ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

大正生まれの内藤正克さんの生涯に感銘

2020年10月20日 05時23分54秒 | Weblog


 16日(金)の神戸新聞北播版に小野市の内藤正克さんの『和 我が人生 ある建築家の半生』という自伝風、エッセイ集が紹介されました。
 内藤さんには、これまでいろいろな機会でご一緒させていただき、ご指導も賜ってきましたが、この度出版されたこの書を頂き、早速拝読しました。
 大正12年(1923)のお生まれで、今年満97歳。矍鑠たるお姿にいつも自然と背筋が伸びる思いです。内藤さんが生き抜いてこられた昭和時代を中心に、軍隊経験、建築家としての仕事、郷土の自然や歴史・文化、時代・世相への「爺々放談」等々、まさに「大正生まれの男」の魂、生き方が伝わってくる内容でした。
 私の母も大正8年(1919)生まれで、生きておれば、百歳を超える歳になっています。その母と同時代を生きてこられた内藤さんのお話に母を想い浮かべながら読み進むこともありました。大正時代は14年余りと明治と昭和の時代の間で存在感が薄い感じがありましたが、何年か前に、ある講演会で、作家の門田隆将さんのお話を聴いて大正の時代観が変わったことを覚えています。すなわち、大正生まれの日本人は本当に強かった。日本兵の精強さも、戦後復興を牽引したのも大正生まれの日本人だった、大正生まれの人は、どんな境遇にあっても前へ前へと進む、前進あるのみであった、と。内藤さんと同時代を生きた人の多くはすでに鬼籍に入っておられますが、特に戦争で早く逝かれた方が多く、そうした方々への鎮魂の思いもこの書には込められているのではないでしょうか。
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