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メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ジェイソン・ボーン

2018-08-13 21:10:12 | 映画
ジェイソン・ボーン(JASON BOURNE 2016米、123分)
監督:ポール・グリーングラス
マット・デイモン(ジェイソン・ボーン)、トミー・リー・ジョーンズ(デューイ)、アリシア・ヴィカンダー(リー)、ヴァンサン・カッセル(アセット)、ジュリア・スタイルズ(ニッキ―)
 
「ボーン・アイデンティティー」(2002)から始まったシリーズの5作目。第1作と第2作は見たと思う。マット・デイモン演ずるジェイソン・ボーンが出てくるのはこのうち四つだそうだ。
アイデンティティーという題名にあるように、CIAの動きの中で、自分は何者と問いつづけながら、謀略と戦闘の中で翻弄されていく、というストーリーは今回も同様。
 
以前一緒だった女性エージェントのニッキーがハッカー組織と手を組んでCIAの機密情報を盗み出し、ジェイソンに接触する。ジェイソンは殺された父親の情報を探ろうという意図もあってそれに入っていくが、それをつかんだデューイ長官は志願してきた女性エージェントのリーに彼らの抹殺を命じ、また狙撃者アセットを中心にチェイスが始まる。
 
実はCIAも一枚岩ではなく、長官は大きなSNSグループの創立者カルーアと強引な取引で登録者情報を自由に使おうとしていて、それにカルーアが対抗する動きとジェイソンの追跡が重なっていく。このあたりは現実のフェイス・ブックやスノーデンの事件を背景にしているのだろう。
 
ただ、映画としての展開は、今日のIT技術とネット社会を反映(それも極端に)して、すべてがコンソール上で探知され、追跡者たちに指示され、またその中の相互連絡あるいはその出し抜きもスマホベースの技術が駆使されている。
 
したがって、きわめて長く派手なカー・チェイスも、格闘も、一昔前ほど、観ていてインパクトが感じられない。これで本質的に何かが決するのではないのでは、と常に思ってしまうからだろうか。
それでも2時間見ていてなぜかそう退屈はしなかった。
 
トミー・リー・ジョーンズ、長官の貫禄はさすがだが、一つ一つの動きはやはり年齢には抗えないか。アセット役のヴァンサン・カッセルはさすが恐ろしさを出していた。
 
リー役のアリシア・ヴィカンダー、はじめて見る人だが近年随分実績があって評価も高いらしい。クール・ビューティの風貌は役にぴたりである一方、スクリーンの中ではちょっと華奢な感じもある。
 
さてマット・デイモン、よくもここまで抑えた演技で我慢したなという感はある。シナリオがそうなのだが。
 
再度いうと、スパイ・サスペンス・アクションもの、今後みなこんな風になってしまうんだろうか?


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