台湾の学生たちの占拠は現在も続いている。馬英九総統は直接対話に応じればいいのである。ウイグルやチベットで、さらには経済的な貧富の差の拡大などで、中共は危機的な状況になっている。そこに手を差し伸べようとする今の台湾政府は、中共の工作の手が入っているのだろう。学生たちの行動は小競り合いはあったものの、直接暴力に訴えたわけではない。それも許されないのであれば、中共と同じではないか。台湾は大陸とは別に自立する動きが強まっている。「サービス協力協定」を結べば、損をするのは台湾だ。学生たちが要求しているのは、与野党と各界代表者を加えた会議である。それもできないとすれば、混乱は長引くだろう。台湾の住民の圧倒的多数は、現状維持を望んでいる。それにもかかわらず、金儲け優先の台湾の企業が中共の走狗と化しているのである。憲法や法律をどのように考えるかは、大きな問題を含んでいる。馬総統は学生たちの違法性を批判しているが、そこまでラディカルになったのには、それなりの理由があったからだ。学生たちの決起は、カール・シュミット流に言うならば「憲法制定権力」なのである。「あらゆる国家的なものの根源的な力である人民、国民は、たえず新たな諸機関を制定する。その権力の、かぎりなくとらえがたい深淵からは、国民がいつであれ破ることができ、かつ国民の権力がその中で決して確定的に限定されてしまうことのない諸形態が、絶えず新たに生まれてくる」(『独裁論』・古賀敬太シュミット・ルネッサンス』参照)のである。これは左右を問わず存在する思想であり、いかなる権力者であろうとも、民衆の力を侮ることはできないのである。
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