王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

フリーマントル「トリプルクロス」を読む

2007-08-22 06:02:27 | 本を読む
夏休みの時間つぶしに新潮社の文庫本ブライアン・フリーマントルの「トリプルクロス」上下巻を図書館から借りました。
7月には週刊朝日に書評が出ていたので書名を知って頼んでいた物です。
8月13日からの週はご存知日本中が異常高温、室内にいても犯罪小説を読む気になれません。幸い18日の土曜日は曇りがちで比較的涼しかったので読み始めました。

大筋はモスクワのマフィアの大物イーゴリ・オルロフがイタリアと米国のマフィアの大物と国際的犯罪シンジケートを組もうと思い立つ。それに絡みニューヨーク、ベルリン、ローマで大量の殺人事件が起きる。
新興ロシアの民警組織犯罪局長のダニーロフがモスクワでの殺人事件を追う中でニューヨークの殺人事件を捜査するFBI本部ロシア課課長のカウリーと結びつく。
二人は既に前作で「肝胆相照らす仲である」

電話の盗聴、尾行と追跡 時には慎重に時には盗聴を計算に入れ偽情報を流し騙し騙される展開。オルロフによる犯人隠蔽の為のベルリンにおける計画的爆殺による30数名の大量殺人。

ロシア、米国そしてドイツの司法当局者の努力で一つ一つの断片が一枚の絵になってゆきやがてオルロフに伸びてゆく。

さて表題のトリプル・クロスとはどんな意味であろうか? この小説ではどの構成をそう呼ぶのであろうか? 爺には今ひとつピンと来なかった。

英和辞典を引いたらダブルクロス(double cross)とは「二重の裏切り」との意味である。トリプルクロス(triple cross)は三重の裏切りであろう。

今AがBを騙し、BもAの事を騙せばダブルクロスの例であろう。AがBとCをそれぞれだましてもダブルクロスであろうか?
ではトリプルクロスとは?
AがBとCを騙し、BとCもAを騙す? 或いはAはBを騙しそれが見破られ、更にもう一度Bを騙しに掛ける。つまり同じ対象に重層的に働きかけるのもトリプルクロスにならないであろか?

マフィア三者の騙しあいがトリプルなのか?、、はたまたマフィアの二番手が折りあらばボスに替わってとの思いがそうなのか? それにしてはイタリアはやられっ放しだからトリプルとは言いがたい。
爺にはダニーロフのオルロフに対する憎しみとその結果が重層的トリプルクロスに思えたが、訳者あとがきにもはっきりした説明は無い。
読者が余韻を楽しめば良いのかも知れない
最近の文庫本は活字が大きくて読むのがらくになりました。秋の夜長にどうぞ


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