レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「世界の偉人」ツッコミ

2011-11-20 15:23:03 | 歴史
 かつて朝日新聞社から、「週刊マンガ日本史」というものが出ていて、「新」を合わせて100冊あった。結局私はまったく買っておらず、いくらか手にしただけで終わった。 やはりというのか、その「世界」編が出るという。しかしどうもその顔ぶれにはおおいに疑問がある。
 少なくとも、龍馬と信長はまえにもやっただろう? 
「世界の偉人 」

「週刊マンガ日本史」

 そもそも「偉人」という言葉からして抵抗がある。「マンガ世界人物伝」あたりにしておいたほうが無難だろう。いわゆる「偉人」だって、業績は別としてどこか一般道徳の点で問題のある人はいくらでもいるものだし、「英雄」だともっとダメなことが多い。それらをいちいち目くじらたててるのもかなり空しいとは思うのだ。 劇的な魅力というものが、善悪という基準よりも劣っていると決めつけるつもりもない。 しかしなぁ~~。
 「偉人たちの感動の物語をお届けします」 
 「偉人の人生がマンガで学べる」
 「世界を動かした偉人が勢ぞろい!」 
 「情熱と信念を持って生き抜き、世界を動かした偉人を厳選しました。困難にめげず、大事を成し遂げた彼らの人生を通して、「人間の力ってこんなにすごい!」という感動を子供に伝え、「自分もこんな人間になりたい!」という気持ちにさせます」
ーーなんて具合に、偉い人!とあまりにも堂々と言いまくっていると、
 天才でもないのにモーツァルトやベートーヴェンみたいな人なんてそのへんにいられちゃ困るだろ、とか、
 アンネ・フランクが世界を動かしてはいないだろ(動かしてたらあんなめにあってない)、とか、
 「情熱と信念を持って生き抜き、世界を動かした」ならばヒトラーだってあてはまるだろ、
などなど、いろいろとツッコミはわいてくる。
 アレクサンドロスがあるのになんでカエサルがなくて、クレオパトラなんだよ、とも。(もちろんこの人たち、現代人にとって道徳的にまずいことは多々あるし、子供のお手本にされるようなもんじゃないのだが)

 確実なことを一つ。
 「グリム兄弟 世界中の子供に愛される童話を作った兄弟」
  「童話集」を作った、ならば間違いでないけどね。

コメント (2)
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