世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

厳島神社の海に浮かぶ大鳥居を見るためには来年以降の大潮の満潮時刻に訪問の必要があります(日本)

2022-10-16 08:00:00 | 世界遺産
 スペインのセゴビアもスイスのベルンも丘の上に発達した町で、変幻に浮かぶ島のような場所でした。平原に浮かぶ島ではなく、実際の島にある神社が世界遺産に登録されているのが広島県の厳島です。今回はこの厳島神社の周辺を紹介します。

 
 
 厳島神社はご存じのように松島、天橋立と並んで日本三景の一つで、広島市街地の西南西15kmほどの島にあります。広島からJRでは30分ほど、路面電車の部分もある広島電鉄で1時間ほどですが、島に渡るフェリー乗り場には広電の駅の方が国道を渡らなくて済むので楽です。フェリーは2社が運航していて10分ほどですが、若干早いのは松代汽船ですが、JRの方が神社の正面の沖を通るので人気があるようです。しかしながら、厳島のシンボルのような神社の前の海中に建つ大鳥居は現在工事中で足場の囲いの中、今年いっぱいかかるそうです。

 
 
 

 
 
 厳島神社は6世紀末のころに地方豪族の佐伯氏が造営したとされ、その後の12世紀になった平清盛によって現在の規模に増築され、国宝の平家納経などもその時に奉納されたものです。本殿周りの建築物6件はすべて国宝で、周りの建物の大部分、大鳥居や五重塔などは重文です。大鳥居は海中にあって目立つ存在ですが、丘の上に建つ五重塔もどこからも見える存在ですが、神社なのにお寺のシンボルの五重塔???この塔は、9世紀始め開基の大聖院というお寺の子院であった金剛院のものでしたが、明治期の廃仏毀釈で神社の管理下に移されたのだそうです。


 厳島神社の美しさの一つが、社殿の下にまで海水が入ってくることで、海に浮かぶ様が絵になる風景です。ところが、筆者は何度訪問しても官庁の時間で、大鳥居のそばまで歩いて行けるというメリットはありますが、ヒタヒタの社殿は見られません。そこで、満潮時刻を調べ満を持して訪問しました、満潮のピークから2時間立っていた時には時遅しで、社殿の下には砂地が見えていました。フェリーからは30分ほど早い時刻だったので、社殿が海面に映る姿が見えていたようにも思いますが、社殿がたっぷりと海につかるのは大潮の満潮ピークの時なのでしょうか。

 
 
 
 
 
 フェリー乗り場から神社へはいろんなルートがありますが、お勧めは海沿いの道で、社殿がどんどんと近づいて来る様子に機体が膨らみます。戻りのルートですが、母屋毛を買う必要のある方は、表参道商店街ですが、古い町並みが残るのは、商店街の一本裏の道です。格子の連なる町家がズラリと並んでいます。その家並の上には五重塔が望めて、他の町並みにはない景色が楽しめます。この町家通りの突き当りには要害山という丘があり標高は30mに満たない小山で、16世紀に毛利元就が城を立てたという伝説もあります。頂上付近には展望台もあって、宮島の町並みもよく見られます。町家通り側と反対側に降りるとフェリー乗り場はすぐです。

 厳島神社の大鳥居は海中にあるのになぜ腐らないのか疑問に思いましたが、やはりそんなにはもたないそうで、現在のものは明治初期に建てられた8代目だそうです。水に強いクスノキを付けっていますが300年ほどの寿命だそうです。その間に、次の建て替え用のクスノキを育てるのでしょうか。ただ、この300年周期というのは微妙な長さとも思います。伊勢神宮の建て替え周期は20年、一説には20年の周期だと技術者の新旧賀オーバーラップして、技術の継承がうまく行えるとのこと。鳥居は社殿より構造が単純なので、さほどの技術j継承は要らないかもしれませんが、巨大なものを作るノウハウのようなものがありそうです。ノウハウ集を残すには、アナログでも紙などに書いたドキュメントが安心です。デジタルの情報は不変と言われていますが、情報を読む技術は不変ではなく、300年後には読めなくなる恐れがありますから。