民主党のマニフェストが詐欺だというのは、前から分かっていたことだ。公務員の給与の削減だって、政権交代を実現するための、あくまでも方便でしかなかった。消えた年金にしたって、さっさとあきらめたのであり、全てがその調子なのである。それでいて、責任を取る気がないのが、民主党なのである。嗤ってしまったのは、声を大にして、自民党の利権屋政治を批判していたくせに、目下、民主党の国会議員の仕事は、財務省への陳情攻勢だとか。言うことと、やることがこれだけ違えば、国民がエキサイトするのも無理もない。まともであれば、恥ずかしいと思うのが普通だが、それすらもないのだから、箸にも棒にもかからない連中である。また、マニフェスト選挙なるものをぶちあげて、民主党の応援団を買って出ていた政治学者の佐々木毅らは、今の日本の政治をどう考えているのだろう。佐々木は『政治学は何を考えてきたか』のなかで、「思想やアイデアが現実と無関係に並存するのではなく、むしろ、それを変形させたり、変えたりする効果を持ち得る」と大見得を切っていた。だからこそ、マニフェスト選挙を提唱したのではなかったか。その結果、民主党政権が誕生したのである。曲学阿世の徒に、現実の政治を論じる能力があると思うことが、そもそも間違いであったのだ。
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