レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

源さんの新刊 総司の丸顔

2011-11-01 13:53:11 | 新選組
秋山香乃『新選組捕物帖』
 幻灯舎文庫の新刊で出ているのを目にした。副題に「源さんの事件簿」とついている小説は『諜報新選組』を数年前に図書館で読んだことがある。そのあとまた「源さん」はもう1冊読んだと思っていたけれど、今回手にしてパラパラ見て、どうも覚えがない。解説の縄田一男氏が映像における新選組は『新選組血風録』『燃えよ剣』(結束、栗塚による)が最高だと断言していたので、それで購入することにした。--結局、読んではいなかったと結論。
 井上源三郎といえば、新選組幹部とはいってもなんだかご老体の人情派というイメージのある人である。司馬『血風録』においても、40代初めだけど60くらいに見えるという設定であり、結束ドラマでも、「おじいちゃん」と総司に呼ばれていてなんの違和感もない。
 (ほんとは若かったはずだけど、2004年の大河においても、その年寄り路線は継承されていた。)
 秋山版でも、話の始めに35才ということでも度々「じじい」よばわりされている。
 人情家の世話焼きで、事件に首つっこんで人助け。マジメくさった顔でなんのかんのと巻きこまれて手伝わされている尾形俊太郎君がいいキャラ。
 秋山さん、『歳三 往きてまた』などで「萌え作家」と言われていて、そういう傾向を私は別に悪いとは思わないけど、多少困惑することもある。その点で、「萌え」というタイプでない主人公設定の本作は抵抗なく読める。
 前作の『諜報~』の出たのが05年だったので、キャラが大河『新選組!』そのままじゃないか、というネガティブな評価も目にしたけど、私は、まえから「源さん」はこういうのがむしろデフォだったろ、と思ったものである。
 大部屋にたむろする隊士たちの一人が、猫を連れこんですりすりしているひとこまがちょっと好き。(私は猫派ではないけど)

姫野カオルコ『ああ、懐かしの少女漫画』で、私の知っている作家作品はほとんど出てきていないけど、数少ない例外の一つが木原としえ(「敏江」でないところが話題の古さ)。引用されている『天まであがれ!』のラストは私にとっても感涙もののシーンである。
 ところで、筆者が当時、自分の思う沖田像と違うという理由で、現に沖田を演じた俳優たちが嫌いだったと言っている。言いがかりだと本人もわかって書いているので、こちらも苦笑ですませよう。
 しかしだな。「島田順司に至っては、「丸顔のくせに沖田総司を演じるなんて」と思っていた」--?
 ・・・丸顔? ・・・・・・丸顔? 
 あの~姫野カオルコさん、あの島田の順ちゃんを、どう見たら丸顔に見えるんですか!? 私は怒ってるのではなくて驚いております。 どこかで大きな勘違いをしてませんか!?
 みなもと太郎さんが、「総司」を「そうし」にしたのが『天まであがれ!』だと誤記していたことの半分くらいの驚きであります。
コメント
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