今年一番よく聴いたJ-POPアルバムは、YUKIのWAVE、全12曲最初から最後までまぎれが無い、プロの仕事である。
といっても、ファンでないとわからないというものでなく、ポップ性も充分である。
最初の「長い夢」から「ふがいないや」あたりまではちょっと突き放すところもある歌詞(自作)だが、曲はテンポもよく、暗く沈むところなどない。
そして中盤からはさまざまな作曲者も加わってきて、いろいろな面を見せ、最後の2曲「夏のヒーロー」、「歓びの種」(映画版「タッチ」の主題歌)でなごませて終わるという構成もいい。
惜しいのは、最初の何曲かのバック・サウンドが厚すぎて歌詞が浮かび上がりにくいことだろうか。
YUKIの発声、歌いまわしは独特で、またこれらの点ではどの曲も同じようにアプローチしているように見える。これは自分から自然に曲に入っていくことを大事にしたいというのだろうが、そうしても結果としてマンネリにならないのには感心する。
歌手を志す若い女性が目標とするのは、ドリカムの吉田美和とYUKIらしい。実際にそう聴いたこともある。
YUKIについてはJUDY AND MARY時代 TVの歌番組でたまに見とことがある程度。しかしそのときも、表面的にはちょっと変なところがあるものの、歌唱に他の人にない音楽性を感じていた。
アレンジ、バンド演奏、録音全体のレベルも非常に高い。