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世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

マトマタやクサール・ハッタダはスターウォーズのロケ地だけに地球上とは思えない広陵とした砂漠の中にポツンとあります(チュニジア)

2019-01-13 08:00:00 | 世界の町並み
 初代のカンフースターであったブルース・リーの祖先の出身地は中国の広州郊外にある順徳で、清暉園には記念館もありました。ブルース・リーの戦う範囲は地球上の悪者でしたが、舞台を宇宙にまで拡大した映画の一つがスターウォーズで、多数の観客動員をしました。この映画のエピーソード1~4でロケに使われたのはチュニジア南部で、それらの場所の中から、今回はマトマタとクサール・ハッタダとを紹介します。


 クサール・ハッタダやマタマタは、チュニジアの南部のリビアとの国境にも近い砂漠地帯の集落です。最寄りの都市は、鉄道の南端の終着駅であるガベスや、空港があってリーゾート・アイランドのジェルバ島ですが、そこから公共交通機関があるというわけではありません。現地で四駆の車をチャーターして、砂漠の中の道なき道をひた走ることになります。チュニジアをグーグルの航空写真で見ると、スースから北半分、首都チュニスなどがある地域だけが緑で、国土の南側6割くらいは茶色の世界です。日本人の感覚では、砂漠という名前から、砂漠は鳥取砂丘のような細かな砂山が続いていると思われがちですが、もちろんそのような部分も多いようですが、マトマタなどの近くは、石ころが多く木が無いはげ山のような砂漠が続いています。

 
 
 クサール・ハッタダはスターウォーズのエピソード1で主人公のアナキン少年の住む家としてロケがされた所で、入口付近にその旨の看板も立っています。集落は、土で作られた連続アーチの集合住宅のようなものでした。筆者が訪問した時には、この構造物を利用したホテルの建設が予定されていましたが、まったく人影は見当たらず、ゴーストタウンの雰囲気でした。この感じが、映画のロケ地に適していたのかもしれません。ちなみに、クサールとは、食料を保存するための倉庫群やオアシス住民の伝統的村落との意味だそうです。



 
 
 
 一方のマトマタは、まだ現役の土の住居です。ただ、政府は近くに新マトマタの市街を作って、住民の転居を促したようで、観光客が訪れるのは急マトマタで、転居しなかった住民が住んでいます。こちらもスター・ウォーズのロケに使われスカイウォーカーの家として使われたそうです。クサール・ハタダが、平地に土でこねた建物を載せた構造になっているのに対して、マトマタは、地面を掘り込んで大きな穴を造り、その壁に横穴を掘って居住空間としています。人間の居住だけでなく、動物が飼われていたり穀物倉庫になっていたりします。給マトマタは、どうも完全に観光地化しているようで、博物館的です。訪問する観光客には、紅茶と思しき飲み物もサービスされ、チップで生活しているようです。

 筆者がマトマタなどを訪れた時は、チュニスにある旅行社を通じて運転手付きのワゴンをチャーターしました。ドライバは、それこそ鼻歌交じって感じで道とは認識できないような所を走って行きます。もちろん、乗り心地は最悪ですが。こんなところでは、GPSやINSなどの電子機器があれば現在位置が正確に把握できるのでしょうが、それらしき道具を付けっている様子はありません。かつて、砂漠をラクダに乗って移動した商人たちの末裔には電子機器より優れた人間の感覚が備わっているようです。


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