物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ハクサンオミナエシ ~2019~①

2019-08-14 19:46:57 | スイカズラ科

  長野の山で見てきた花です。

              ハクサンオミナエシ(白山女郎花)

                  <学名:Patrinia triloba (Miq.) Miq. var. triloba>

                  スイカズラ科 オミナエシ属 多年草

 

 

     北陸地方から東北地方に分布し、山地や亜高山、高山の岩場や 砂礫地に自生する。

 

                                               撮影日 2019.07.21: 長野県

 

     高さ20~60cm。葉は対生し、茎の下方の葉には長い柄がつく。

     葉は広卵形で、長さ3~10㎝幅は3~10cm、掌状に3~5中裂し、 裂片は歯牙または欠刻があり先が尖る

     花期は7~8月、オミナエシに似た、花冠は径5mmの黄色の 小花を茎頂の集散花序につける。

 

     花冠の先は5裂し、基部にはスミレのように長さ2~3 mmの 距がある。距は短く。やや膨らむ程度。

 


     名前は白山で発見されたオミナエシの仲間の植物ということで 付いたのでしょう。

     同じオミナエシ科の仲間であるキンレイカを小さくした様な 感じなので、コキンレイカ(小金鈴花)という別名もある。


タニウツギ  ~2019~

2019-06-30 07:00:00 | スイカズラ科

タニウツギ(谷空木)

<学名:Weigela hortensis (Siebold et Zucc.) K.Koch>

スイカズラ科 タニウツギ属 落葉小高木

 

長野県の北部へスミレ観察に行ったときに沢山咲いていました。

 最近の分類体系APGⅢではスイカズラ科からタニウツギ科として 分けられ変更されました。

撮影日 2019.06.16: 長野県

北海道の西部~本州の東北地方、北陸地方、山陰地方に分布し、 日本海型気候の山地の谷沿いや斜面に多く見られる落葉小高木。

 下部からよく分枝して株立ちになり、樹高2~5m、樹皮は 灰褐色で縦に裂け、はがれ落ちる。

 

新しい枝は茶褐色ときに紫褐色で、ほぼ無毛。 葉は対生、長さ4~10cm、 幅2~6cmの卵状楕円形。先端は鋭く とがり、

基部は円形~広いくさび形。縁には細かい鋸歯がある。 裏面は全面に白い毛がある。(とくに脈の両側に密生し、 脈上には少ない。)

葉柄は長さ3~10mm、有毛で赤みを帯びる。

花期は5~6月。今年枝の先端か葉腋の散房花序に多数の 花ををつける。花冠は桃紅色または紅色の漏斗状で、 長さ2.5~3.5cm、径2cm、

先端は放射相称に5裂する。

 

花冠の内側より外側が色が濃く、開花しているものより 蕾のほうが濃い。雄蕊は5本あり、花柱はそれより長い。

 

蒴果は長さ1.2~1.8cm、径2.5-3mmの細い筒状、種子は 長さ1mmの楕円形。

 

花色が美しいため、鑑賞目的で庭園などに植栽されることも 多い。梅雨の時期、山道の新緑の中でひときわ映えて咲く

ピンクの花は良く目立つ。「田植え花」などの目安にされる 異名がある。

 


若芽を食料にしたり、材木を葬儀の際に骨を拾う箸に 利用したことや、花が燃えるように美しく、花の時季には 辺り一面が

山火事になったように見えることから カジバナ(火事花)、

シビトバナ(死人花)、ソウシキバナ (葬式花)などの異名もあり、忌み嫌う地方もある。


ニシキウツギ  ~2019~

2019-06-12 06:00:00 | スイカズラ科

ニシキウツギ(二色空木)

<学名:Weigela decora (Nakai) Nakai>

スイカズラ科 タニウツギ属 落葉低木

 

 

今年もニシキウツギが綺麗に咲いていました。

 

撮影日 2019.06.09: 群馬県

宮城県以西の本州の太平洋側、四国、九州の1,300~2,000mの 比較的高い所に生え、

ヤブウツギ、ツクシヤブウツギなど近縁種と 高度によるすみ分けをする日本固有種。

 日本海側には無く、日本海側分布のタニウツギとは逆の分布になる。

下部からよく分岐し、樹高は2~5m。樹形は、茎の先端が下向きに 垂れ下がるため、

逆U字型になり、垂れ下がる枝に葉や花が付く。

 葉は対生、表面は緑色、裏面は灰緑色で、

両面に細毛があり、 裏面主脈の中央部には斜上する毛が密生する。 葉身は 長さ 7~14cm、

幅 4~7cmの楕円形~広楕円形。 先端は急に細くなって尾状に尖り、基部は広い楔形か円形。

葉縁には細かいきょは鋸歯がある。

 花期は5~6月。 6 花冠は漏斗状で

長さ2.5~3.5センチメートル 毛を散生する。 8 柱頭(雌しべの先)が花冠から突き出ています。

 

子房は、ほとんど無毛。果実は円柱形、2片に割れる。

 

 

 

ニシキウツギは錦空木ではなく「二色空木」⇒白と赤の二色、

白から薄桃、赤紫と変化する事から付いた名前です。


オミナエシ~季節外れの花便り その⑦~

2017-12-06 06:00:00 | スイカズラ科

オミナエシ(女郎花)
<学名:Patrinia scabiosifolia Fisch. ex Trevir.>
スイカズラ科 オミナエシ属 多年草

 
撮影日 2017.8.19: 群馬県

秋の七草の一つ。
沖縄をのぞく日本全土に分布。山野の日当たりの良い
草地に生える人里の植物。
根茎は横に這い、株のそばに新苗をつくってふえる。
草丈は60~100 cm程度で夏までは根出葉だけを伸ばし、
その後花茎を立てる。
葉は羽状に裂け対生し、やや固くてしわがある。
花期は8〜10月、茎の上部はよく分枝し、黄色の花を
散房状に多数つける


花は直径4mmくらいで、黄色。
花冠は5裂し、筒部は短い。
 

筒部の下の子房には小苞が接している。雄しべは4個。
花柱は1個。
 

果実は長さ3〜4mmの長楕円形で、オトコエシのような大きな翼はない。


同属のオトコエシに比べて弱々しいく女性的
ということで名前の「オミナ」は「美しい女性」の
意味だそうす。

万葉の昔から愛好され、前栽、切花などに用いられてきた。
漢方にも用いられる。
全国の草地や林縁に普通な植物であったが、
現在では放棄された場所が多く、そのために自生地は
非常に減少している植物の1つである。

 
撮影日 2016.8.20: 群馬県