「マイレージ、マイライフ」 (Up in the Air、2009米、109分)
監督:ジェイソン・ライトマン、原作:ウォルター・カーン、脚本:ジェイソン・ライトマン、シェルドン・ターナー
ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック
本当にこういう職業があるのかと思うけれど、企業に頼まれて解雇を言い渡すという、てこずるしやりたくない仕事をする会社とそのプロ達がいる。その達人ライアン(ジョージ・クルーニー)が主人公で、そこに大学を出てPCとネットでTV会話によりその仕事をしようと提案してきた新人女性ナタリーが現れる。ライアンとしては、生身の人間を相手にするのにそれではと、争いになり、やってみてどっちがいいか、、、という話が展開していく。
人をくびにする職業と、それを出かけていかないでやるついう形、の対立となると、ドライに仕事をやってきたライアンが生身の人間とのつきあいに目覚めて、という結末かな、と見えてくるのだが、半分そうなり、半分はそうでもない。
そこがうまくいけばいいのだが、中途半端になってしまったところがこの映画の失敗だろう。
妹の結婚相手に対する説得など、もっとてこずって長い時間をかけるかと予想するが簡単に終わるし、ナタリー(アナ・ケンドリック)とのやり取りも山場にかける。
そしてこの映画のもうひとつの軸はライアンの出張達人ぶりであって、空港、機内、クレジットカード、マイレージの使い方など、きわめて快調なテンポと画面のカットで、それは退屈しない。(だからこの邦題は久しぶりの傑作、原題よりいい。)
そして、同じように飛び回っている女性アレックス(ヴェラ・ミファーガ)とのアヴァンチュールの描き方もしゃれている。しかし彼女との結末は物足りない。
冒頭、あれっとおどろく編曲のThis Land is my Land にあわせて続く空中から見たアメリカの見事な景色、同じような形は何遍もでてきて、目と耳を楽しませる。
暇つぶしに見るのなrらまあまあ、といったところ。
アメリカン航空、ヒルトン・ホテル、Hertzレンタカーとのタイアップが目につく。ライアンは今までに数人しかいなかったという1000万マイルを達成して祝福されるが、これは実際どうなんだろう。
クルーニー ってあまり見ない名前と思っていたが、叔母はなんとローズマリー・クルーニー(子供のころから「カモナ・マイハウス」、「マンボ・イタリアーノ」などで知っている歌手)だそうだ。