前回はモンドさんの質問に回答する形で、現金比率はどの程度が適当かについて、投資の国際標準から回答をさせていただきました。今回はその続きです。
モンドさんへの回答は、平時であれば現金比率は0%―5%くらい、かなり低めでした。
誤解があるといけないので、注釈を付けます。比率が低い理由は投資目的に合わせたアロケーションを終わったからです。当然ですが、まだ買うべきものを買っていないとか、買いたいものがわからない状態であれば、話は別です。その分は待機資金として現金のままにしておくべきでしょう。それがかなり大きな額でも、初心完徹をおすすめします。もし思ったように買えなくても、それはそれで損しなかったと思えばいいだけです。
モンドさんからは、追加で以下の追加質問がありましたので、それに私の追加コメントをつけます。
質問は、『レートと金利の二兎を追うことは難しいので、「外債:徐々に投入であまり投入時の為替と利率を気にせずに精神的にラク」+「国債:変動利率で現金よりマシ」といった作戦もアリでしょうか?』 というものです。
レートとは円ドルレート、金利は例えば米国債金利と解釈します。
私お勧めは、そんな時は Wait And See!
その際、待機資金を個人向け国債の変動金利にしておくのは賛成です。
米国債はご自分で納得できる金利レベルでなかったら、無理に投資するのはやめて、気長に待つことです。このブログの読者の方で、待機中の方は多いと思われます。
もし現在の円レートが十分に高いと思われるなら、以前にもお勧めしましたが、ドル建てのMMFを買って、ドルを確定しておくのも手です。
米国債の金利の先行きを探るために、アメリカの最近の経済動向にちょっと横道します。
日本にいて日本の報道ばかりに接していると、アメリカの評価を間違えます。何度も何度も申し上げているように、アメリカに失われた10年など来ません。
日本の報道はアメリカに悪意か敵意を持っているとしか思えないほどかたよっています。経済や市場は、好き嫌いではなく数字だけで判断するのが私の方法です。数字をちょっと見てみましょう。
まず経済の温度を測る一つの代表的数字はダウ平均でしょう。最高値にあと数パーセントのところで推移しています。
これは根拠なき熱狂ではありません。アメリカ株は2000年前後のナスダックを除いて、企業収益の先行きを見ながら売買されています。企業収益はどうかといいますと、製造業の改善が著しく、四半期決算では今年の第一四半期には06年の第3四半期を抜いて、過去最高となりました。ダウ平均の高さは、収益の裏付けのある高さです。
もう一つの大事な数字は住宅投資の回復です。リーマンショックを日本のバブル崩壊になぞらえた人達が見誤ったのは、あのショックが実は単にサブプライムローンという特殊な分野だけに生じたのに、全米不動産価格全体に生じたと誤解したからです。
住宅価格はケースシラーという指数で見ますが、それがあきらかに回復しています。そしてもっと驚くニュースは、3―4年前にサブプライムローンを払えずに自己破産して抵当の家を取られた個人が、ローンを新たに組んで住宅を購入し始めたというニュースです。
日本と違い、住宅をとりあげられたら、残ったローンは合法的に踏み倒せるのです。それをノンリコースローンと言います。住宅価格が下がっていて借金が返しきれなくても、それをかぶるのは銀行です。強制的に売却しても借金だけ残るというのは日本だけの特殊な事情です。
製造業が高収益をあげ始め、リーマンショックの元凶までがなくなりつつあるアメリカをいつまでも悲観的に見る必要はありません。FRBが15年まで引き締めはしないと言っているのは、「雇用が回復しなかったら」の条件付で、回復したら金利は上がると見ておく必要があります。
ということで、日本での報道よりアメリカ経済の実態ははるかに改善しており、金利も低水準がずっと続くことはないと見ておくべきでしょう。
モンドさんへの回答は、平時であれば現金比率は0%―5%くらい、かなり低めでした。
誤解があるといけないので、注釈を付けます。比率が低い理由は投資目的に合わせたアロケーションを終わったからです。当然ですが、まだ買うべきものを買っていないとか、買いたいものがわからない状態であれば、話は別です。その分は待機資金として現金のままにしておくべきでしょう。それがかなり大きな額でも、初心完徹をおすすめします。もし思ったように買えなくても、それはそれで損しなかったと思えばいいだけです。
モンドさんからは、追加で以下の追加質問がありましたので、それに私の追加コメントをつけます。
質問は、『レートと金利の二兎を追うことは難しいので、「外債:徐々に投入であまり投入時の為替と利率を気にせずに精神的にラク」+「国債:変動利率で現金よりマシ」といった作戦もアリでしょうか?』 というものです。
レートとは円ドルレート、金利は例えば米国債金利と解釈します。
私お勧めは、そんな時は Wait And See!
その際、待機資金を個人向け国債の変動金利にしておくのは賛成です。
米国債はご自分で納得できる金利レベルでなかったら、無理に投資するのはやめて、気長に待つことです。このブログの読者の方で、待機中の方は多いと思われます。
もし現在の円レートが十分に高いと思われるなら、以前にもお勧めしましたが、ドル建てのMMFを買って、ドルを確定しておくのも手です。
米国債の金利の先行きを探るために、アメリカの最近の経済動向にちょっと横道します。
日本にいて日本の報道ばかりに接していると、アメリカの評価を間違えます。何度も何度も申し上げているように、アメリカに失われた10年など来ません。
日本の報道はアメリカに悪意か敵意を持っているとしか思えないほどかたよっています。経済や市場は、好き嫌いではなく数字だけで判断するのが私の方法です。数字をちょっと見てみましょう。
まず経済の温度を測る一つの代表的数字はダウ平均でしょう。最高値にあと数パーセントのところで推移しています。
これは根拠なき熱狂ではありません。アメリカ株は2000年前後のナスダックを除いて、企業収益の先行きを見ながら売買されています。企業収益はどうかといいますと、製造業の改善が著しく、四半期決算では今年の第一四半期には06年の第3四半期を抜いて、過去最高となりました。ダウ平均の高さは、収益の裏付けのある高さです。
もう一つの大事な数字は住宅投資の回復です。リーマンショックを日本のバブル崩壊になぞらえた人達が見誤ったのは、あのショックが実は単にサブプライムローンという特殊な分野だけに生じたのに、全米不動産価格全体に生じたと誤解したからです。
住宅価格はケースシラーという指数で見ますが、それがあきらかに回復しています。そしてもっと驚くニュースは、3―4年前にサブプライムローンを払えずに自己破産して抵当の家を取られた個人が、ローンを新たに組んで住宅を購入し始めたというニュースです。
日本と違い、住宅をとりあげられたら、残ったローンは合法的に踏み倒せるのです。それをノンリコースローンと言います。住宅価格が下がっていて借金が返しきれなくても、それをかぶるのは銀行です。強制的に売却しても借金だけ残るというのは日本だけの特殊な事情です。
製造業が高収益をあげ始め、リーマンショックの元凶までがなくなりつつあるアメリカをいつまでも悲観的に見る必要はありません。FRBが15年まで引き締めはしないと言っているのは、「雇用が回復しなかったら」の条件付で、回復したら金利は上がると見ておく必要があります。
ということで、日本での報道よりアメリカ経済の実態ははるかに改善しており、金利も低水準がずっと続くことはないと見ておくべきでしょう。