1.2%と、矢は目標からはずれるどころか途中落下でした。
しかしこうしたことのへの反省の言葉は全くなしに、唐突に「第2ステージ、新3本の矢」などと言うので私から接尾語「私は騙されない」を付けられてしまうのです。
不祥事を働いた企業、東芝やフォルクス・ワーゲンには、あとで必ず第3者による査察が入り原因調査を徹底的に行い、社長は「2度とそのようなことがないようにします」と頭を下げます。
今度から政府にも第3者機関を設置し、首相に「2度とそんなことのないようにします」と言わせた方がいいかもしれませんね(笑)。政府の所業の影響は、企業どころじゃないのですから。
つづく