地元の旧家にあった明治時代の印刷物の中に、帝国尚武会発行の「乙種科教授書」「丙種科教授書」の2冊を綴じたものがありました。明治42年発行です。
表紙に「禁他言他見」(非売品)と印刷してあり、秘法めいたものを感じ、開いてみました。
「乙種」には、「殺法、活法、拳法」とあり、まず、殺法についての説明が問答形式で書いてありました。いわゆる人間の急所、窮所について、図入りで、前の面に14、背面に5の急所が描かれています。何か、怖ろしい本のような感じですが、時代劇などで、一撃で相手を倒す技をよく見ますが、武術では当然知っておかなければならない部分なのでしょう。また、活法では、蘇生術が説明されていました。これも図入りで、時代劇で背中から活を入れる場面を思わせるものがありました。柔道で「落ちる」ことがありますが、この活法で呼吸を蘇生させるような方法があったと思います。
いずれにせよ、読み進むにしたがい、なるほどと思うこともあり、当時は、こうした技を学び、習得することがあったのでしょう。