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世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

北欧のネーロイフィヨルドは絶壁の高さもフィヨルドの奥行きもさすがに巨大です(ノルウェー)

2009-09-06 11:40:36 | 世界遺産
 湖のように波の無い穏やかな海はヨーロッパ最南端のフィヨルドの地形のせいだったのはモンテネグロのコトルでしたが、ノルウェーのフィヨルドは、湾の深さも、絶壁の高さも巨大なものが数多くあります。今回は、世界遺産に登録されている「ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド」のうちネーロイフィヨルドを中心に紹介します。

 ネーロイフィヨルドは、湾の深さが最大規模のソグネフィヨルドの支流の一つで、ノルウェー第2の都市ベルゲンの東に位置します。首都のオスロとベルゲンを結ぶ国鉄のベルゲン線のミュルダールやヴォスを起点にして手軽に訪れることができるため、北欧のパッケージツアーではおなじみのコースになっているようです。ミュルダールからフロム鉄道でフロムに下り、船でグドヴァンゲンに、そこからバスでヴォスに登るコースか、その逆のコースが一般的です。この3つの交通機関がそれぞれに魅力的なのです。

 フロム鉄道は、900m近い標高差を20kmくらいの距離で下ります。平均で40‰、最大で55‰(55/1000)という急坂ですが、スイスのベルニナ線と同様でラックレールを使っていません。

氷河が削り取った絶壁にへばりつくようにレールが敷かれていて、見所の滝の近くではカメラストップがあります。滝のそばにはニンフが出没するというサービス振りです。1時間弱の間、車窓に釘付けになりますが、一人静かに席に座ったままの老婦人がいらっしゃいました。この方、フロム駅の2つ手前の駅で降りていかれました、この景色は日常なのですね。

 フロムとグドヴァンゲンを結ぶフェリーは途中何箇所かの港に寄港して2時間ちょっとで運んでくれます。途中に寄港するところには、後ろに断崖絶壁があって、どう見ても陸路でアクセスするのは不可能なような所もあります。
 
フロムを出たフェリーは、まずは北に向かいます。このあたりはフィユルドの幅も比較的広く、絶壁も低いので、穏やかな景色です。
1時間ほど走ると、鋭角的に南に曲がり、ネールフィヨルドに入っていくと景色は男性的になります。フィヨルドの幅は狭くなり、絶壁が迫ってきます。
 
そして、この狭いフィヨルドの突き当りが下船場所のグドヴァンゲンです。
途中には、数多くの滝が落ちていて、最初のうちは滝だ!滝だ!と指針を撮っていましたが、余りの数の多さに、途中からは、あつ、また滝?という雰囲気です。

 グドヴァンゲンとヴォスを結ぶバスからの見所は、氷河に削られた狭い谷を俯瞰できるところです。それも片側から見るのではなく、ほぼ正面から眺められるので絵になります。

バスもこの景色が見える地点では徐行をしてくれますが、道がヘヤピンカーブで危ないので徐行をしているのかもしれません。船から見るフィヨルドは見上げるもので地形を把握する上でちょっと難点があるように思います。上から眺めると地形がよく解りますが、このためには陸路のそれも高いところに上る必要があるわけです。ヴォスまでのバスでは、この高みにバスが連れて行ってくれますが、自分の足で登る必要のあるフィヨルドがあります。世界遺産には登録されていないフィヨルドですが、ベルゲンより南にあるリーセフィヨルドです。このフィヨルドも船からも見上げることができますが、陸路から見るためには標高差600m程度を自分の足で登らなければなりません。2時間ほどかけて登ると、巨大な岩の塊に到着します。この岩の塊が海まで600m垂直に落ち込んでいる説教壇と呼ばれる絶壁です。

東京タワーの2倍という高さでは、とても絶壁に立って説教などできそうにありませんが、柵も何も無い絶壁の角に座ったり、身を乗り出して覗き込んでいる人が居ます。高所平気症でしょうか。

 フィヨルドは、ご存知の通り氷河が削り取った谷筋に海水が入り込んで深い入り江を作ったものです。氷河と言えば、地球温暖化で各地の氷河の後退が話題になります。温暖化を止めるために、CO2の排出を抑えるため、ITを利用しようとの動きもあります。人や物をなるべく動かさないで、情報だけを動かして、エネルギー消費を減らし、CO2排出を抑制しようというものです。ただ、話はそう単純ではなさそうで、場合によっては制御のためのITのシステムが消費するエネルギーの方が大きいかもしれません。ディジタル機器は、仕事をしないときにもエネルギーを消費するものが多いのですから。また、CO2排出規制枠にも、発展途上国の不満が多いようです。大量のCO2を排出をしている先進国は、その国の人口に比例した値まで削減するのではなく、現状を既得権とし、そこを基準とした削減しかしないからです。核拡散防止条約と同じ状況でしょうか。核を持つ国の中には、正義の味方が持つのは正当だと主張しているようですが、いったい誰が正義の味方と決めたんでしょうね。


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