めまい (Vertigo、1958米、128分)
監督:;アルフレッド・ヒッチコック、音楽:バーナード・ハーマン
ジェームズ・スチュワート(ジョン)、キム・ノヴァク(マデリン/ジュディ)、バーバラ・ベル・ゲデス(ミッジ)、トム・ヘルモア(エルスター)
サンフランシスコで、高所恐怖症から警察を退職したジョンのもとに、旧友のエルスターが訪ねてきて不審な行動をする妻マデリンの尾行を依頼する。
どうもいわくつきの先祖、それにかかわる絵を美術館に見に行ったりといううちに、彼女は金門橋のもとで身投げをしてしまい、ジョンに助けられる。そこで二人は知り合いしだいに愛し合うようになるが、そのあと古い教会の鐘楼塔に行ったとき、身投げをしてしまう。ジョンは高所恐怖症から何もできなかった。
ところがその後、マデリンそっくりのジュディが現れ、謎に包まれる中、ジョンは次第に真相に近づいていく。
ヒッチコック作品のなかでも傑作という評価があるけれど、どうもヒッチコックは苦手というか、そうかなという感じである。ミステリではあるが、あまりサスペンスはない。
それでも車を運転しながらの移動シーンは多くて、サンフランシスコだからということもあるが、カメラワーク、カラーは素晴らしく楽しめる。
鐘楼のシーンで、これはかなり前に見たことがあるということに気がついた。それはともかく、今回見る気になったのはキム・ノヴァクである。年齢設定は26で、実際の彼女もそのくらいなのだが、ジェームズ・スチュアートの相手としてもまあなんとか、というくらい大人びていて、また表情が豊かでないというか崩しすぎなところが、映画の中ではいい。可憐ではなく悪女でもない、取り澄ました上流階級でもない、不思議な人で、私は好きである。
以前見た「夜の豹」(1957)で、フランク・シナトラとリタ・ヘイワースが開こうとするクラブのオーディションにくるあか抜けない娘を演じていて、これも役柄とちょっとずれたところがなかなかよかった。
ジョンが時々立ち寄るアート系事務所をやっているミッジという学友とのシーン、これもデジャヴュの感があった。ゲデスの演技もなかなか素敵で和んだが、終盤出てこなくなってしまったのは残念。唯一人間味のあるやりとりだったのだが、人間味にほとんど関心ないところが、この監督と相性が悪い理由かもしれない。
監督:;アルフレッド・ヒッチコック、音楽:バーナード・ハーマン
ジェームズ・スチュワート(ジョン)、キム・ノヴァク(マデリン/ジュディ)、バーバラ・ベル・ゲデス(ミッジ)、トム・ヘルモア(エルスター)
サンフランシスコで、高所恐怖症から警察を退職したジョンのもとに、旧友のエルスターが訪ねてきて不審な行動をする妻マデリンの尾行を依頼する。
どうもいわくつきの先祖、それにかかわる絵を美術館に見に行ったりといううちに、彼女は金門橋のもとで身投げをしてしまい、ジョンに助けられる。そこで二人は知り合いしだいに愛し合うようになるが、そのあと古い教会の鐘楼塔に行ったとき、身投げをしてしまう。ジョンは高所恐怖症から何もできなかった。
ところがその後、マデリンそっくりのジュディが現れ、謎に包まれる中、ジョンは次第に真相に近づいていく。
ヒッチコック作品のなかでも傑作という評価があるけれど、どうもヒッチコックは苦手というか、そうかなという感じである。ミステリではあるが、あまりサスペンスはない。
それでも車を運転しながらの移動シーンは多くて、サンフランシスコだからということもあるが、カメラワーク、カラーは素晴らしく楽しめる。
鐘楼のシーンで、これはかなり前に見たことがあるということに気がついた。それはともかく、今回見る気になったのはキム・ノヴァクである。年齢設定は26で、実際の彼女もそのくらいなのだが、ジェームズ・スチュアートの相手としてもまあなんとか、というくらい大人びていて、また表情が豊かでないというか崩しすぎなところが、映画の中ではいい。可憐ではなく悪女でもない、取り澄ました上流階級でもない、不思議な人で、私は好きである。
以前見た「夜の豹」(1957)で、フランク・シナトラとリタ・ヘイワースが開こうとするクラブのオーディションにくるあか抜けない娘を演じていて、これも役柄とちょっとずれたところがなかなかよかった。
ジョンが時々立ち寄るアート系事務所をやっているミッジという学友とのシーン、これもデジャヴュの感があった。ゲデスの演技もなかなか素敵で和んだが、終盤出てこなくなってしまったのは残念。唯一人間味のあるやりとりだったのだが、人間味にほとんど関心ないところが、この監督と相性が悪い理由かもしれない。