W杯2006ドイツの決勝はイタリアがフランスに勝った。
前半7分マルーダをマテラッティが倒したと判定されたPKをジダンが決める。これが早い時間帯であったのが幸いしたのかイタリアはあわてず19分右CK、ピルロのキックからそのマテラッティがヘッドであわせゴール。
同点になってからは前半イタリア、後半フランスが攻勢となったものの、決勝によくあるような守りあいになってしまい、延長となった。延長半ばにセンタリングをジダンが見事にヘッドであわせたが、今大会こういうのをことごとくとめているブッフォンの壁を破ることは出来なかった。
そしてジダンの一発レッドカード退場、PK戦となったが2人目のトレゼゲが上のバーにあててしまい、5-3でイタリアの勝利となった。
準決勝ほど面白い内容ではなかったし、PK戦の結果である。しかし、全体的に見てやはりイタリアは最も優勝に値するチームだろう。
まず本質とは関係ないが23人全員が国内リーグ所属、そして交代GK要員以外全員が出場、そのほぼ半数が得点している。そしてモチベーション、それがリーグ不祥事の危機に起因する、言い方を変えればこのあとしばらくいいことはないという状況、これが効きチームが気持ちよくまとまっていた。
そして、世界一のDFカンナバーロ、世界一のGKブッフォン、この二人は、なんというプレーだったのだろう。
カンナバーロの場合、これまでよくあった何かの時には攻めあがるリベロというタイプでなくてストッパーである。しかし見ているうち、相手がペナルティエリア近くに入ってくると何時どうやってカンナバーロが止めるかクリアーするか見るのが楽しみになってきた。
自分が受け持つときばかりでなく、もう一人が受け持っているときでも抜かれそうになりそのあと危なくなりそうな一瞬、自分のマークする相手を捨ててサポートに入る、これが早すぎても遅すぎてもピンチになる、そして決断したときの迷わない勢い、惚れ惚れする。
それにしてもマテラッティが何を言ったのかはわからにが、何故ジダンは退場となる頭突きをしてしまったのだろうか。
もちろんことの是非はジャーナリズムで一般に言われているとおりであり、現役最後の試合をこのような形でおわってしまったのは、試合の結果とのかかわりは別として残念である。
記録によればジダンにはこういう反則、退場は多いようである。
ジダンのあのようなプレーの裏には何か激しいそして暗いものがあるのだろうか。それが何かはわからないが何かがあることは理解出来る。そして現役最後の試合だという意識がそのとき消えているということも。 だからジダンはジダンなのだろうか。
ジダンが頭突きをしたとき主審は見ていなかった。それを騒ぎ立てたのもブッフォンなら、退場のとき慰めていたのもブッフォンであった。なにかいい子ぶりっ子みたいな感じもしたのだが、しかし考え方がかわったのはPK戦で相手トレゼゲが上のバーに当てた時、喜ばず複雑な顔をしていた時であった。普通ガッツポーズなどするところである。トレゼゲが現在ユベントスでチームメイトということはあるかもしれないが、枠の中に来たのを自分がクリアーしたのでないということであれば相手を慮るということなのだろう。
この大会で私が選んだMVPはカンナバーロ。
最後に、イタリアのカモラネージは変なちょんまげスタイルであったが、優勝騒ぎの渦の中で何をされているのかと思ったら髷を切られていた。約束だったのか。