いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

名古屋市の政策について

2007年09月27日 | たまには意見表明

 名古屋市が18歳未満の子供あるいは妊婦のいる家庭に配布を始めた優待カード、「ぴよか」です。名古屋市が協賛業者を募り、このカードを見せると業者の好意で優待が受けられる、という仕組みらしいですが、まだ協賛業者のリストが発表されていないので、具体的なサービスはわかりません。

 ただ、まともな業者ならこんなカードがなくても既に子供に最適なサービスを提供しているでしょうし、これを見せたからと言って大きくサービスが違ってくるものでもないでしょう。協賛する企業にとっては、子育て支援という名目よりは、名古屋市の顔を立てるという側面のほうが強いのではないかと思います。少なくとも、このカードがあるから名古屋市の出産率が上がるとか、転入してくる家庭が増えるとかいう効果は望めないでしょう。お金もたいして掛からないでしょうが効果も薄い政策と思われます。

 もうひとつ、名古屋市の政策で引っ掛かるのが「広小路ルネサンス」計画です。名古屋都心部の東西を結ぶ幹線である広小路の車線を半減し、歩行者中心の構造として「歩く楽しさ」や「地上のにぎわい」を演出しようというものらしいです。

 名古屋市で最も交通量の多い道路の車線を減らしてしまえ、と言うと暴論のように聞こえますが、計画区間である伏見から栄の800mの区域は、元々違法駐車や客待ちのタクシー、荷降ろしのトラックなどで走行車線は慢性的に塞がれており、これを除去できるのなら車線が減少しても実態は変わらないと見られます。

 違法駐車は論外として、タクシーには乗り場を整備すればいいのでしょうが、荷物の積み降ろしにはどう対応するのでしょう。敷地内で積み降ろしのできる大型店舗ばかりではありませんから、どうしても道路や歩道を一時借用、ということになってしまいます。片側1車線しかない道路を塞げば、かつての歩行者天国よろしく交通が麻痺しますし、歩道への乗り入れを黙認するなら、現状の違法駐車車両も歩道に移動するだけのように思います。

 こんな既存の幹線道路を塞ぐようなプランではなく、不相応に広い若宮大通り(100m道路)の分離帯を安く貸し出して、博多のように屋台を出させるなど、お金の掛からない方法を考えたらどうでしょう。若宮大通りの中央部分は名古屋高速のガード下で雨の影響が少ない、まさに「地上のにぎわい」の背景として好適な場所ですが、現状では無計画に小公園や駐車場、ゲートボール場などに使われており、かなりの部分が貴重な都心の空き地としては不相応な低利用ぶりに泣いています。

 せっかくの小公園も、屋根があることと水の便、トイレの完備を好都合と見たホームレスの住居に占拠されており、とても子供を遊ばせられる雰囲気ではありません。時折、強制的に排除したりしているようですが、元々あまり使っていない区域なので説得力がありません。ホームレスが被害意識を抱くのも無理からぬことです。

 ここに仮設建築による店舗を認めて屋台街を造れないものかと思います。駐車場は広小路よりずっと簡単に確保できますし、低予算で出店ができるなら、例えば名古屋に在住の外国人による中華街やタイ人街、ブラジル人街などができるかも知れません。ビジネスビルの1階にチェーン店のカフェとコンビニができるだけ(と私は予想している)の広小路ルネサンスよりずっと面白いと考えますが、どうでしょうか。

 都市の活気は、つまり人の活気です。出店コストの高い広小路の高層ビルのテナントでは、冒険ができません。勢い、全国で実績のあるスターバックスとかセブンイレブン、マクドナルドなどが一等地を占めてしまうでしょう。そんなどこにでもあるような商店街が全くダメとも言いませんが、何も新しいものが生まれないのでは、巨額の費用と渋滞による不便を代償できません。起業の敷居を低くして産業を活性化するのも行政の役割なのですから、ここは広小路ではなく若宮大通りの再生のため、名古屋市に思い切った手を打って欲しいと思います。
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