大阪大学名誉教授の加地伸幸氏の提言は検討に値する。外国人労働者の受け入れにともなう悪影響に対処するために、長期滞在する外国人に「国防税」を負担させることを検討すべきだ。産経新聞が伝えたもので、昨日行われた奈良「正論懇話会」の第75回講演会で、加地氏は「日本の行く先」と題して講演し、今国会での成立が予想される出入国管理法案について、あまりにも不備であることを批判するとともに、「毎年20万円程度の税金を『国防税』として課す」という具体策を提案した▼加地氏も述べているように、外国ではそうした税金を取っているところもあり、大いに参考すべきなのである。安倍内閣は財界からの要請を受けて、人手不足を外国人労働者で補おうとしているが、それがもたらすデメリットに関しては、まったく議論をしていない。とくに危惧されるのが、日本という国家の解体である。交戦権も放棄させられ、まともな国家としての体裁が整っておらず、このままでは内部から崩れていくのは必至である。それに歯止めをかけるには、加地氏の案以外には考えられない▼日本国民の生命と財産を守るためには、国防を鉄壁にしなくてはならない。国防費の一部を外国人労働者に負担してもらうのであれば、抑止力を強化することになり、デメリットは大幅に軽減されることになる。政府は瑕疵の多い法案を無理に成立させるのではなく、加地氏の提言に真摯に耳を傾けるべきだろう。「急いては事を仕損じる」という故事もあるわけだから。
応援のクリックをお願いいたします