(ブリヂストン美術館60周年 オルセー美術館、オランジェリー美術館共同企画)
ブリヂストン美術館 2012年7月14日(土)-10月14日(日)
印象派作品が豊富なブリヂストン美術館とオルセー、オランジェリーの作品をベースに、今年が生誕150年のドビュッシーゆかりの作品を展示したもので、このテーマでこれだけ集めるということはなかなかないだろう。
いろんな機会に見るドビュッシーの肖像画や、彼の作品のレコードジャケットによく使われる絵は、なるほどというものである。そのなかでモーリス・ドニの作品がかなりあって、これまで知らなかったこともあり新鮮だった。
昨年秋に見たドニの展覧会は家族と子供を描いた作品が主であった。そこに行くと今回の方がより画家としての力量を示したものと言えるだろう。
その他、オルセー、オランジェリーから来たものは、こういう機会でないとなかなか持ってこなかったかもしれない、つまりわざわざ出してくるにはちょっと地味なものが多いが、落ち着いてみるといい絵がいくつかあった。
ただし、こうして繰り広げられるドビュッシーをとりまく美術を知ることが、彼の作品の理解にプラスするか、というと必ずしもそうではないと思う。最近はともかく一時はずいぶん聴いたが、作曲家はこういうもので何らかのきっかけはつかんでいても、やはり音楽は音楽であってこういう予備知識とはちがう気がしている。おおざっぱにいえば、これらよりはもっと力を表に出したものである。