その昔、私が珈琲を飲みに、お店にも通い始めた二十歳前後の頃は、

店名に「 カフェ 」 という言葉がつている飲食店はまだまだなくて、

でも昔から営業している 「 喫茶店 」 も少しずつ減ってきているような、

そんな時期でした。

「 喫茶店 」 とも違う、企業が運営しているのではない個性的な個人経営の、

現在の「 カフェ 」 の前身?のようなお店を探し、見つけては、その独自の

素敵な空間でひととき珈琲とともに過ごすこと。

それが当時の私には、何よりも大事で、この上ない喜びでした。

そのような店を探して、私は街歩きに励みました。

若者の特権としての時間だけはたっぷりとありましたからね。

それは、店全体が、店主の価値観を表現しているようなお店であり、

知的な、引き締まった雰囲気があり、

何といっても静けさを提供してくれ ( 静かなざわめきとでもいいますか・・ )、

テーブルやカウンターにつくと、自然と日常からすっと離れられる、

そのようなお店、そのような空間、なのでした。

そして、そんなお店は、間違いなく美味しいお店なのでした。

社会人になって、重い ” 忙し病 ” に罹ってしまい、私は結構長い間そのような

好きなお店の空間で、珈琲をたのんで一人の時間を過ごすことをおざなりにして

おりました。ずーっと。

忙し風を吹かせるよりか、好きなお店で美味しいコーヒーを淹れてもらって

飲む時間の方がどんなに元気になり、また価値のあることなのか、

解っていなかったのですよね・・・・。

結婚して出産して、子どもが大きくなって、少しずつ手が離れてきた頃から、

少しずつ少しずつ自分一人の自分を思い出し始め、同時にお店の珈琲の時間も

思い出し始めましたが、長らく離れていたせいもあって、なかなかヒタヒタっと

気持ちに添うお店に出会えずにいたのです。

出会えずに時は流れていたところ、

この3月1日の月曜日、見つかったんです、そんなお店が!

本当に久しぶりに 「 ここは良い! 」 と素直に感動しました。

以前から一度行ってみたいと思いながら、遠くて二の足踏んでたお店でした。

決心して、地下鉄とバスに乗って行ってみて、予想以上の、モノではない何か

をもらって帰ってきた感じです。

こちらの感受性を心地よく刺激してくれる何か。

美味しさと同時に、なくてはならない何か、がきちっと備わったお店でした。

そのお店の名前は、アイヌの言葉で 「 雲 」 という意味だそうです。

雲のように のんびりと。

次に行くときは、きっと、もっとそうしてみたいのです。










明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

春はなんだかお腹が減りませんか?

当店の丸パン、

気軽にパクリと食べるのですが、なかなかに食べ応えがあり

バタやチーズをのっけると、十分な一食になるでしょう。

こんがりと焼けたきつね色の丸いパンを山盛りにして、

ご来店お待ちしております!



グラハム粉の丸いプチパン
1個 150yen













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