チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

春の陽気に誘われて、運慶の仏像を拝観

2018-03-05 13:26:51 | 湘南・鎌倉・三浦ぶらり
3月5日(月)

 2月の下旬になって、ようやく春らしい陽気が続くようになり、月が変わって春一番も吹きました。
 三寒四温の時期ですから、束の間の暖かさなのかもしれませんが、待ちに待った春、散歩に出るのも軽い気分です。

 金沢文庫駅から10分ちょっと歩いて、

 称名寺の
  仁王門です
  

 門の先に、
  水温む大きな池が広がり
  

 朱塗りの二つの橋を渡ると
  本堂です
  

 鎌倉をちょっと歩くのと同様、ここは我が家からの気軽な散歩コースですが、今回は別の目的がありました。
 この地の地名にもなっている我が国最古の図書館「金沢文庫」で、11日まで運慶の特別展が開催されているのです。「運慶展」といえば、昨年の秋に上野の国立博物館で大々的に開かれていましたが、上野の展覧会はいつも大混雑なので足が向きませんでした。

 さて、その金沢文庫。かつては称名寺の境内にありましたが、今は境内から西へトンネルを抜けた所にあって、

 図書館というより、
  もう立派な博物館です
  

 中に入って、運慶とその一派の仏像や関連品を拝観見学し、外に出ると、

 まだ満開前の、紅白咲分けの梅から
  ほのかな香りが
  


   梅の香に眼もと優しき仏たち   弁人


 ところで、この春にもう一ヶ所、特別に運慶の仏像を拝観できるお寺がありまして、それが葉山の先、横須賀市芦名の名刹「浄楽寺」です。

 今、全国に三十余り確認されている運慶作の仏像のうち、五体が安置されているお寺で、上野の運慶展への出品に合わせて収蔵庫の改修を行ない、その完成を記念して、3月1日から5日間「お戻り開帳」「平成の大開帳」と称して公開となったようです。このご開帳のため、金沢文庫の運慶展には「銘札」と「胎内仏」の出品にとどめたということで、そんな話を聞けば行かないわけにはいきません。

 金沢文庫を歩いた翌日も春到来を実感できる長閑な陽気。土曜日ということで、海岸の道はかなり混み合っていましたが、逗子駅からバスに揺られ、御用邸、長者ヶ崎を越えて、秋谷の先のバス停で下車。

 バス停の前の参道を進むと
  すぐ目の前が本堂です
  

 本堂の裏に、改修を終えた
  収蔵庫があります
  

 なにしろ運慶作の仏像、いや、そうでなくても、こういう所はもちろん撮影厳禁です。

 ということで、
  絵はがきを買いました
 

 中央に阿弥陀如来。その両脇は向かって右に観音菩薩、左が勢至菩薩。さらにいちばん右に不動明王、左端が毘沙門天。
 毘沙門天像の胎内から発見された銘札に、「五体をセットとして運慶が仏師十人を率いて造立した」と記されているということです。


   運慶の気魄漂ふ春の寺   弁人


 もう一つ、この浄楽寺は、我が国の郵便制度の創設者で日本の近代化に尽力した前島密が、晩年に居を構えた所として知られていて、収蔵庫の先の丘の上に立派なお墓も建っています。

 富士を模したとかいう両裾が広がった
  風変わりなお墓です
  

 墓の上の像は建立した人たちによるもののようですが、墓自体の形は、生前、前島密自身が考えたデザインそのままということで、彼もまた、相模湾に浮かぶ富士を眺めるのを楽しみに晩年を過ごしていたことが窺われます。


コメント
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