「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」 (The Girl Who Kicked The Hornet's Nest 、2009年スウェーデン・デンマーク・ドイツ、148分)
監督:ダニエル・アルフレッドソン、原作:スティーグ・ラーソン
ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス、アニカ・ハリン、レナ・エンドレ、アンデシュ・アルボム・ローゼンタール、アクセル・モリッセ、ミカエル・シウプレイツ
ミレニアム3 の映画も完結編である。結論からいくとこれは映画としてよくできている。2時間半ほどかけても原作の豊富な内容を欲張って入れようとしたら、混乱したものになっただろう。
公安警察一部の陰謀もなんとなく印象でわかるようにうまく編集されており、また原作では主人公のジャーナリストと天才ハッカーでもある女性それぞれが持っている人間関係、特に男女関係に多くがさかれており、それは充実した読み物だけれど、そういうところを大幅にカットしたかわりに、裁判を中心に据え、それが最後まで飽きずに見せるものとなっている。
だから、主人公の相棒の女性編集者よりは、今回は主人公の妹の弁護士、それもこの刑事事件よりは女性人権問題が専門の弁護士が、最後は自分の得意なところの視点から解決にもっていく。演じる女優もチャーミング。
最後は(ネタバレはずべきでないとおもうので具体的には書けないが)、原作と同様、あるいは映像ゆえに出てくるちょっとした表情から少し解釈として踏み込んだ、いいものになっている。