世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

観光都市では無さそうなリューネブルクですが、絵本のような街並みは訪れる価値十分です(ドイツ)

2017-11-19 08:00:00 | 世界の町並み
 中国江南地方、蘇州郊外の同里は、水郷らしい風景が広がっていました。この風景は運河の存在が大きな影響を与えています。陸上交通が貧弱な時代には、船による輸送が楽で、このために川に面した都市が発展したようです。自然の川の不足部分は運河が補い、江南地方と北京とを結ぶ京杭大運河は7世紀に作られ総延長が2,500kmもあります。世界遺産に登録されている運河もあり、カナダのリドー運河、フランスのミディ運河です。今回は、特産物の塩を運ぶために下流に運河が作られ、町中には自然の川が絵本のような風景を醸し出すリュネブルクを紹介します。

 
 リューネブルクは、ドイツ北部、ハンブルグの南東50kmほどにある人口7万人余りの都市です。かつて岩塩はリューネブルクから陸路で北にある港町のリューベックまで運ばれました。このリュネブルクとリューベックを結ぶルートは、現在では塩街道と呼ばれ観光地化されています。しかし、馬などで運ぶ陸路ではコストがかかるため、14世紀にリューベックとエルベ川をつなぐ運河が作られました。リューネブルクのイルメナワ川からエルベ川を通り、運河経由でリューベックまで船で運ばれるようになったそうです。塩を運んだ船は、帰りにはリューベックで鰊を積んできたそうで、往復で荷物があって効率的だったんですね。この積み荷の塩や鰊の積み下ろしに使われた18世紀に設置された木製のクレーンが残っています。クレーンのそばには、鰊の貯蔵庫も残されています。

 

 リューネブルクには中心駅が2つあって、道を挟んで東西の駅が並んでいます。メインの駅は東駅で、西駅はローカル列車が停車するだけで、駅の機能も東駅に集約されています。旧市街は駅の西側に1km四方ほどの範囲で広がっていて、イルメナワ川は、駅と市街地の間を南北に流れています。木製クレーンは、川の東岸にあり、その上流には川が二股に分かれ小さな島があって、小さな滝があります。

 
 
 
 
 
 
 
 
 街中には、聖ニコライ教会、市庁舎それに聖ヨハニス教会などの観光ポイントがありますが、町全体が絵本に出てくるような風景です。安野光雅さんの絵本に出てくるような、取り立てて有名な建物などがあるわけでは無いのですが、気持ちがゆったりする空気が流れています。ドイツには重伝建というような指定は無いでしょうが、そのような感じです。ただ、日本との違いは、日本の重伝建地区のほとんどは、開発に取り残されて、やむなく古民家が残ったといった印象ですが、ヨーロッパの町並みでは、現役として生きている感じがします。建物の構造の違いもあるのでしょうが、日本の住居は再開発の名のもとに、いとも簡単に破壊されてしまうのは、デヴェロッパーと銀行の悪だくみのように思います。
 リューネブルクの特産品であった岩塩はハロゲン化鉱物の代表格ですが、ハロゲン化物と聞くとすぐに思いつくのがハロゲン化銀です。ハロゲン化銀は、フィルムや印画紙に塗られている感光材の主成分です。かつて、アナログ写真全盛の頃は、銀の使用量の中で感光剤として使用する量が最大であったそうです。現在は、ディジタル化が進み、この分野での使用量は激減したようです。ディタル写真の初期の頃には、ICの一つの画素の大きさがアナログフィルム上の銀の結晶より小さくなるとは思えませんでした。ところが、現在ではデジタルの観光素子はアナログをはるかに越える解像度までになりました。ディジタルカメラは写真を気軽に取れる環境を提供してくれましたが、気軽すぎて作画が雑になっ朝にも思います。


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