メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ハーフ・ア・チャンス

2006-09-03 21:07:36 | 映画
「ハーフ・ア・チャンス」(1 Chance Sur De 2)(1998、仏、109分)
監督 パトリス・ルコント
アラン・ドロン、ジャン=ポール・ベルモンド、ヴァネッサ・パラディ
同じパトリス・ルコントの「タンデム」、「仕立て屋の恋」、「髪結いの亭主」あたりとはイメージがちがう純粋の娯楽アクション映画。しかし、細かいところはなかなかうまく楽しませてくれる。
 
20歳になった高級車泥棒の娘(ヴァネッサ・パラディ)、そろそろ足を洗ったらと、弁護士(?)から亡き母親の録音を渡される。娘が出来た当時付き合っていた男が二人、どちらの子かわからない。
 
そこで二人つまり、カー・デイーラーのベルモンド、レストラン・オーナーのドロンを見つけ出し、お互い初めての男2人と娘の探りあいが始まる。
その一方、3人の話とは無関係に、いかにもフィルム・ノワール風に、麻薬を扱うコロンビア人、ロシア人、それらを追う警察の闘い、騙しあい・裏切りが始まっていく。
このあたりの進行、手際はいい。
 
あるところからこの二つが偶然結びついてしまい、追われる娘を助けようと、いずれも前身はわけありのおじさん二人が娘(?)のためと手を組み闘う。
 
このあとは現代的な仕掛けと初期の007さながらの笑える武器、戦術、どうせ結末はハッピー・エンドだろうと思いながら、楽しんで時間つぶしが出来る。
 
この年でベルモンド65歳、ドロン63歳、ドロンは引退を宣言し、スクリーンではこれが最後となった。
二人ともさすがなのは、一応アクションをこなしながらも年をとったとお互いいいあい、笑われることを楽しんでいること。ベルモンドはもともと父親が旧パリ・オペラ座周囲の作品を残しているくらいの有名彫刻家でありどことなく余裕を感じさせていたが、ドロンもいろいろあったあげくこういう風に落ち着いた。何かほっとする。
 
ヴァネッサ・パラディ、正式には結婚してないようだが、ジョニー・デップのパートナーで子供もいる。この当時は本当に若い。
米国だとこのクラスの役で出るまでに歯を矯正しているのだろうが、フランスだと考え方がちがうのかもしれない。
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