レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

『歴史はこうして作られる』にひとことふたこと

2011-10-03 15:15:16 | 歴史
 過ぎたことだけど、
 9月23日19:00~21:00、日本テレビ系列にて「真実発掘ミステリー 歴史はこうして作られる」が放映された。取り上げられたのは、クレオパトラ・西太后・坂本龍馬・マリー・アントワネット・宮本武蔵・シェイクスピアなど。シェイクスピアの正体はXXだった?とか、龍馬のヒーロー化はあとの時代に土佐出身者の不満から始まったとか、ジャンヌ・ダルクはナポレオンがヨイショしたから有名になったとか、西太后やアントワネットの悪女説は人為的なものだとか、--マニアックな人々にとってはさほど新しいわけでもない内容、だから悪いとは言えないけど。でも、アントワネットの悪評に貴族たちの悪意が絡んでいるのが事実であっても、彼女の性格に軽率さがあったことも事実だと思う。いろいろと不運が重なっていたけど。淫乱よばわりされることはまったく不当だったに違いないと、そこは信じる。

 さて、「クレオパトラは美女ではなかった!?」--まだこんなことを言ってるのかというのが本音。
 根拠としてプルタークを挙げて、大英博物館にある肖像やコインを紹介していた。「かぎ鼻、しゃくれたアゴ、薄い唇」が特徴だと。(そう説明していたにいちゃんがずいぶん可愛かった) 
 これらのことは散々言われていることであり、別にモンクはない(強いて言えば、彼女の100年後のプルタークの記述にも信憑性があることも言ってほしかった)。

 しかし、どうしても吠えておきたいことが二つある。

 一つめ。
 イタリアでは「娼婦」よばわりされており、エジプトでは評価が高いと指摘して、エジプトでのある絵本で「魅力的で聡明で教養がある」と書かれていると言っていた。そこで出てきた絵本の絵が、ひどい・・・。絵がヘタなのかそういう画風なのか(少なくとも日本の少女マンガ界でシリアス作品としてこんなの投稿したら絵だけでボツまちがいなし)、タレ気味の細目でのっぺり顔、こんなので魅力的と言われても説得力がどこにあるんだ(いくら、魅力と美貌がイコールでないとはいっても)。こんなの見せられて納得しているのかエジプトの子供たちは!? そのへんのふつうのおねえさんたちのほうがはるかに美女であろうに。 もっとマシな絵本だってあるに違いない、今回はたまたまひどいのを拾ってしまっていたのだろうと思う。

 もう一つ。
 「英雄カエサルとその後継者アントニウス」
ーーだ~れ~が後継者だって!? 「自称」後継者と言わんかーい!!



コメント (6)
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