メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

エレーヌ・グリモーのモーツァルト・ピアノ協奏曲19番23番

2011-11-21 15:44:33 | 音楽一般
モーツァルト:
ピアノ協奏曲 第19番へ長調
レチタティーヴォ《どうしてあなたが忘れられましょう》とアリア《心配しないで、愛する人よ》(イダマンテ)
ピアノ協奏曲 第23番イ長調
ピアノ・指揮 エレーヌ・グリモー
バイエルン放送交響楽団室内管弦楽団
モイツァ・エルトマン(ソプラノ)
2011年7月22日 23日録音(ミュンヘン)
 
予想以上にいい演奏、録音。写真などで見るとオーケストラも10数人で多くなく、それをグリモーが弾き振りというよりは、円の中心でピアノを弾きながらアンサンブルをつくっていくという感じである。
モーツァルトの協奏曲はこういう方がいいだろう。ピアノもオーケストラと張り合うよりは、中心となって音楽をつくっていくという形になっている。
ダニエル・ボイムによる全集、特に初期のイギリス室内管弦楽団とのものがそういう意味では気にいっていたが、それよりもう少し控えめでしなやかである。
 
そして、録音もよくブレンドされている一方でピアノの細かいところは明瞭にきこえる。外見は普通のスタインウェイだが、調律、録音のチューニングもいいのだろう。
ソプラノが入った曲、オペラ「イダマンテ」からとのことだが、元はどういう楽譜なのだろうか。おそらくハープシコードかチェレスタは入っているのだろうが、ここではピアノのパートが多く、後から編曲が入ったのかどうか。 
 
グリモーのピアノはとてもリラックスしていて、ロマン派中心の協奏曲を若いころたくさんやってきた彼女がこのところ古典派と現代曲に移ってきて、それがいい結果となっているようだ。
なんだかわれながら、惚れた弱みが出ているコメントである。
 
演奏のみのCDと、写真ブックレット・一部映像DVD付特典版の2種類あって、輸入盤だと500円プラスの後者でも高くはないので、つい後者を買ってしまった。彼女は性格からすると外見で売るのは嫌いに見えるのだが、きれいな写真を出すのをいやがらない、めずらしいタイプ。
そうでもないと、なかなかいろいろ聴いた曲をまた聴くという気にはならないから、それもよい。

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