世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ノ-トルダム大聖堂が建つアミアンには水郷の風景もひろがっています(フランス)

2015-04-19 08:00:00 | 世界遺産
 ジャングルの中に眠っていたボロブドゥール遺跡は広大な横の広がりを持っていましたが、フランス一の高さを誇るゴシック建築が縦に伸びているのがアミアンのノートルダム大聖堂です。今回は、大聖堂を中心にアミアンの町並みを含めて紹介します。

 アミアンは、パリの北100kmほど、TGVは走っていなくてICで1時間とちょっとという距離の14万人程度の町ですが、フランスでは28番目に人口が多いのだそうです。わが国で28番目の都市というと東大阪市で50万人以上の人口です。フランスの総人口が日本の1/16、面積は少し広いくらいなので、人がいっぱい居る感じのヨーロッパの中では、フランスの地方都市がゆったりした感じがするのは当然かもしれません。

 
 
 
 
ノートルダム大聖堂は、駅の西北にあり歩いても10分程度です。建物も身廊の高さもフランス一の高さを誇るゴシック建築で、近づいてみると、高さだけでなく巨大な塊に威圧されます。内部の容積も、フランスで一番の大きさなのだそうで、巨大な空間を取り囲む窓にはめ込まれたステンドグラスも豪華です。内部には、おびただしい数の彫刻などの装飾があり、聖歌隊席の後方の聖人像は4万体あるのだそうです。聖人像といえば、ポルタイユと呼ばれる正面入り口の上部にもマリア像を中心にして、おびただしい数の聖人像が重なり合っています。

 
 
 ノートルダム大聖堂の裏側には運河が通っていて、水郷の景色を作っています。このあたりには、個人の家に通じる橋や船着場があったり、小さな教会があったり、さらには廃墟になった教会もありました。壮大な聖堂を見た後に訪れると、なにかホッとする町並みが続いています。また、筆者は訪れなかったのですが、地図で見るアミアンの北辺は、湿地帯のようで、網の目のような水面が広がっているようです。

 
 
 ヨーロッパの町並みでは、世界遺産の教会や宮殿だけでなく、民家や公共の建物なども破壊されなくて景観が維持されている町が多いように思います。アミアンでも、古い石造りと思われる町並みに、観光用の馬車が似合います。控訴裁判所のパレ・ジュスティスの建物は新しそうですが、外観は宮殿か博物館風で、ファサードの彫刻は正義の女神像のようです。また、駅前の広場には、ペレの塔が建っていてます。この塔は上部で八角形の平面となり、さらに上部では四角形の平面を45度ひねった、ちょっとひねった形の塔です。このペレは作者の名前で、コンクリートの父と呼ばれているようで、アミアン駅もペレの設計なのだそうです。

 フランスに行くと、アミアンでは見かけませんが、やたらとTGVが走っている風景にお目にかかります。高速鉄道を見直すきっかけを作ったのは日本の新幹線でしたが、世界的にはフランスのTGVとドイツのICEが席巻しているようです。ただ、最近は、鉄道の黎明期に日本が教えてもらった英国に日本の高速鉄道が輸出されて、面目躍如となっています。TGVやICEでは在来線も1,435mmの標準軌なので、高速列車がそのまま乗り入れてきます。やたらと目にするのは、そのあたりにも理由があるようです。高速鉄道は速さばかりが目立ちますが、安全性や定時性など、陰で支えるコンピュータを中心としたシステムがしっかりしていないと、早いばかりで大きな事故を引き起こすことになってしまうんですね。