かつてのソビエトがそうであったように、スターリン主義国家は、人間を偶像化することで、捏造された革命伝説を語り継ぐのだろう。朝鮮中央テレビは、金正日の遺体を放映したが、北朝鮮の民衆が、本当に心の底から金正日を敬愛しているのだろうか。1994年7月8日、金日成が死亡したのを受けて、権力の座を手にした金正日は、300万人もの国民を餓死させたといわれる。核やミサイルにばかり力を入れて、農業部門がなおざりにされたことで、食糧の生産がままならなくなり、人口の約13㌫が餓死したのである。佐藤勝巳の『北朝鮮の今がわかる本』では、そのことが詳しく書かれている。だからこそ、亡命者が相次いでいるのだ。いくら110万の軍が忠誠を誓っていても、肉親がそんな目に遭わされれば、離反するのは明らかである。さらに、後継の金正恩では、恐怖政治を続けることは困難だろうから、民衆の不満がいつ爆発しても、不思議ではない。しかし、その一方で、現在の北朝鮮指導部は、国民を団結させるために、戦争すら仕掛けてくる可能性がある。福島第一原発だけでも、手が付けられなくなっているのに、北朝鮮の武装ゲリラが、もう一箇所日本の原子力発電所を破壊すれば、日本列島には誰も住めなくなってしまう。今警戒を怠ってならないのは、北朝鮮の暴発なのである。
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