2019年09月25日 ( 水 )



我が家のテーブルは、ごはんも、息子の宿題や勉強も、私の手紙書きや読書も、

なんでもそこでやるテーブルなのですが、そのテーブルの私の席からは、三角山が

眺められます。三角山が季節の移り変わりを教えてくれる特等席なのです ( 右の端っこ。

台所に最も近い。お水ちょうだい、ハイすぐにっ! ・・という ” お母さんの席 ” )。

そして今三角山は、最盛期の緑から、ややくすんだ深緑や茶色がかった緑に。

朝、トーストにジャムをのっけつつ、山を眺めては、深まりつつある新しい秋

を感じてしみじみ。さらに、なんだかヤル気も出てきますね。


J.R.R.トールキンの 『 指輪物語 』 を読んでいます。

私の周りに 「 読みました~ 」 という人が複数いてちょっと驚きです。

というのも、全9巻もある長い長いお話しなのですもの。既読の人達は、どの人も

こともなげにさらっと 「 あぁ、読んだネー昔・・・ 」 とか、「 映画も本も。」

「 もうだいぶ前にね~読んだな。 」 とか言うんですよ!!

中には、映画版も大大大好きで、公開当時は高校生だったから、1年生、2年生、3年生

と、三部作の映画版が1学年に1本ずつ封切りされて、3年生の時は、完結編を観る

ために ( 公開初日に ) 授業をさぼって観に行ったという猛者もいて、彼女もさらっと

「 もちろん読んでますよー! 」 って。

「 アラゴルンは、本の中では ” 馳夫( はせお ) ” だよね。 」 と私が言うと、

「 そうそうっ!!そうだった!馳夫サン! 友達と 馳夫サン、って呼んでましたー! 」と。

ふーむ。

まだまだ続く辛く厳しく危険で恐ろしい旅、まだ4巻目の後半ですからねぇ・・・ゴールは遠い。

私にとってこの 『 指輪物語 』 のなにが魅力かって、それは翻訳者の瀬田貞二の選ぶ日本語

の、今はもう消滅してしまったであろう古典的な美しさなのです。

世界文学史上屈指の英国傑作ファンタジーを、かくも凛々しく香り高い日本の言葉で ( しかも

やわらかなですます体で ) 読むことが出来ることは、本当に幸福なことだと思うのです。




『 突然フロドは、自分でも驚いたことに、煮えくりかえる怒りに胸の中が熱くなるのを覚えまし

た。「 ホビット庄の一の太刀! 」 かれはそう叫ぶと、ひらりとボロミアのかたわらに身を躍ら

せ、体を屈めると、見るもおそろしい足につらぬき丸を柄も通れと突き刺しました。 』




『 指輪物語4 旅の仲間( 下2 )』五 カザド=ドゥムの橋 より






秋はおいしく、愉しく、そしてしみじみと。

心にも、からだにも、冬に向かうための栄養をたっぷりとつけておきたいものですね。
















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