リーム:「光の戯れ」、「ヴァイオリンとコントラバスのためのダイアド」
ペンデレツキ:「ヴァイオリンとコントラバスのための協奏的二重奏」
カリアー:「ヴァイオリンとオーケストラのためのタイムマシン」
ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター、コントラバス:ロマン・パトコロ
ニューヨークフィル:指揮 マイケル・フランシス、アラン・ギルバート
最新ともいえる現代曲の録音で、繰り返し聴いて飽きない。これほどのものはちょっとなかった。
ムターはこれまでも新曲の委嘱をよくやっているが、これだけ成果が出てくると大したものである。
「光の戯れ」はその美しさに浸っていられるし、「タイムマシン」はヴァイオリン協奏曲としてもなかなかのものである。
そして、コントラバスとの2曲は、よくぞこの組み合わせを考えたものだと感心する迫力ある美しさである。とりわけ5分あまりで短いペンデレツキの曲は、さすがというほかない。
クラシックの流れをくむ現代曲で、ヴァイオリンの曲はその楽器の特徴からか、他とはちょっとちがうようだ。ピアノだと旧来の調性から離れてしまうと、音の流れがより離散的になってしまうが、ヴァイオリンの場合は連続性が出やすく、演奏によってはメローな味も出せる。
こうなると、これからもいくつか曲が出てくることが予想される。