16日内閣府は2020年7~9月期の国内総生産の速報値を発表しました。
物価の変動を除いた実質で前期比5.0%増で、年率換算で21.4%だそうです。
解説にもある通り、経済活動の5月からの再開が押し上げの要因です。7~」9月に入っても旅行業、飲食店、宿泊施設等の倒産は止まりませんし、輸入は徐々に増えても輸出は増えていないため貿易収支はふえていますが、民間の設備投資は増えていないなどGDPの規模は依然として感染拡大前を下回っていると分析しています。4~6月期の落ち込みの反動とみることも出来ます。新型ウイルスによる感染の第3波が起きている現実を踏まえ、しっかり感染抑制の成果を示して欲しいものです。
写真:4半期ごとのGDPの伸び率
毎日新聞:
内閣府が16日発表した2020年7〜9月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、物価の変動を除いた実質で前期比5・0%増、この状態が1年続いた場合の年率換算は21・4%増だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が5月に全面解除され、経済活動の再開が進んだことが押し上げ要因となった。ただ、コロナ禍の落ち込みの半分程度を回復したにすぎず、GDPの規模は依然として感染拡大前を下回っている。
プラス成長は4四半期ぶり。直接比較が可能な1980年以降では最大の成長率となったが、戦後最悪のマイナス成長(年率28・8%減)となった4〜6月期からの反動という側面が大きい。個人消費と輸出が伸びる一方、経済の先行き不透明感から設備投資は勢いを欠いた状態が続いている。
西村康稔経済再生担当相は記者会見で「景気が4、5月を底として持ち直していることを確認する結果だが、経済はコロナ前の水準を下回った状態にある」と指摘。欧米だけでなく、日本国内でも感染者数が増加傾向にあることを踏まえ、「下振れリスクに十分な注意が必要」とし、景気を下支えする追加経済対策の策定を急ぐ考えを示した。
GDPの内訳を見ると、個人消費は前期比4・7%増と4四半期ぶりにプラスに転じた。国民1人当たり10万円を支給した特別定額給付金などの効果もあり、家電や自動車などの販売が好調だった。政府の需要喚起策「GoToキャンペーン」で、抑制されていた外食や旅行にも持ち直しの動きが広がった。公共投資も19年度補正予算や20年度当初予算の執行が進んだこともあって0・4%増となり、2四半期連続でプラスを維持した。
一方、設備投資は3・4%減で、2四半期連続の減少。デジタル化に伴うソフトウエア投資などは堅調だったが、コロナの収束が見えない中、収益悪化や経済の先行き不安から企業の慎重姿勢は強く、投資計画を先送りする動きが続いている。輸出は7・0%増で、3四半期ぶりにプラスに転じた。世界経済が徐々に回復し、自動車を中心とした輸出が好調だった。輸入はマスクなどの特需が一服し、9・8%減だった。
物価変動を反映し、生活実感に近いとされる名目GDP成長率は5・2%増、年率22・7%増となり、4四半期ぶりに増加した。
日本経済は10〜12月期もプラス成長が見込まれるものの、市場予想では前期比の伸びは年率で1桁台に鈍化する見通し。【村尾哲、和田憲二】
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