ビル・カニンガム&ニューヨーク (Bill Cunningham New York、2010米仏、84分)
監督:リチャード・プレス
ニューヨークのストリートや人の集まるところを自転車で駆けめぐり、自分の好奇心とセンスで写真を撮り続け、ニューヨーク・タイムズに掲載し続けているビル・カニンガム(1929- )の日常といってもほとんどはその仕事を追い続けたドキュメンタリー映画である。
この歳(撮影当時80)でなんという身の軽さ、耳だけ少し遠いようだが、ニューヨークのセレブからファッション業界、そして街を歩くおしゃれな人たちとのコミュニケーション能力とその間にぱっぱと撮っていく技術は抜群である。その連続と、自転車で駆け抜けていくニューヨークの街の風景が魅力的で、見事。
どっちかというと、自分の思った通り普通よりは奇抜で変わったもの、オリジナリティーがあるものが彼の好みのようで、それに関するおしゃべりは、見る側に強く訴えるものがある。
カメラはニコン、フィルムはもうこの時期であればフジしかない。
この映画が日本に紹介されたとき、かなり話題になったと記憶しているが、一見の価値がある。好きなことを最優先した潔い人生。