ジャズライブ ありがとうございました


日中なんとか保っていたお天気でしたが、とっぷりと暮れた頃からいよいよ降り

始めた昨夜。入り口のドアの前で濡れた傘を畳む方、濡れた上着をハンカチで拭

く方、車から走って駆けつけられた方、お仕事を終え急いで駆けつけてくださった

方・・・悪天候の中ご参加くださいましたみなさま、本当にありがとうございました。

雨降りは残念でしたが、その湿気は楽器の音には良い方に影響するようで、テナー

サックス、そしてベースは特に、店内のたぶんガラスや陶器に共鳴しつつびりびり

鳴り響いていましたね!テナーが繰り出す音の太さも格別でしたし、これぞライブ、

天候や空間の条件によって変化がある生演奏の醍醐味。面白み。

みなさま、いかがでしたか?

さて、昨夜の5曲+アンコール1曲のご紹介です。



・For Minors Only

・I thought about you

・Good bye pork-pie hat

・St.James Infirmary

・Blues by five



「 フォー マイナーズ オンリー 」

曲名で検索すると、アルトサックスのアート・ペッパー、そしてトランペットの

チェット・ベーカーの演奏やアルバムが登場します。そうそう、聴いてます、うん。

口ずさみ始めるとスルスルと出てくるメロディですが、曲名を言われてもメロディ

をすぐに思い出せない、でも即、口ずさむことができたら結構ジャズ聴いている人っぽ

くてカッコイイかも、、、なカッコイイ曲です。

テナー大関は、「 今回はこの曲を一番練習したんだけどなあ・・・」 とのことでした

が、最初の音出しにコケて手こずっておりました! でもベースの応援を得てすぐに

持ち直し、二人の掛け合いも上々で無事に終了。ホッ。


「 アイ ソート アバウト ユー 」

邦題は 「 君のことばかり 」 っていうんですって。

この曲というと思い浮かべるのは、テナーサックスのスタン・ゲッツ。

スタンダードなバラードの名曲なので、いろいろな演奏があると思いますが、スタン・

ゲッツの演奏はこの曲にまさにぴったりと思う。マイルス・デイビスも繰り返し録音

していて、そちらももちろん星5つなのですが。” 想う ” を歌い上げる胸に浸みる曲

を、昨夜のテナーものびのびと演奏していました。


「 グッドバイ ポークパイハット 」

” ポークパイハット ” というのは、テナーサックスの巨星のおひとりレスター・ヤング

のこと。つぶれたような丸いブリムの黒い帽子 =ポークパイハット がトレードマーク

だったレスターヤング。つまり、「 さよなら レスター・ヤング 」 という意味で、

レスターの亡くなった1959年に、ベーシストのチャールス・ミンガスによって

作曲された追悼曲なのです。ブルージィでちょっと気だるいような、、、一筋縄では

いかない実に渋い曲だと感じられたのではないでしょうか。ベースの小林さんのソロ

が素晴らしく、本番前に 「 この曲は、難しいコードが組み込まれていて・・・」と。

そのソロを聴くと、なるほど~と理論は解らないけれどなんか納得なのでした。


「 セントジェームス インファーマリー 」

過去に一度演奏しているのですが、この秋のはじめにふさわしい悲しく寂しさの漂う

曲を、とリクエストした1曲です。

セントジェームス病院とは、アルコールや薬物の重度の中毒患者が最期に入る病院。

俺の恋人がセントジャームス病院に行っちまった・・・・という悲しみと諦めに満ち

た男のつぶやき、というもので、テナーサックスをソプラノサックスに持ち替えて

の演奏でしたが、貫くようなソプラノサックスの高音がなんとも素晴らしかった。

本当に、男の心の中の泣きが伝わるような。


「 ブルース バイ ファイヴ 」

最後 は、そうです!マイルス・デイビス!です。

アルバム 「 クッキン 」 で聴けます。もうノリの良さ、カッコ良さ、ジャズらしさ、

どこから攻められても万全の鉄板チューンでしょう。大関・小林デュオも、4曲の

演奏を終えて、楽器の鳴りも最高潮、勢いのある流れを最後の一音まで、演奏が進む

につれて聴いていてぐっと前のめりに、足で一緒にリズムをとり、演奏者と聴き手

のノリが一体となって空間にエネルギーが充ち満ちた感覚でした!!

これぞジャズ! でした。


「 メモリーズ オブ ユー 」

ピアニスト ユービー・ブレイクが1930年に作曲した珠玉。

ブルース バイ ファイヴの熱演で息をはぁはぁさせながらも、テナー大関がソロで吹き

ました。ソロ演奏に合う、優しさ溢れるような名曲、だな。




以上でありました。

ご参加の皆様、いかがでしたでしょうか?

気に入った演奏はありましたか?

このような近距離での生演奏から、ジャズっていいな、と感じてくださると、もうやみ

つきになりますよ。気になった曲からアルバムを探してみたり、いろいろな演奏を聴い

てみたり。ぜひジャズにもっともっと親しんでくださいね。


次のジャズライブは、11月23日 ( 月・祝 ) です。

ぜひ一度、この生演奏の醍醐味を味わってみてください。

一同、心よりお待ちしております。





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